市川よみうり2002年9月
JR高架下のホームレス追い出しを中止 市川市は8月27日に予定していた、JR高架下のホームレス追い出しを22日、中止と決定。同日、抗議していたホームレス自立支援ボランティアグループ「市川ガンバの会」(副田一朗代表)に口頭で伝え、同会の抗議文に対して千葉光行市長名で「今回の通告などは万やむを得ず行った措置。市関係部署と貴会との話し合いが十分に行われなかったのは誠に遺憾」との回答を行った。
 同会は「排除通告の撤回が回答書のなかで全く述べられず、口頭であったことに不安感を抱いている。話し合いが十分に行われなかったのではなく、通告という一方通行で話し合いを行わなかったのは市側」と指摘。正当性を主張する市を非難している。

 また、一連の措置について市は「JRや地域住民からの苦情がある」ことを回答文のなかで説明しているが、同会は「十分承知している」としたうえで、『ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法』第一条は「地域社会の理解と協力を求めることを国や地方行政が行わなければならないことを言っている。こうしたこともせず、退去通告をした今回の措置はその理由付けにおいても、違法性を含むもの」と指摘している。 


市民ミュージカルに多くの市民が感動 市川市民手づくりの市民ミュージカル「いちかわ真夏の夜の夢」が8月31日、同市文化会館で行われ、昼夜2回の公演ともほぼ満席の「大成功」(買場都明実行委員長)をおさめ、多くの市民が子供たちの演技などに感動、酔いしれた。
 昨年7月に実行委を組織。毎週土日曜日の練習など、出演者約300人はじめスタッフ延べ874人が「子供たちに豊かな感動を味わわせたい」「まちに楽しい風を起こしたい」と準備を進めてきた。

 公演後、演出家・吉原広さんは、客席から出てくる市民を見て「みんな良い顔なので、満足していただいたと思う。アッという間の一日。みんなよくがんばったし、力を発揮できたと思う」と答えていた。
 買場都明実行委員長は興奮気味に「大人と子供やプロと素人、出演者とスタッフ、地域と地域など新たな人と人のつながりが生まれ、大成功だった。新しい、楽しい市川の芽生えに期待」と語っていた。


「公共事業チェック議員の会」が外環予定地視察と討論会1メートル1億円の道路は必要か−と、東京外郭環状(外環)道路建設県内ルート計画に反対する、市民グループ・外環反対連絡会(高柳俊暢世話人代表)などは8日、超党派の衆参国会議員で構成する「公共事業チェック議員の会」(会長・中村敦夫参院議員)を招いて、市川市内の外環予定地視察と討論会を行った。
 視察後、「あきれた」−という中村会長は「計画地には隣接する学校が多い。国は何を考えているのか。いまや公共事業はゼネコンの関連業者600万人を食わせるためだけのもの。100年後に人口が半減するというのに、道路だけを造ってどうするのか。環境破壊と国の赤字を招くだけ。外環道路はたぶんできない。一歩も引かず、頑張ってほしい」とエールを送ると同時に「われわれがここにきたということは国会でしっかり議論していく」を約束した。

 また、事務局長の佐藤謙一郎衆院議員は「視察してムカムカ、イライラし腹がたっている。チェック議員の会は目撃者責任を理念としている。知ってしまったら黙っていてはいけない。路線から外れている人はこういった運動になかなか入っていけない。また、入れない。しかし、入れなくても外側で応援が出来るような態勢づくりと受け入れる心構え」をアドバイスした。
 一方、参加者市民から「不安がある。説明会で国の職員は黙って聞いているだけ。それでも計画は進んでいる。これらの運動がどれだけ、どういった効果があるのか」との質問が出されると、高柳さんは「反対運動がなければ、外環道路は昭和60年に完成している。30年間造らせなかったことが実績。また、今後も財政問題や文化財調査の件、ダイオキシンが検出されたことなど、道路を造れない要素が噴出して外環道路はできない」と強調。「国民の関心がいま高速道路に向いている。この機会を逃すことなく、全国民を巻き込んだ反対運動を展開していく」と方針を述べた。


