市川よみうり2007年8月
合同で船舶による搬送訓練=市川市と江戸川区市川市と、災害時支援協定を結んでいる民間事業者4社は先月26日、江戸川対岸の東京・江戸川区で開かれた総合防災訓練にあわせ、船舶による搬送訓練を同区と合同で行った。
 訓練会場となったのは、大和田5丁目地先にあるマリーナ運営会社・エム・ジーマリーンの桟橋。首都圏で発生した大地震により、橋の交通が途絶えたという想定のもと、負傷者や救援物資などを船で江戸川の両岸に搬送した。
 支援物資の搬送波、水上ではエム・ジーマリーンと東京パワーボートセンターが所有する船舶、陸上では赤帽首都圏軽自動車運送協同組合千葉県支部の車両を使ってそれぞれのスタッフが実施。負傷者の搬送は、市消防局救急隊が救命艇や救急車を使用して遂行した。
 船の接岸誘導も、エム・ジーマリーンと船舶会社・海遊のスタッフが対応。訓練を総括した本島彰総務部長は、「江戸川区や事業者と協力できたことが成果。今後もさらに連携を強化したい」と訓練の意義を話した。
 
外環整備応援幕設置=市川・松戸両市内12か所に」市川、松戸両市の商工会議所会頭など経済、産業界のメンバーが役員を務める「東京外かく環状道路(千葉県区間)整備促進市川・松戸市民会議」(会長・片岡直公市川商工会議所会頭)は1日、外環道路整備を応援する横断幕5枚を、両市商工会議所や市川広小路交差点など4か所に設置した。今後も順次設置個所を増やし、来年3月末までに両市内合計12か所に21枚を設置する予定。
 横断幕の設置は、外環早期開通への願いを多くの市民に伝えることにより、用地取得の行き詰まりを打破することなどが狙い。長さ5.5メートル―18.5メートルほどの大きな幕に、「外環 みんなの声で新しい市川をつくろう」「この渋滞、この不便、みなさんはいつまで待てますか?」などの文言を書き、駅や商議所、幹線道路の歩道橋など、交通量や人通りの多いところに設置している。
 横断幕の種類は大きく分けて3パターンを用意。今後も、定期的に張り替えを行っていくという。
 同会議は、外環道路の整備効果が早期に実現されるよう、各方面から支援していくとこを目的として今年3月に発足。9月には、「外環開通とまちづくり」などを題材とした市民向けのシンポジウム開催を予定している。

年間26億円の経済効果=湾岸千鳥町交差点立体化国土交通省首都国道事務所はこのほど、さる3月28日に開通した国道357号千鳥町千葉方面立体交差点による経済効果は、年間26億円に上るとの開通3か月後調査の結果を発表した。
 同調査によると、同交差点の国道357号千葉方面では、立体化前のゴールデンウイーク時期に発生していた最大4320メートルの渋滞が、立体化後には解消。これにより経済効果が年間約26億円になるほか、1年間に二酸化炭素約1300トン、窒素化合物約4.5トンSPM(浮遊粒子状物質)約0.3トンの排出量削減が見込まれるという。
 また、同交差点が上下線とも立体化されたことにより、東西線行徳駅前を通る市道0104号との交差部の信号も、青時間の増加や待ち時間の半減などの改善が行われ、同交差点を先頭に発生していた最大220メートルの渋滞が解消。歩行者の滞留人数も最大4割減少したという。
 同省が5月から6月にかけて周辺住民やJR市川塩浜駅の利用者、沿道企業就業者を対象に実施したアンケート調査では、周辺住民と沿道企業就業者の8割以上、塩浜駅利用者の9割以上が「同交差点の渋滞が減少した」と回答。そのほか、「路線バスで毎朝のように発生していた遅れが解消した」「救急活動における搬送ルートの選択肢が増えた」との声が上がっているという。
 国道357号市川市区間(高浜―塩浜間)は、同事務所が21か所指定している「移動性阻害要対策箇所」の一つ。同区間内では、同交差点東京方面が平成18年5月、同千葉方面が今年3月にそれぞれ立体化されたほか、平成16年3月に同交差点に隣接する高浜交差点千葉方面の立体化が完成している。来年2月には、高浜交差点東京方面の立体化が完了する予定。

