市川よみうり2007年4月
児童の手作り福祉カルタ=大柏地区ボランティアまつり市川市柏井町のリハビリパークでこのほど、同市社会福祉協議会と同市ボランティア協会主催の大柏地区ボランティアまつりが開かれ、地元住民とボランティア団体との交流が図られた。
 今年初めて開かれた同まつりには、地元の農家や福祉施設の職員、ボランティア団体など約30団体が参加。野菜や手作り品の販売、施設や団体の紹介、ボランティアスタッフの募集などを行い、訪れた約500人にアピールした。
 ステージでは、市内のボランティア団体による音楽や踊り、マジック、三角巾を使った応急処置の実践などが次々と披露されたほか、市立大柏小、同柏井小、同大町小の児童が作った福祉カルタによるカルタとり大会も開催。「めのまえの おばあさんに せきをゆずる心」「ボランティア いつも行動 町のため」「おしてあげて みんなでやさしく 車いす」など、子供たちの思いが込められたカルタで、子供たち自身が楽しんでいた。
 同まつりは、大柏地区ボランティアセンターなどリハビリパーク内の施設やボランティア団体を地元住民に知ってもらうとともに、ボランティア同士の交流を深めることが目的。同社協は、「これからも毎年開催し、たくさんの地域の人に来てもらえるようにしたい」と意欲を示していた。
 
学習推進センター設立提言=市川環境市民会議 市民が参加しやすい魅力的な環境学習の推進について、昨年10月から公募市民15人で検討を続けていた「第4期市川市環境市民会議」(大木正雄座長)はさきごろ、環境学習ホームページの作成や環境学習推進センターの設立などを提言する報告書を千葉光行市長に提出した。千葉市長は、ゴミの12分別やじゅんかん堆肥など、過去に同会議の提言から多くの政策が実現してきたことを挙げ、「いま頂いた提案に基づいて出来る限りの取り組みをしたい」と具現化に前向きな姿勢を示した。
 報告書では、各学校でユニークな環境教育が行われているが学校同士のつながりはほとんどなく学校格差が生じていること、市民意識調査の結果市川市のイメージとして「環境を大切にするまち」と回答した市民が1割にも満たなかったことなどを踏まえ、@情報の双方向流通A環境リーダー養成B環境活動者・環境団体の交流C市民・自治会・企業・行政・学校の協働(協議)センターD環境意識の高い高齢者(退職者)の生きがいセンター――という5つの機能をもつ「環境学習推進センター」の設立を提言。その一環として、市内で行われている環境学習講座を統合したいちかわ環境市民大学を設立するとともに、環境に関するイベントや勉強会など全ての情報を掲載する「いちかわ環境学習ホームページ」を、同センターで作成することを提言した。
 また、これらを実現させるため「環境学習に関する広報活動の改善と充実」「環境学習や環境保全活動を推進するための体制の整備」を短期的目標として提案。具体的には、「市の環境関連情報を横断的に捉える体制の整備」「市の環境ホームページの改善」「広報いちかわへの環境学習コーナー設定」「常設の環境市民会議設置」などを挙げた。

サケ育て江戸川に放流=市立百合台小「4年後にちゃんと帰ってきてね」―。
 市川市立百合台小(野崎俊二校長、児童459人=いずれも当時)の児童がさきごろ、イクラから大切に育ててきたサケを江戸川に放流した。子供たちは、卵からかえったサケの稚魚がすくすくと育つ姿を熱心に観察し、大人になって戻ってくることを願いながら自然に戻し、別れを惜しんでいた。
 同取り組みは、県立市川西高の生物教諭・石島秋彦さんからの誘いを受けて同高とともに実施したもの。国語で「サケの一生」を学んだ2年生(78人=当時)が昨年12月のふ化から3か月間世話をし、生物の生長についてサケを通じて学んだ。同授業について石島教諭は、「科学である生物の教科書には、生命とは何かと死については載っていない。生き物を育てることで、生命観を感じてもらいたい」と約15年前からサケの卵からの飼育に取り組んでいる。
 放流を前に石島教諭の授業を受けた児童は騒がしいくらいに興味をもち、海の魚と川の魚の違いや成長段階ごとの違いを学んだ。児童の「生まれたのになぜ死んじゃうの」という質問に石島教諭は、「サケは約3000個の卵を産むけど、2匹の親から生まれていいのは2匹だけ。全部大人になったら海はサケだらけになっちゃう。サケの卵があるから生きていかれる生き物もいる。川に戻ってきたサケが何も食べないのは川の魚のエサだから。よそ者は上手に生きていくだよ。そして、親は川で死んで川の栄養になる。死ぬことにも意味はあるんだよ」と、時間が来ても終わらない児童の質問に答え続けた。児童は、「自然のなかでは、フナなど敵がいっぱいいて、大きくなるまで大変」との説明には残念がるが、「江戸川から東京湾に出て潮の流れに乗って1年後にはカナダに着き、早いものは2年後、ほとんどは3、4年後に育った川に戻ってくる。みんな辛いことを乗り越えて戻ってくるんだよ」との話を聞くと、4年後を楽しみにしていた。一緒に授業を聞いた保護者は「地域の高校の先生と交流して生命の尊さや生き物を育てることを体験していてとてもいい。サケも成長する。子供たちも立派に成長してほしい」と見守っていた。
 放流は、里見公園下の江戸川で、児童代表と市川西高の生物部生徒が行った。児童は「元気でね」「4年後合おうね、バイバイ」、生徒は「死ぬなよ」と一人ずつ川に放し、護岸沿いで泳いでいるサケに「元気に泳いでるよ」と、「卒業して社会に出て行く」サケの姿を探し続けていた。

