市川よみうり1-00
市川よみうり2002年2月
外環道ふたかけ問題で話し合い紛糾 市川市内を南北に縦断する東京外郭環状道路市川ルートの計画を進めている国土交通省と日本道路公団は1月21日、市川市中央公民館で菅野二丁目、菅野三丁目、菅野西の3自治会住民と、京成菅野駅周辺の<1>ふたかけの延伸<2>その上部利用<3>地域分断対策について話し合いを行った。この日、国交省首都国道工事事務所副所長・桑原正直さんが、これまで菅野駅から国道14号線までと同駅から北へ170メートルで計画されているふたかけをさらに、北へ170メートル延伸することを明らかにして、地域の理解と協力を求めた。
 一方、住民側は「一般国道298号線並びに専用部を、国道14号線から真間川まで完全地下化して、その上部に緑地防災公園の創設を要望していたが、なにも変わっていない」と反発。物別れに終わった。
 特に、都市計画道路3・6・30号線と一般国道298号線を平面交差させたい−という市の計画に対して、市民側は「いい設計は出来ない。市は一体、どちらの味方なのか」と、国との橋渡し役の立場にある市の態度に怒りをあらわにしているが、市は「市川全体の総合交通計画を考えると平面交差が必要」と主張、この問題は平行線をたどったまま推移した。
 基本設計のなかで要望を聞き入れようとする国側、基本設計を変更しての完全地下化を求める住民、住民要望より平面交差を優先する市側、それぞれの違いが明確になったことで、住民は今回の説明に「不満だ。完全地下化の青写真をもってこなければ絶対反対」と表明している。

県主催で第1回・三番瀬再生計画検討会議開催県主催の第1回・三番瀬再生計画検討会議1月28日、千葉市文化センターで開かれ、堂本暁子知事は「徹底した住民参加と情報公開という類のない方法でこの会議が立ち上がったことは、今後の公共事業のあり方を大きく前進させることになる。あせらずに、十分議論をしながら、しかしできるだけ早く、三番瀬再生計画をつくっていきたい」と抱負を述べた。
 委員は地元住民、漁業関係者、環境保護団体代表、学識経験者、一般公募など24人で構成。会長に指名された青森大学院教授・岡島成行さんは「検討会議をどのような運営方法とするか。どのような目的でどのような組織とするか」など、今後の進め方について私案を提示した。
 同私案では、「みんなの英知を集めて、三番瀬の再生計画を策定するための基本的な方向性を示し、再生計画案を作製、知事に提案する。さらに具体的な再生の状況を見届けることが目的だが、三番瀬の再生計画(案)を作製して知事に提案することで、計画を決定する権限はもっていない」と会の方針を明示、各委員から賛同を得た。
 今後は、9人の専門会議や小委員会を組織。そこにいろいろな県民や人が集まり、多くの人の意見が取り入れられるような仕組み(ホームページの開設)なども考慮している−という岡島会長は「一年後をメドに、なるべく全体像、アウトラインを出していきたい」と方向性を示している。 

市民グループも真間山の開発行為許可処分取消審査請求提出市川市真間4丁目の旧木内家別邸跡地のマンション建設計画に反対している市川市内の市民グループ・真間山の緑地を守る会と地域住民有志59人は1月22日、県開発審査会に開発行為許可処分の取り消しを求める、審査請求書を提出した。昨年12月には、国府台マンション管理組合と地域住民40人が同様開発許可処分の取り消しを求める審査請求を提出している。
 今回の請求は、「当該緑地は専門家が重要緑地と指摘し、市川市自らも本件開発区域を含む、江戸川沿いから真間山までの緑地帯を『市川市を象徴する緑地帯』と評価してきた」と指摘。
 しかし、開発行為が進行すると、維持されてきた優れた自然環境は破壊されて回復不能となり、貴重な遺跡の消滅によって貴重な社会資本を永久に失うことになる−と前段で述べている。
 さらに、「市川市が行った開発に伴う地区計画は、一事業者の個別の計画に併せて決定された住民無視の異例なもの」と市のやり方に疑問をはさみ、周辺住民の貴重な社会資本を永久に失うことへの侵害を訴え、「市川市を自然と文化にあふれた町として、子々孫々に承継すべき義務を負っている市が、一事業者の計画に沿って都市計画決定・変更するといった本建築計画の手法は、本末転倒もはなはだしい」と追及。
 開発業者から出された高さ制限20メートルへの緩和の要望に従うため市は、都市計画法に定める要件が存在しないにもかかわらず、違法に住宅地高度利用地区計画を定めたうえ、この地区計画に則った本件処分をした。このことは、重大な違法性を有していることが明らかである。この実態を真摯に審査、処分取り消しの採決をされるよう審査請求する−と述べている。