サッカーで国際交流=小中学生・独とブラジルに出発市川市サッカー協会の交流事業により、ブラジルに派遣されている同市中学生選抜チームとドイツに派遣の同小学6年生選抜チームの代表者6人が出発前の3日に市長室を訪れ、千葉光行市長に現地での抱負などを語った。
 市川市と浦安市から選ばれた13人をメンバーとする中学生選抜チームは、13日から22日までの日程でリオデジャネイロに滞在し、「第10回日伯友好カップ大会」に出場する。同大会は、ジーコ元日本代表監督と市川市選抜のタイアップで始めた研修から発展した15歳以下の大会で、市川市選抜は第1回大会から毎年参加している。
 6年生12人からなる小学生選抜チームは10日から20日まで、市川市のパートナーシティであるローゼンハイム市に滞在。キャンプをしながら親善試合を行い、現地のチームと交流する。
 千葉市長は、「スポーツを通じて友達をいっぱいつくって、自分なりに勉強してほしい」と選手たちを激励。小学生選抜の増田敬介君(市立幸小)は「ドイツのサッカーのやり方や組み立て方を学んでチームに持って帰る」、中学生選抜の吉田直人君(同高谷中3年)は「体の大きいブラジルの選手に負けないように頑張りたい」とそれぞれの抱負を語った。
 
新学期から全校強化磁器食器に=市川市・1年早く達成市川市教委は、夏休み明けから中山小、八幡小、新浜小、南行徳小、四中、下貝塚中の市立校6校に給食用の強化磁器食器を導入する。同市教委では平成10年度から順次、アルマイト製食器からの切り替えを進めており、今年度で全市立校での切り替えが完了。当初は平成20年度での完了を目指していたが、1年前倒しで達成した。
 強化磁器食器は、通常の磁器食器にアルミナを多く加えて割れにくくしたもの。導入には食器用消毒保管庫の増設や対応する食器洗浄機の整備、食器の破損などにより経費がかかるが、従来のアルマイト製食器と比べて保温性が高まるほか、見た目も良くなり、きちんとした食事環境が整うなどの利点があるという。
 同市教委は、平成10年度に大洲小と大洲中の2校で強化磁器食器を導入。その後も、平成16年度までに毎年2〜8校ずつ導入を進め、一昨年度と昨年度は10校ずつとペースを早めていた。今年度は、南行徳小を除く5校で9月はじめから導入。南行徳小では、給食室の工事が終わる10月中旬以降に切り替わる見込み。

「子供たちに伝えたい」=体験者が戦争を語る市川市宮久保の「福籠(ふくろう)の家」で15日、同市の「戦争体験を語る会」(忍田吉正代表)の会員たちが、戦争にまつわる自身の貴重な体験を語り合った。
 この催しは、終戦記念日のイベントとして開かれたもので、福籠の家が行っている地域の世代交流事業や子供たちのサロン活動の一環。同会の会員たちは、太平洋戦争開始当初の様子を伝えるビデオを全員で鑑賞したあと、日章旗の飾られた部屋で当時の体験談を発表。海軍の軍属で行ったパプアニューギニア・ラバウルで病死した戦友を何人も焼いた話、ソ連軍によりシベリアに連れて行かれて強制労働させられた話、沖縄へ上陸する米軍の船を爆撃機で沈めた軍歴を破棄してB・C級戦犯になることを免れたために恩給がもらえなくなった話など、貴重な体験の数々に参加者はうなずきながら聞き入っていた。
 福籠の家と同会は、今後も終戦記念日や12月8日の開戦日などに同様のイベントを開く予定。同会の忍田代表は、「今後は子供や若い世代の人にも参加してもらい、戦争についての意見交換をしていきたい」としている。
       
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