市川よみうり2005年12月
災害対策本部の判断訓練=県と市川市実践的な対応県と市川市は先月22日、同市庁舎で災害対策本部の図上訓練を実施した。災害時の状況判断能力を高めることを目的としたもので、同市では初の試み。どのような事態が発生するか、訓練内容を全く知らされていないなか、市職員約40人が実践的な対応を行った。
 南関東直下型地震発生という想定のもと、避難所に派遣された職員や市民などが、「透析患者に対応した医療機関はないか」「避難所に人があふれている。なんとかしてくれ」などと本部に連絡。本部では、避難所に物資を供給する被災生活支援本部、道路のがれき除去などを行う被災市街地対策本部、医療支援本部などが状況に応じて対応。救援隊の要請・手配、被害状況の確認・報告、マスコミ対応などの業務に奔走した。
 終了後に開かれた反省会では、個別の対応を取り上げ、「この場合は総括本部の判断を仰がずに対応できたのでは…」など、厳しい指摘もあったが、全体的な評価は上々。「ボロを出す場のはずだったが、よくできた」(市災害対策課副参事)と、うれしい誤算だったようだ。
 
保護者と教諭朝のあいさつ運動=福栄中学校区健全育成会議市川市の福栄中学校区健全育成会議を構成する市立福栄中(田代資二校長、生徒数606人)と同福栄小(伊東秀樹校長、児童数347人)、同南新浜小(狩野光徳校長、児童数692人)は17、18日の2日間、合同で朝のあいさつ運動を実施した。各校ごとの運動は長年実施しているが、合同で行うのは初めて。
 福栄中の運動は学校が取り組みを始め、PTAとともに実施してから約5年になる。同中の生徒指導主任・新井富三教諭は「子供たちを地域で見守ろうと始めた」という。福栄小ではあいさつと交通安全指導としてPTAが通学路で月に一度実施。教諭は校門で行っているほか、年に数回は通学路に出ている。南新浜小では、保護者と教諭が月初めの登下校時に2、3度、立ち番制度としてあいさつ、交通安全指導をしている。
 合同の運動としたのは小中の教諭や保護者で構成する同会議での話題がきっかけ。各学校の学区は重なり合い、地域の事情は共通。同じ運動をしているならお互いに協力し合い、児童生徒を問わずあいさつすることで、子供たちを見守ろうーと実施した。新井教諭は「子供たちの登校の様子や登校時の道路、交通事情を地域として把握する必要もある」と、交通量の多い同地域を踏まえ、あいさつだけではない運動の必要性を話す。
 福栄中の学区では午前7時45分から、5か所に教諭とPTA役員が立ち、生徒や児童にあいさつ。鴨場入口交差点では、大人からの「おはようございます」に答える子供や、自分からあいさつする子供などさまざま。寝ぼけているのか、赤信号で渡ろうとし「まだ赤よ」と注意されたり、始業チャイム直前で「走って走って」とせかされる姿も。禁止されている自転車登校の生徒も複数おり、教諭から指導されていた。

大柏小=壁新聞グランプリ・「朝食できらめく1日を!」カゴメ主催の第13回全国小学生「食の冒険グランプリ」がさきごろ開かれ、市川市立大柏小の給食委員と保健委員の46人で作成した壁新聞「朝食できらめく1日を!」が、85校、152作品の応募があったグループ学習部門で、最高賞のグランプリを獲得した。
 この壁新聞は、「クラスで朝食を毎日食べる人の割合」や「朝食を食べないときの影響」「朝食を食べるための対策」などを、夏休みに各委員が調べ、各クラス1枚ずつ、合計7枚の壁新聞にまとめたもの。「言いたいことが伝わりやすいよう、絵をたくさん使用するなど読みやすさを重視した」という新聞づくりは、毎日放課後に残って約1か月かかったという。
 グランプリ受賞を知ったときは「信じられない」と、喜びもあまり感じなかったが、テレビの取材を受けたことなどで“日本一”を実感。1日に市グリーンスタジオで開かれた児童・生徒保健研究発表会場では「一生懸命作ってよかった」「頑張ったかいがあった」と、喜びを爆発させていた。