市川市・組織改革で子供、文化、環境に力点 市川市は多様な課題への対応と、昨年4月にスタートした新総合計画の推進を組織面で支援するため今年4月から、組織改革を行う。4日、庁内に配布された「行革ニュース」で原案が示されたもの。部レベルでは、こどもと生活支援部からこどもにかかわる組織を切り離し、「こども部」として独立。生活支援の関係と高齢者支援部を統合し「福祉部」とする。また環境部と清掃部を合体し「環境清掃部」、さらに新たな組織「文化部」を新設する計画。
 文化部を「首長部局に設置するのは、全国的に珍しい」(行政改革推進課)。「子供、文化、環境に力点をおいた改正」で2課が削減される。この組織改正の土台には職員数の削減ともリンクするのでは−との懸念に推進課は「リンクしない」と答えている。同組織改正案は、2月市議会定例会に提案される見込み。
 こども部は「子供の健全育成や給付・助成、保育・就労支援、相談、政策調整、発達支援など、これまでの保健、福祉、教育の枠にとらわれず、地域や家庭、子供自身を中心とした広い視点でとらえ直す」と説明。市教委生涯学習部に少年センターと少年自然の家、ナーチャリングコミュニティを残し、子ども保育クラブや子ども会など青少年の健全育成の事務は新設の「こども育成課」に移管する。
 文化部には文化振興課とまちづくり課、国際交流課を配置、「これまでの文化施策に加え、市民意識を高めて都市のグレードを上げ、市川市を外に向かってアピールしていく組織とする」。
 また、トップマネージメントの強化や政策決定の迅速化、調整機能の強化を図るため「企画部」(現企画政策課)に企画審議監6、7人を配属。市長からの指示に迅速に対応するとともに市長、助役をまじえ、全庁的な立場で精査して対応方針を決め、所管の役割を明確にしていく。審議監は総務部、財政部などの次長が兼務、部の組織を超えた、全庁的な取り組みで課題解決に当たっていく−という。

市川市内の外環用地取得は70%市川市議会の外環道路特別委員会が5日、市川市役所で開かれ、国土交通省首都国道工事事務所や日本道路公団、県などの関係職員を参考人として招致。今後の事業の進め方、道路公団民営化などの質疑を行った。このなかで、同工事事務所は平成13年12月末の用地取得率を「市川市内全体で約70%」と説明。区分別にみると、須和田一丁目から平田四丁目までが最も低く50%、次に田尻五丁目から高谷三丁目までの60%、新田二丁目から田尻二丁目まで68%、北国分一丁目から国分一丁目まで79%、高谷三丁目から上妙典まで89%と、外環道路計画の両端に当たる地域の取得率が高くなっている。
 委員からの「平成19年度供用開始と前回は答えているが、一部地域で50%と、半分の取得率敷かない。可能なのか」との質問に、同工事事務所は「用地がある程度取得できたところから工事を行っていく」と供用開始時期の明言は避けた。
 一方、昨年8月に設置された内閣都市再生本部内で、外環道路は『大都市圏における環状道路体系の整備として、外環東側区間などについて整備を積極的に推進し、平成19年度までに暫定的な環状機能を確保する』との方針が示されていることから、一部の関係者からは「難しい、と思っていても方針を変えられない事情があるようだ」との見方もされている。  

一般会計1千64億円など平成14年度市川市当初予算案まとまる 歳入歳出それぞれ1千64億円(対前年度費1.3%増)の一般会計など、総額1千851億1千200万円の平成14年度市川市当初予算案が、20日から開会の同市議会2月定例会に提出された。
  千葉光行市長は15日の記者会見で「2年連続増額の予算編成となった」と述べ、その理由を「国庫支出金と市債の増額や財政調整基金から13億円の有効活用を図った結果、4年前の行財政改革や第一次財政健全化緊急3か年計画の効果が表れた。また、義務的経費をはじめ、全事務事業を見直し、簡素・合理化による経費節減に最大限の努力を払い、2年目を迎えた総合的5か年計画事業及び主要施策事業に重点的・効率的な財源配分に努めた結果であり、財政の健全性に考慮した実行型予算」と、概要を説明した。

  千葉市長は「新年度は足腰がしっかりとしてきた行政の下で、5か年計画事業を円滑に推進していくための土台を築く年度。財政健全緊急3か年計画の目標の一つであった経常収支比率85%が今年度当初において達成できなかったことから、新年度は再度85%を目標とし、この比率を下げることで出来るだけ多くの財源を5か年計画事業や市の重点課題に積極的に取り組むための予算に振り向けた。さらに高齢者や子供への施策など保健・医療・福祉などの市民福祉にかかわる経費は社会経済情勢の影響を大きく受けることから、その推移を的確にとらえ、市民が安全で安心して暮らせるまちづくりにかかわる事業やIT(情報通信技術)の活用、文化施策の拡充といった市民生活に密着した事業にも必要な財源を確保。ゴミの減量化や再資源化を推進し、資源型循環社会の構築を目指すともに、市役所も一事業者として環境負荷の提言に留意するなど、環境問題に配慮した予算編成にした」と語っている。

  歳入の64.8%を占める市税は「若干ながら回復にあったものが、現状では前年度の水準を維持するのが難しい状況で今後の経済の動向によっては、むしろ減収となると予測している」(市財政部)ことから、前年度比1千200万円増の689億3千800万円。歳出は「各部に予算編成機能を持たせる枠配分方式を適用。各部の経常収支比率八五%に設定、それぞれから優先事業を出してもらい、総合五か年計画事業と主要施策事業に重点的・効率的な財源配分に努めた」予算となった。

  歳出の構成比1位は253億4700万円(対前年度比10.1%増)の民生費。2位は190億8600万円(対前年度比17.9九%増)の土木費。3位は対前年度比マイナス0.7%と落ち込んだ衛生費の157億6千万円。4位は前年度比マイナス15.3%の教育費で138億2千900万円。「市立妙典小の建設費と同冨貴島小の土地購入費が今念度で終了したことよる。教育費全体としては上昇している」と千葉市長。

 特別会計では、「高齢者の増加や医療の高度化に伴い、老人保健拠出金が増額となったこと。また、介護保険利用件数などの増で保険給付費が増額となったなどから、国民健康保険特別会計が4.4四%増の10億9千300万円、介護保険特別会計は28.9%増の22億6千600万年の伸びとなった」(財政部)。



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