市川よみうり2008年2月
住民交え商店街を活性化=市川市・真間でモデル事業開始市川市は、商店街の活性化に向けて、商店会が地域の自治会やNPO法人などと活性化計画を策定する商店街活性化モデル事業を始めた。3年間の補助金が付け、地域をあげて商店街を中心としたまちづくりにつなげる。市内北西部の真間銀座商店会と真間大門会が同モデルに指定された。
 商店街の活性化を図るための支援事業で、ほかの商店会のモデルとなることを狙ったもの。商店街を構成する商業事業者だけではなく、商店街の利用者であり、地域住民の自治会や子ども会、NPO法人などとともに商店街活性化協議会を組織して、さまざまな角度からの意見を取り入れて議論し、活性化計画を立案、3年間かけて取り組んでいく。ただにぎわいをつくり出すためのものではなく、利用者の使い勝手、商店街を核とした地域のまちづくりにまで発展することが特徴。商店会と地域住民がひざを交え合える、地域のコミュニケーション、まちづくりの場につながるメリットもある。
 市が昨年5月から市内の72商店会に説明会を実施した結果、真間銀座商店会(梅野節也会長)と真間大門会(陶山修達会長)が協議会を結成して商店街活性化計画を策定した。
 真間銀座商店会は、「ひかり輝く真間銀座会」をテーマに掲げ、真間銀座通りの京成線市川真間駅北側に三角すい型のイルミネーションの設置、花植え、地域のリーフレットの作成、縁日、真間マーケットの実施を計画。「手児奈の心ね」をテーマとする真間大門会は、地域をテーマとし、地域在住の音楽家の協力によるCDの製作、風力で動く鯨型のオブジェの設置、木の粘土や祭りずし、歴史・文化などの講座の開催、休憩所の設置などに取り組んでいる。
 ほかの商店会でも協議会準備会などが進行しているところもあり、市経済部は「さまざまな立場からの意見を持ち寄ることで、地元の文化や歴史を生かした広がりのあるまちづくり、少子高齢化対策、安全安心のまちづくり、地域ブランドづくりにつながれば」と期待している。
 補助額は、事業費の3分の2で上限は年間百万円、3年間継続して行う。
 
飛び出し防止交差点を改良=市川市鬼高・死亡事故多発地点交通死亡事故の多い交差点、市川市鬼高2の21地先の改良がこのほど行われた。歩行者や自転車の飛び出しを防ぐことで、交通事故のない交差点を目指した。
 同交差点は、コルトンプラザ東側沿いの南北道路と市川検察南側の道路が交わる丁字路。同交差点では、平成17年以降に3件の交通事故が起きており、平成18年2月6日午前7時20分ごろには、自転車に乗った女性がクレーン車と接触、死亡した交通事故が発生。同事故を重視した市川市は市川署とともに現地診断を行い、県公安本部との協議のうえで交差点を改良、先月31日に工事を完了した。
 交差点改良は、検察前の道路から南北道路に飛び出す歩行者や自転車をなくすことを目指して、コルトンプラザ側の歩道に25メートルのガードパイプを設置して道路横断を遮断し、併せて南北道路を南下して交差点に進入する自動車を確認しづらい同検察の角(交差点北側)にあった横断歩道を同交差点の南側に移設した。横断歩道前の南北道路東側の歩道は約1.6メートルから最大4.5メートルに拡幅して人だまりを確保するとともに、交差点に進入する自動車からの歩行者や自転車の視認性も高めた。
 自動車の確認をおろそかにして、つい道路を横断してしまう歩行者や自転車。市道路部は、「命を守るために、交通ルールをぜひ守ってほしい」という。

学校ぐるみで環境に配慮=実践校5校を市川市が認定市川市教委は先月28日、同市庁舎で平成19年度学校版環境ISO認定式を開き、市立大柏小、同柏井小、同塩焼小、同下貝塚中、同高谷中の5校を新たに認定した。
 同事業は、国際規格のISOとは関係なく市川市が独自に平成15年度から実施しているもので、毎年度、希望校から選ばれた五校が事前に提出した計画に沿い、環境に配慮したプログラムを一年間実行。市教委が、児童・生徒の理解度や実効性などを監査し、取り組む姿勢が整ったと判断した学校を新年度から一年間認定しており、今回で通算25校目となる。
 認定式では、昨年度に認定を受けた市立市川小、同国分小、同大町小、同幸小、同塩浜中の5校の児童生徒が、省エネやリサイクル、清掃活動、ゴミの分別など、これまで取り組んできた内容を紹介。「続けてやることが大切」「物を大切にする心がけが向上した」など、活動の感想や成果、今後の課題などを発表した。
 今年度認定校の主な取り組み内容は次のとおり。
 【大柏小】絶滅危惧(きぐ)種であるクロメダカの保護活動を中心に自然を大切にする活動に取り組む【柏井小】「ごみを減らそう」を合言葉に美しい環境づくりに取り組む【塩焼小】学校生活全般を見直し、環境に対するやさしい態度をもってエネルギーや資源の節約に努める【下貝塚中】生活や行動を見直し、改善することで資源やエネルギーを節約する【高谷中】学校と地域が連携を図りながら「ものを大切にする心」を育てるとともに環境にやさしい学校づくりを目指す

