市川よみうり2003年1月
芝生のグラウンド整備や屋上緑化事業を計画学校緑化推進事業計画を進めている市川市教委は、平成14、15年度に同市立6小学校と1幼稚園の校(園)庭を2分の1から10分の1の面積で芝生にする。校(園)庭を芝生化するのは市内で初めて。これは「市が提唱する『人と自然が共生するまちづくり』の推進を基本理念として、学校緑化を進める」(市教委)もので、「施設整備の向上と命の尊さを教える教材などが目的」。今後は「校庭の公園的整備としての植樹」「芝生によるグラウンド整備」「ヒートアイランド現象の緩和策としての屋上緑化」事業も行われる予定。
  市教委は「児童が思いきり跳ねて遊べるようにし芝生の手入れなどを行い、環境学習の観点からも潤いのある教育環境をつくる」と説明。芝生化の効果として「環境教育の推進や子供たちがはだしで自由に運動を体験、緑のなかで過ごすことで子供たちへの精神安定を期待。また、砂ほこり防止対策、校庭の温度上昇の緩和、緑が少ない行徳地区の緑化向上」を挙げている。

  今回の対象施設選択理由について、市教委は・補助グラウンドを有している学校や自主管理できる学校を優先した−と述べ、合わせて「各小中学校のアンケート調査で、校庭芝生化に39小学校のうち手を挙げた10小学校と8幼稚園うち3施設でそれぞれ、地域住民などの意向を加味した」と説明する。大和田小=写真=は「主に冬季の砂塵が、隣の市川市文化会館を訪れる人に迷惑となり、住民からの苦情もたえない。雨が降った場合は砂が排水溝に流れこみ、絶えず浚渫しないと排水機能を十分果たせない状況」と芝生化を要望。「グリーンダストがはがれてきたので、ここを芝生に裸足で遊べる『子供グリーン広場』としたい」(中国分小)、「固定遊具の下に芝生があると、万が一落ちた場合や飛び降りた場合の危険度が少なくなる」(新浜幼稚園)など、それぞれ事情を説明している。

 一方、芝生化の研究・実践を進めている千葉大大学院教授・浅野義人さんは、高額な費用の問題にふれ、「これまではゴルフ場やサッカー場などプロが使うような芝で整備してきた。それも業者まかせだったので一校当たり数千万円単位の費用がかかり、維持費も年間5百万円などと大変だった。その方法は間違っている。そもそも、そんな立派な芝生はいらない。管理費が年間5万円くらいで十分」と従来の方法には疑問を投げかける。


県「三番瀬円卓会議」が中間とりまとめ案を報告出来得る限り自然を保全する−と、県の「三番瀬再生計画検討(円卓)会議」(座長・岡島成行大妻女子大教授、委員37人)は昨年12月23日、浦安市で会議を開き、同年1月から進めてきた、東京湾・三番瀬再生計画の議論の「中間とりまとめ案」を報告した。岡島さんは「住民参加という新しい考えのもと、県民の英知を結集する形で議論を進め、大枠で骨格について合意が得られた」と説明。
 一方、目標実現手法の相違として「いまある海域には手をつけず、埋め立て地を削り、アシ原や干潟を造る。海域では、かさ上げしたり干潟にしたりしない」という意見と「環境修復のために人が手を貸し、海に手を入れていく。現在の不自然な海底地盤を整形したり岸辺に干潟を設けアシ原・干潟・地先の藻場を再生させる」という意見が対立したが、「一致しなかった部分でも、実験的にできることから始めようという、現実的な実施の仕方では共通の認識が見られた」(同会議)。

 中間報告は<1>三番瀬の豊かな生物相を守るための生物種や環境の多様性の確保<2>断ち切られているつながりを回復するための海と陸との連続性の確保<3>東京湾に残された貴重な干潟・浅海域である三番瀬保全のための環境の持続性と回復力の確保<4>継続的で安定した漁業を実現するための漁場の確保<5>ふるさとの海として市民が親しめるようにするための市民と自然のふれあいの確保−を目標に掲げている。


江戸川終末処理場決定から30年ようやく前進県が昭和48年、都市計画決定してから30年間、地権者の反対などで手つかずのままになっていた江戸川第一終末処理場の建設に向け県と市川市は29、30の両日午後6時半から、市川市本行徳石垣場・東浜地区の江戸川第一終末処理場計画地の地権者、地域住民を対象に初の説明会を、江戸川第二終末処理場会議室で開く。残土の不法投棄という新たな問題も発生、県も計画見直しを行った「これまでの経緯や、土地利用のための土壌・水質・測量調査など、今後の作業手順の説明を予定」(県都市部下水道計画課)。

