市川よみうり2006年4月
東京外環モデル道路公開=環境保全空間を体験東京外環道路のできるモデル道路が、市川との市境である松戸市三矢小台一丁目に完成した。
 環境保全空間とは、沿道地域の生活環境を保全するため、国道298号の両側に設けられるもの。車両が通るサービス道路、自転車歩行者道、植樹帯、遮音壁で構成されている。
 同モデル道路は、地元町会代表者やアドバイザー、松戸市などをメンバーとする「千葉外かん松戸矢切地区環境保全空間整備検討会」の意見を反映し、長さ約180メートル、幅約16メートルにわたって整備。専用部(自動車専用道路)整備時に一部を一時的に撤去するが、外環道開通後には元に戻し、そのまま利用される。
 同様のモデル道路は、市川市内の国分、平田両地区でも、今年度中の完成を目標に地区検討会で協議中。また高谷地区では、展示会のように数パターンのモデル道路が整備され、近く公開の予定。
 松戸市内のモデル道路は常時開放され、いつでも自由に見学できる。問い合わせは外かんインフォメーションセンターー矢切(TEL363・3452番)または国土交通省関東整備局首都国道事務所(TEL362・4111番)。
 
新年度小中3校が開校=明海は小中合築浦安市内に4月、2つの小学校と1つの中学校が開校する。市内16校目の小学校となる明海南小と同8校目の明海中は全国的にも珍しい合築で、教諭や児童・生徒が交流、連携できるような教室の配置としている。高洲地域には同15校目の高洲北小が開校する。
 明海南小・明海中(明海17)の建物は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨増)の地上3階建て。延べ床面積は、明海南小が約8163平方メートル、明海中が約7832平方メートル。
 共用するのは屋外プールやコンピュータ室、図書室、配膳室、多目的スペースなど。屋外プールは通常5コースだが、共用のため8コースとして、小・中によって水位が変えられるように配慮されている。教員室(校務センター)は一室をパーティションで区切り小・中の教諭が利用。会議室や事務室も共用で、教諭同士の連携を図れるようにしている。
 普通教室は小・中各エリアに配置されているが、理科や音楽、図工(美術・金工・木工)家庭科・生活科室など特別教室は、小・中で連携が図れるよう科目ごとに隣接して配置した。
 特徴的なのは小・中共用の多目的スペース。平面と階段状の面が組み合わされ、児童・生徒の発表会や地域のお祭りなどに利用できる。なお、地域に開放されることの多い小学校体育館には一部、観覧スペースも設けた。
 全体としては窓が多く中庭も設けられ、明るい校舎で、木材も多く利用、環境面では太陽光発電や雨水の活用、屋上緑化が施されている。
 明海南小の学区は明海全域で、今年度予定児童数は12クラス、330人。明海中の学区は明海18、20―22で、同予定生徒数は5クラス、140人。
 高洲北小(高洲2の2の1)の建物は鉄筋コンクリート造の地上3階建て。延べ床面積は約6926平方メートル。
 特徴は中庭を囲む国構えで、教室はクローバーのように4教室がそれぞれ面した配置。学年ごとのまとまりを重視したクラスタータイプとしたうえ、各教室群の間にオープンスペースを設け、さまざまな学習のタイプに対応、異学年の交流の場とする。
 学区は高洲1―3と4の3。今年度予定児童数は10クラス、約280人。

アサリ密漁防止に監視カメラ設置=行徳と南行徳漁協行徳漁協と南行徳漁協はこのほど、アサリ密漁防止カメラを設置した。三番瀬の豊かな漁場、5月ごろから始まるアサリ漁を守ろうと、夜間の密漁防止に力を入れる。
 三番瀬でのアサリ漁は一昨年から豊漁で、行徳漁協は「昨年から密漁が大幅に増え、注意しても止まずに困っている」という。
 設置した監視カメラは、国境警備にも使われる高性能なもので、乗船する者の顔や船籍の確認も可能。夜間に船を見つけるとアラームを発動、自動でeメールが送られた関係者はインターネットでカメラを操作し、画像を確認する。同漁協は「遠くて見えないだろう、は考え違い。以前に導入した木更津の漁協では実際に密漁者を捕まえている」と自信をみせる。
 密漁者の発見後は、まずは密漁をやめるよう注意するが、その後、悪質な場合には警察に通報することも辞さない。行徳漁協は「三番瀬で長く漁が続けられる自分たちでルールをつくって取り組んでいる。少なくとも、私たちが漁を認められている海域ではやめてほしい」と、監視カメラの導入が密漁の抑止につながることを望んでいる。
   行徳・南行徳の両漁協は同密漁監視カメラの設置にかかわる補助金を一昨年に県に要望し、平成17年度の「貝類漁業振興事業」として費用の5割交付を受けている。