「早過ぎる発症は毒素型」=中国製冷凍ギョウザ中毒事件市川市と浦安市が経営している自治体病院の浦安市川市民病院は8日、中国製の冷凍ギョウザで食中毒を起こし入院している市川市在住患者の入院時の様子や今後の対応を明らかにした。担当した佐藤俊彦小児科長は「有機リン系の中毒は農薬をよく使う田舎では多い。この地域にも畑があり、子供がなめてしまうなどの事態を頭の片隅に入れておかなければ」と話し、過去の経験が患者の早期診断に生きたことを話した。同院は、血液検査のコリンエステラーゼ検査を、夜間や休日でも実施することを決めた。
 同市内在住の47歳女性とその子供4人(5歳女、8歳男、10歳男、18歳女)は先月22日午後8時過ぎに中国製の冷凍ギョウザを含む夕食をとり、30分後あたりで下の子供から中毒の症状が出て119番通報。同九時半ごろ搬送されてきた患者たちを夜勤のため一人で対応した佐藤医師は、「救命救急専門ではないが、通常の食中毒よりもはるかに症状の発症が早過ぎるので毒素型の中毒を考えたが、夜間で検査ができなかった。翌朝、8歳男子の問診で『少しものが見づらい』と話していたことから、有機リン系の中毒にほぼ間違いないと判断した」という。5歳女児は23日に日付けが変わったころに意識がなくなったため、重傷者を受け入れられる順天堂浦安病院に転院させている。母親は当初症状が出ていなかったが、同日午前1時ごろ、具合が悪くなった。
 入院から約2週間が経っていたが、退院について佐藤医師は「有機リン系の中毒では2、3週間後に発症するものもある。これがないことを確認してからになるだろう。みんな歩けるようになり、食事もとっている。子供たちはゲームをしたがるなど元気なので、そろそろ退院を考えている」と語った。
 
堀江水準標石を披露=浦安の新しい名所に浦安市は6日、土木遺産に認定された堀江水準標石のお披露目会を市内堀江の清瀧神社で開いた。同標石の隣には同遺産認定のプレートが置かれ、市観光協会が竹製の柵を設置した。
 同標石は明治5(1872)年、当時の日本政府大蔵省土木寮に雇われたオランダ技師・リンドが江戸川沿い堀江で測量し、同神社境内に設置した日本で最も古い水準標石。
 次いで利根川河口・銚子観音境内の飯沼原標石上の小盤の上を飯沼水位尺の零点上2丈9尺27寸(8.8697メートル)、この零点を水準測量の零点とし、日本水位尺と名付けた。この水準原点から近代日本の水準測量が始まった。堀江水準標石は、日本水位尺からプラス8尺6寸3分(2.6151メートル)の標高。
 土木遺産は土木学会が認定するもので、土木遺産の顕彰を通じて、歴史的土木構造物の保存に資することが目的。文化的価値の社会へのアピール、土木技術者へのアピール、まちづくりへの活用、失われる恐れのある土木遺産の救済を目指している。
 お披露目会では、松崎秀樹市長が「日本とオランダの古い関係を示すもので、浦安の新しい名所になった」、柳内光子市観光協会長は「私は標石のことを知らなかったが、認定されたことは市の誇り。新しい宝物の意義を市民のみなさんにも理解してほしい」、オランダ大使館・ライスター参事官は「標石の土木遺産認定をきっかけに、たくさんの人が浦安に来ることを、日本との貿易約四百年のオランダ王国としても期待しています」と祝った。

水辺の自然に親しむ=大柏川調節池緑地で市川市北方町の大柏川第1調節池緑地で16日、市民団体・緑のみずがき隊主催の自然観察会が行われ、参加した24人が草木や野鳥などの観察を楽しんだ。
 同調節池は、水害を防ぐために大柏川の流量を調節する面積約16ヘクタールの施設。普段は、そのうち約9ヘクタールが自然豊かな緑地として開放されており、自然観察や環境学習などで利用することができる。
 緑のみずがき隊は、同調節池に隣接する北方ミニ自然園で稲作など子供たちの自然体験活動を行っているほか、同調節池では主に大人を対象に「緑の楽交(がっこう)」と題する自然観察会を開催。今回は、緑の楽交の第4回で、「早春のアカガエル」をテーマにひと足早い春を観察した。
 参加者は、まず同調節池内のビジターセンターで写真や卵の実物を見ながらカエルについて学習。続いて、同調節池緑地や北方ミニ自然園に出てニホンアカガエルの卵塊を探した。
 残念ながら、カエルの卵を見つけることはできなかったが、カワセミやキジなどの野鳥、芽を出したばかりのフキノトウ、モズによって木の枝に刺されて乾燥したカエルなどを観察。参加者の西山照子さんと北川弘子さんは、「知らないことをずいぶんと教わった。市川にこんな場所があることをみんなに知らせてあげたい」と楽しんでいた。

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