武田さん行徳で清掃・整備=20年続くボランティア初年度の今年、6人・7団体が受賞した市川市健康都市市民賞。その一人、武田紀昭さん(64)は、20年ほど続けているほぼ毎日の環境美化・保全活動が大きな評価を受けた。
 当初は、犬の散歩がてらゴミを拾う気軽なものだったが、現在では行徳グリンクリンの会による月2回の清掃や、花畑の整備、福栄小・中学校の側溝清掃など、活動の種類も範囲も大幅に拡大。月平均26日間、何らかのボランティア活動に励んでおり、完全なライフワークになっている。
 先月25日に武田さんがヨシを刈っていた欠真間三角という沼地も、武田さんが整備してきた場所のひとつ。以前は、隣接する宮内庁新浜鴨場から水が流れ込んでもすぐに水は引いてしまう、異臭やゴミが漂うヨシ原だったという。
 武田さんは10年ほど前から、ヨシを刈り、地面を掘り下げて、土のうで囲う作業に着手。いまでは常に水がたまっており、カルガモやカメなどが生息する場所になっている。  「きれいになると、みんなゴミを捨てなくなる」と笑顔で語る武田さん。きょうもボランティア活動に励んでいる。
 
新浜小=6年生児童とデイサービス利用者交流市川市立新浜小(西村正寛校長、児童数893人)6年4組の児童33人と、行徳総合病院デイサービスセンター(市川市行徳駅前)との、互いに感謝し合う良好な関係が続いている。5日から9日にかけては、児童が毎日入れ替わりで同センターを訪問。同センターを利用するお年寄りから、戦争体験談の聞き取りが行われた。
 両者の最初の交流は、10月の同学級出張演芸会で、児童が同デイサービスセンターに赴いて歌や落語、マジックなどを披露したところ、利用者は「いい時間をもらった」と大喜び。翌月の同校学園祭にも当日の来所者のほとんどが参加し、児童に介助されながら菊花展を鑑賞するなど、楽しい時間を過ごした。
 戦争体験談の聞き取りは、社会科で昭和史を勉強していた同学級がお願いしたところ、「子供たちの勉強のために」と、快諾。「水みたいな雑炊しかなく、お腹いっぱい食べたいとばかり考えていた」「終戦翌年の同窓会では、64人中30人が死んでいた」「開戦時は国民が沸いていたが、そのあとエライ目にあった」など丁寧な答えを、児童は真剣な表情でノートに書き留めていた。
 児童から質問を受けた千葉吉久満さん(86)は、「いまの子供は質問内容や反応が鋭い」と熱心さにビックリ。「コミュニケーションの大切さを身に感じる」と、子供たちのと交流を楽しんでいた。

老人保健計算ミス=市川・浦安市では286万円県内54市町村が老人保健受給者の高額医療費算定を委託している県国民保健保険団体連合会のプログラムミスで、県内470世帯、2880件に合計823万2935円の高額医療費支給不足を生じたことが、16日に明らかになった。誤りのあった期間は、平成14年10月から今年8月診療分までの35か月。同連合会ではすでにプログラムの改修を終えているという。
  市川市内の支給不足額は、62世帯、595件で合計267万8436円。市は、対象者に電話や訪問で事情を説明するとともに、「お詫びの文書」を送付。27日に、不足分の振り込みを行う。
 浦安市内の支給不足額は、10世帯、74件で合計18万290円。15日に全対象者を訪問し、説明を終えているという。不足額の振り込みは26日に行う予定。
 老人保健では、1か月に支払う自己負担限度額が設けられており、その額を超えて支払った分は、あとから支給される。ただ同一世帯に受給者が複数いる場合は、個人の支払い額の合計が世帯単位の限度額を超えているケースがあり、その差額を再度支給せねばならないが、当時のプログラムではその計算処理が抜け落ちていたという。
 同連合会によると、今年9月末に千葉市が独自システムで行っていた確認作業で、同連合会のデータと異なる数値を発見。同システムと同連合会のシステムの製造元であるちばぎんコンピューターサービス(千葉市)に確認したところ、10月に同連合会のシステムの誤りが判明したという。
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