第3子の保育無料化=市川市7月から実施市川市は今年度、子育て世代に対する経済的負担軽減策の拡大に乗り出している。私立幼稚園の保育料補助を増額するほか、7月からは第3子の保育園保育料を無料化。また、昨年度4歳児まで引き上げた乳幼児医療費の助成対象を、4月から5歳児まで広げた。
 市は現在、複数の子供が同時期に認可保育園に通っている世帯に限り、2番目の子供の保育料を原則2分の1、3番目の子供の保育料を原則10分の1とする特例措置を実施。しかし、3人の子供がすべて保育園に通っているケースは少なく、対象者は昨年度で60人弱に留まっていた。
 7月からは同特例措置を維持しながら、保育料の滞納がなく、総所得税額が51万円未満の世帯であれば、兄弟姉妹の年齢にかかわらず(独立している場合の除く)第3子の認可保育園保育料を無料化。市では今年度、およそ390世帯が適用対象となり、約7500万円減収すると見込んでいる。
 認可外保育園に通う第3子については現在、認可保育園の申請要件を満たした家庭の全園児に補助されている月額19400円(3歳以上の場合10200円)に、7月から保育料を超えない範囲で最大25000円まで加算。こちらも認可保育園と同様、保育料の滞納がなく、総所得税額51万円未満の世帯が対象で、今年度は約50人分、合計1380万円の支出増を見込んでいる。
 一方、私立幼稚園児の保護者に対して市は昨年度まで、国の基準に従い、市民税所得割額が12万4千4百円以下の世帯に、年額5万6千8百―25万8千円(市民税所得割額や同時就園児数により異なる)を補助しているほか、市独自の園児補助金として年少園児に年3万円、年中・年長園児に年3万1千円を交付。公認されていない幼稚園類似施設のうち、市の指定する4施設の園児には、市民税所得割額に応じて年2万1千―9万4千円の補助金を交付している。
 今年度は、市独自の園児補助金を一律年3万2千円にするほか、類似施設の園児のうち、市民税所得割額が1万円を超える世帯への補助金額を年千―2千円増額する予定。補助金額は、昨年度から合計854万7千円増額するとみている。
 乳幼児医療費の助成制度は、入院1日と通院1回の負担額が200円で、調剤費も無料になるというもので、県の助成制度では、2歳児までが対象。市では今年度から、対象を総所得7百3万円以下の世帯の5歳児まで広げ、同様の助成を行う。
 また、7日以上継続して入院した場合の入院費については県の助成が適用され、総所得が7百3万円を超える世帯の3―5歳児や、6歳未就学児はも対象に含まれる。
 
京成八幡商美会通りに歩道設置へ=歩行者と自転車の安全確保朝の通勤・通学の時間帯に大量の自転車で混雑する市川市立八幡小前の通り(通称・京成八幡商美会通り)の状況改善に向け、市川市は10日から、交通指導員や仮設資材で歩行者の通行帯を設ける社会実験を始めた。実施期間は5月10日までの午前7時半から同8時半まで。1か月間、市民からの意見や問題点などを調査し、恒久的なガードレール設置などにつなげていく考え。
 同通りは、京成八幡駅西側の踏み切りから北へ約220メートル続く市道で、幅員は通りが5―6メートル、踏み切りでは4.7メートルしかない。しかし、平成14年の調査では、午前7時から同9時までの2時間に、自転車約2300台、歩行者約1200人が通行。踏み切りの遮断中には、待機自転車の縦列により道路の横断ができないほか、通学児童などの歩行者や自転車運転者にも危険な状態が続いている。市は平成16年8月に、通りの路肩を歩行者用通路として緑色に塗り分けたが、目立った効果は得られなかった。
 今回の実験では、市職員だけでなく、警察や交通安全協会、PTA、町会、商店会の人たちが、毎朝時間や位置を変えながら、プラカードやポールを使って歩行者通行帯を確保する。初日は、踏み切り待ちの運転者などに啓発物資を配布するにとどまったが、今後は順次、活動を広げていくという。

分析装置と除染テント配備=市川市消防局機動化学隊昨年4月に創設された市川市消防局機動化学隊にこのほど、NBC(生物・化学兵器)災害・テロに備えた新装備が納入された。
 装備の目玉は、固体・液体・粉体の危険物や毒劇物4500種類を2分で分析できる危険物質同定装置。全天候型で操作も簡単なうえ、軽量コンパクトなので持ち運びもできる。
 汚染物質をシャワーで洗い落とす除染テントは、これまでの鉄パイプ式から専用のエア式になり、準備が2分程度でできるようになる。そのほかにも、物質に触れずにマイナス20度から600度まで測れる赤外線温度計、携帯式の風向・風速計、5種類のガスを検出するポータブルガスモニタ、防護服着用時でも外部に音声を伝える咽頭(いんとう)型ガスマスクなどが、新たに装備された。
 「活動の初期に物質が特定できるようになり、国や県との連携もスムーズになる」と第1機動化学中隊の山ア宏隊長。これらの装置が活躍する事態が起こらないことを願いつつ、万一に備える。
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