委員からも疑問の声あがった市川市教育改革懇話会学識経験者や市民で組織する市川市教育改革懇話会(高階玲治会長、委員10人)は3日、同市教育センターで第2回会議を開き<1>教職員の資質向上<2>学校の外部評価<3>開かれた学校づくり−について議論を行った。委員からは、市に「ここでの議論を具体的に、どのように生かすのか」「何を問題としたいのか」「もっと問題を提起してほしい」「実情を知らないので、ものの言いようがない」などの意見が出され「ただ集まっただけで終わってしまう」ことを危ぐする発言があった。

 高階会長は「きょうもいれて会議は残り2回。問題解決の会ではなく懇談会」であると理解を求め、市教委も「広く教育全般にわたって取り上げてほしい」と説明したが一部市民は、市の実情を熟知している教育委員を核として、市民公募委員を多く選任した方が良かったのではーと指摘、市教委の進め方を疑問視する見方もある。
 この日の会議では、教諭資質向上について「評価体制の確立。つまり一生懸命に仕事をしている先生。そうではない先生は配置換えや免職をしてもらう」などの厳しい意見や、「教員の自己申告性を導入し、達成目標やその結果がどうなったのか、これからどうしたいのかなどをチェックしていく。そのことが気付きを得るチャンスになるのではないか」など前向きな意見も出された。


利用者少ない市川市電子市役所 将来の電子行政を目指して今年5月9日、JR本八幡駅南口駅前にオープンした市川市情報プラザ。市は9月市議会定例会の一般質問で、同プラザ内の電子市役所を利用する市民が「現時点では非常に少ない」(情報システム課)ことを明らかにした。4か月間で電子市役所を訪れた人は1386人、一日平均は12人だが、なかには図書館の本を返却した500人が含まれている。
 同市の集計によると、住民票や印鑑証明書などは618人、相談関係83人、公共施設の予約55人、地域の情報検索130人。単純計算で一日平均8人。ほぼ同じ立地条件のJR市川駅北口の市川窓口は、一日平均約270人で比較にならないほど少ない。

 証明書発行にかかる経費は、市役所本庁が347円なのに対して、情報プラザでは7千円と約20倍。本来の電子行政であるパソコンを利用した証明書申請はもっと少なく、「計算では証明書一枚の経費が数万円以上になる」と市幹部はつぶやく。
 利用の少なさに情報システム課は「プラザがPR不足で市民に知られていない」と説明。さらに現時点で「市民税の証明書が発行できないなど、サービスが限定されて、十分な内容ではない」という。しかし、「来年度から、市役所でのパスポート更新業務が始まり、平成16年4月からは、公認会計士など一部の国家試験1万8千935種の電子申請手続きがスタートする。そうなれば情報プラザの本来の役割が果たせる」と期待している。

 電子市役所という難しいイメージが、敬遠されているのではないか−と分析する情報システム課は、「利便性が高い場所なので市民が使いやすいようにする必要がある」と電子市役所活性化プロジェクトを組織、市民要望を聞くなどしてきた。要望では<1>公的資格を取る願書を置いてほしい<2>図書館のCD・ビデオを返せるようにしてほしい<3>戸籍やパスポートの申請<4>土・日曜日にも利用できるようにしてほしい−との意見が出ている。


浦安市猫実川改修・県内初の二層河川完成 降雨や家庭・企業から排出される雑排水などが水源となっているため、水質浄化と悪臭対策が急がれていた浦安市の猫実川がこのほど、平成11年度からの改修工事を終了、河川上層部に憩いの広場、下層部に治水・浄化施設を整備した県内初の二層河川として完成した。
 総事業費約4億5千万円(うち県約2億5千万円、市約2億円)を拠出して再生整備されたのは水源となる営団地下鉄東西線浦安駅付近約200メートル(下層部約110メートル)の部分。幅約10メートルのふた掛けをした上層部は、旧江戸川から直接水を引き込んで小川をつくり広場空間を創出。川を渡る飛び石のほか、ベンチや高木などが設置されている。下層部にはボックス化した河川水路を確保して治水対策としたほか、ボックス化で余裕ができたスペースに雑排水などを流す浄化施設を併設。

 同様のアメニティ空間と河川水路の上下二層構造は、全国にいくつかの例があるものの、従来の河川を利用して、治水と浄化2本の水路を暗きょ化したケースは珍しい。これは猫実川の川幅に余裕があったことなどの条件が可能になったもの。
 整備された区間から先は従来どおりの形態をとどめ、二層河川上層部の小川の水と、下層部の浄化水はともに整備区間終点で河川水路と合流して下流に放流される。


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