3歳児保育を開始=浦安市立幼稚園浦安市は今年度から、市立幼稚園で3歳児保育を開始する。3歳児にとっての集団生活の必要性や保護者のニーズを満たすことが目的。市はあわせて預かり保育の利用人数枠も拡大した。認定こども園の検討も続けているが、当面は両施策で子育てを支援していく方針。
 市はこれまで、幼稚園教育のあり方検討委員会や保護者の声を聞く機会を設け、幼稚園教育全般、とりわけ3歳児保育の必要性について検討してきた。しかし、市内には公立幼稚園が14園と充実していることから、「私立幼稚園がある程度参入するまでの間は、当面、公立幼稚園における3歳児保育の導入を見合わせ、状況の変化を見極めながら検討する」としていた。今後、公立保育園を設置しない方針と、3歳児保育が私立の特徴となっていた背景もある。
 3歳児保育を今年度から導入することについて市は、「3歳という時期は社会性が芽生える教育上大切な時期であるとともに、核家族や市への転入などで子育てを支えてくれる人が少ないという育児の悩みをもつ保護者のニーズなどを勘案して決めた」という。
 
浸水危険区域は…=市川市ハザードマップ作製市川市はこのほど、大雨により河川や下水道があふれたときに浸水する区域を図で示した「洪水ハザードマップ」を作製した。部数は12万部。市庁舎や行徳支所、大柏出張所、各公民館などで入手することができる。
 ハザードマップは、1枚に@もしも真間川および水路が氾濫(はんらん)したら…Aもしも江戸川が氾濫したら…の2パターンを用意。浸水の深さを色で塗り分け、避難所の位置とともにひと目でわかるようにしたほか、浸水の深さのイメージ図や避難にあたっての心得、災害時の緊急連絡先、情報伝達経路などを紹介している。
 真間川の氾濫は昭和33年9月の狩野川台風(総雨量331ミリメートル、1時間最大60ミリメートル)、江戸川の氾濫は同22年のカスリン台風(総雨量3日間合計318ミリメートル)をそれぞれ想定したもので、国や県のデータを市が細分化して作成。ただ、江戸川が氾濫したケースのハザードマップは、雨が降っただけでなく、さらに江戸川の堤防が決壊したことを想定したもので、決壊個所や浸水量なども最悪の場合を想定している。市危機管理課は、「堤防が決壊することはまずないが、最悪の場合、どのように水が広がるか知ってほしい」と話している。問い合わせは同課(TEL334・1507番)。

春木川の浄化流域10自治会提唱=全世帯で取り組みを市川市・春木川流域の10自治会で組織する「春木川をきれいにする連絡協議会」(箕輪一男会長)は、同河川の水質浄化に向け、取り組みを改めて強化し、全世帯参加とする。箕輪会長は「ワースト脱出よりも、魚が泳ぐ昔の春木川を取り戻しましょう」と流域世帯に訴えている。
 春木川流域では下水道が整備されておらず、生活排水を排水路から同河川に垂れ流す仕組みで、全国1級河川の水質調査の結果、全国ワースト2位(平成17年度)。流域の自治会は平成2年から協議会を立ち上げて、一般家庭や事業者の排水対策活動に取り組んだ結果、水の汚染を表す指標の一つ、BOD(生物化学的酸素要求量)を44ppmから14ppmに減少させたが、近年は横ばい。他の河川が浄化されているため順位はさほど変わらず、「ワースト2位に上がっても、BODの数値が下がったからではなく、喜べるものではない」と箕輪会長。
 この硬直状態を改善しようと、これまでは協議会が啓発、参加は世帯の自由意志だった取り組みを、協議会の全世帯に呼びかけて実施することとした。「アンケートの結果、春木川に生活排水を流していることを知らない世帯が20.9%もいる。春木川が汚染で有名になったことを知らない世帯は21.5%、合併浄化槽を設置している世帯は31.3%止まり、まだ先の下水道整備を待ってはいられない。春木川をきれいにするには汚れをすべての世帯で出さない方法しかない。取り組みの最終ラウンドという意識で熱を入れて取り組みたい」と、箕輪会長は各世帯の積極的な取り組みを期待している。
 そのモデル事業として、同河川最下流域で一つの排水路を使用する4自治会が、洗剤を使わなくてもきれいに洗えるアクリルたわしや、食器やフライパンなどから残り物や油などを取り除くゴムべら、排水口で汚れを取り除くろ紙袋を全世帯に配布した。取り組みの結果、これまで積極的でなかった自治会前の排水路では大幅な水質改善が表れた。第3自治会の松丸浩子会長は「以前から、台所も浴室も車も、何でもきれいになるアクリルたわしを使った、楽に楽しくきれいになる方法を伝え、水質浄化を訴えている。日本一汚い川なんて子供たちに対してとても恥ずかしいことでしょう」と、河川とつながった排水路は河川―といった思いで活動を広げている。  同協議会は5月以降、4つの自治会の取り組み結果を参考に、全自治会で実施していく考え。
       
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