昨年12月3日、堂本暁子知事は県議会で「第一終末処理場を本行徳石垣場・東浜地区に建設する」と表明。今年1月7日付けで、約220人の地権者と周辺自治会長などに説明会開催の文書を送付した。
 市都市政策室は「解決に向けて期待している」と述べ、同地区に隣接する行徳自治会連合会長・松沢文治さんは「感慨深い。説明会をするということは、(残土の)山をかたすということ。始まったばかりだが、これで騒音や土砂などに悩まされずに済む」と評価している。
 県は昨年4月、約210人の地権者にアンケート調査を実施、「そのうち約80%から『協力する』、あるいは『条件つきで協力する』との協力的な回答を頂いている」と同地での処理場建設を確定した。その後、市が8月19、20の両日、行徳公民館で開いた地権者の個別相談会では、参加者の多くが「最初48ヘクタールといっていた処理場面積を、48ヘクタールから20ヘクタールに縮小(平成11年6月9日発表)しただけで、残りの28ヘクタールを県の方でどうするのかはっきりしてもらわなければ、地権者はたまらない。事業は48ヘクタールを一体でやってもらわなければ困る」と不満を訴えていた。


マンション建設ストップを訴えて署名活動市川市真間四丁目、旧木内家別邸跡地のマンション建設に反対する市民グループ・真間山の緑地を守る会と国府台一丁目台和自治会、真間四丁目自治会、国府台マンション管理組合自治会、市川緑の市民フォーラムは11日、JR市川駅北口広場で市民に「真間山の緑と豊かな住環境を壊すマンション建設にストップをかけよう」と、開発許可の取り消しをなどを求める署名活動を行った。地域の子供たち6人も参加。大きな声で署名を呼びかけ「市民から『あのままではおかしい』などの声も聞かれ、思った以上に良い感触を得た」。

 東京・国立市のマンション訴訟で昨年12月、東京地裁が「出来上がったマンションでも壊すことができる」との判決を下したことから、「新たな局面が出来た。だからあきらめることはない」と強調。その内容は、係争中の真間山マンション建設問題にぴったり当てはまる−と指摘。「市の施策は、市民の願いよりも事業者利益を優先するもの、との非難を免れない」と追及している。


浦安市議会百条委=証人喚問で「市長の関与なかった」松崎秀樹・浦安市長が泰成エンジニアリングから、資金提供を受けていたとされる疑惑を解明する目的で、同市議会の第3回・調査特別委員会(百条委・宇田川栄吾委員長)が16日に開かれ、証人喚問に立った当時の同市クリーンセンター長と、泰成と特別共同企業体(JV)を組んで同クリーンセンターの運転管理業務を請け負っている荏原エンジニアリングサービス幹部は、同業務に関する松崎市長からの直接的な働きかけをそろって否定した。
 平成8年度から同10年度まで同クリーンセンター長を務めた内田美津男・市監査委員事務局長は、同10年度にJVから外された泰成が、翌年度に再び荏原とJVを組み、業務の受託比率も同9年度までの荏原7、泰成3から6対4に変更した経緯について、「市長の関与はなかった。すべて自分の判断で行った」と証言。しかし同10年度に泰成が外された経緯は、「知らない」と繰り返した。

 平成9年8月31日に執行された同市長選で、初出馬の松崎市長を破った熊川前市長は、同10年10月18日に健康状態の不良を理由に退任。同年11月8日に行われた市長選で松崎市長が初当選した。最初の選挙で落選後、松崎市長に対する泰成からの資金提供の受け皿となっていたとみられる「有限会社オフィスマツザキ」については、同社の元取締役であり泰成の監査役が体調不良を理由に欠席したため、「資金提供の実態のカギを握る人物」として、宇田川委員長ほか、高津和夫副委員長、七里一司委員、醍醐誠一委員が監査役を訪問、聞き取りを行うことを決定した。次回は、当時の助役、市民経済部長、浦安市担当の泰成営業社員を証人に、27日以降に開かれる。



市川市=県にカワウ対策要望書を提出市川市は15日、県に「行徳近郊緑地のカワウ対策及び観察路の延伸等について」要望書を提出した。要望書は、行徳近郊緑地内に生息するカワウが約5千羽を超えていることから、生息区域や羽数の制限を含めた対策の実施・周辺緑地内観察路の延伸・地域住民の意見を反映した再整備を図るため、県行徳内陸性湿地再整備検討協議会への地元市民の参加について−を求めている。
 市は「カワウが平成8年ころ、東京・浜離宮のコロニー(集団繁殖地)を追われてから、近郊緑地内に急増し、平成12年には約3千つがいほどが巣を作った」と説明。「平成14年度の調査では5千羽を超えており、行徳内陸性湿地のなかの、幅員20メートル、長さ1900メートルの周辺近郊緑地の面積3万8千平方メートルのうち、約25%に当たる9500平方メートルの面積で樹木が枯れるなどして被害を被り、自然観察路の延伸についても支障をきたしてる」と報告。「生物多様性の国家戦略のもと、鳥獣保護区なのでカワウと緑の保全を並立させたい」として、「試験的に樹木の代わりに高さ3メートルの人工やぐらを13基設置し、カワウがこれに巣を作るように誘導している」という。
現在、県のレッドデータブックの要保護生物(Cランク)に指定されているカワウの対応として市は、「同鳥獣保護区での最初の繁殖は平成6年、新浜鴨場との境」と述べ「平成九年、浜離宮を追われてから急増。大都会の真ん中で不忍池のコロニーが守られたように、この保護区でも安心して人と共存してもらいたい」との方針を出している。

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