市川よみうり


最終更新日:2008年10月24日
《次の更新予定日:10月31日》

計画「変更」から「反対」へ主張転換

3・4・18号住民協議会

 市川市は6日、都市計画道路3・4・18号の整備に必要な未買収地の収用裁決申請に向け、土地調書と家屋調書を作成するための立ち入り調査を今月から始めると発表した。これに対し、3・4・18号線住民連合協議会は、「都市計画によるまちづくりを放棄した進め方で、住民に対する計画説明会の責務すら果たさず、法律に定める手続きを無視している」と非難。一部地下化などへの計画変更を求めていたこれまでの方針から、「現計画への反対」という方針への転換を明確にした。

 都市計画道路3・4・18号は、鎌ヶ谷市から京葉道路・市川インターチェンジを経由して浦安市に抜ける南北の幹線道路で、そのうち本北方橋から国道14号までの約1・6`bが未整備の状態。未整備区間は昭和48年に環境問題への懸念などから事業計画が凍結されたが、同61年に地域住民の合意を得ることなどを条件に凍結が解除された。

 だが、交通量1日1万台以下で設計されている同道路には、開通直後から1日3万台以上が通行すると見込まれており、同協議会などの沿線住民は環境が悪化するとして計画の変更や撤回を要求。環境基準をクリアすると主張する市とは平行線を続けている。

 また住民側は、同道路の延長線上付近にある北千葉道路が平成20年代半ばに成田空港と接続される計画であることから、交通量が3万台を大きく上回ることになると予測。しかし、市はこれについても否定的な見解を示している。

 こうしたなか、市は市議会からの建設促進決議などを背景に、平成17年から一部の橋の工事に着手すると、昨年11月には道路の完成目標を平成27年度に設定。今年に入ってからは、土地収用法を適用して強制的に用地を取得する方針を明らかにしていた。

 市は今月までに、未開通部分の取得対象用地百86件のうち、約94%にあたる155件を取得。残り31件のうち12件は、事業計画への反対などにより土地・建物の調査を拒否している。

 今回、市が立ち入り調査を行うのは八幡5丁目の地権者のうちの一部だが、件数など詳細は明らかにされていない。立ち入り調査が終了した土地に関しては土地調書と物件調書を作成し、今年度中に収用委員会に裁決を申請するとしている。

 一方、3・4・18号線住民連合協議会は、市が強硬手段に突入したことで、「現計画しか認めない」という市の姿勢が示されたものと判断。市の対応や計画の問題点などを厳しく非難するとともに、計画に反対して現在の住環境を守ることを、沿線住民に強く呼びかけている。


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14人が合格

市川市・新人演奏会オーディション

 市川市文化振興財団は二日、新人演奏家の発掘と音楽文化の普及を目的とした新人演奏会のオーディション合格者表彰式を、同市文化会館で行った。

 今年は、近郊の一都八県から百四人の応募があり、「声楽」「ピアノ」「弦楽器」「管・打楽器」の各部門で最優秀と優秀賞を合わせて十四人が合格。そのうち十一人が現役の音大生と、若々しい顔ぶれがそろった。

 表彰式で同財団の杉山公一副理事長は「きょうは、これから市内で活躍するための出発式のようなもの。市民を大いに楽しませてほしい」と、今後の活躍を期待して激励した。

 シュトラウス作曲「オペラ『ナクソス島アリアドネ』より、偉大なる王女様」を歌い、声楽部門最優秀賞となったソプラノの中川美和さん(29)は「一番好きな曲を歌って評価をいただいた。すごくうれしい。幸せです」と受賞の喜びを語った。

 受賞者は、来月二十二日午後二時から同館で行われる第二十一回新人演奏会に出演するほか、同市内のさまざまな場所での演奏会に出演する。

 受賞者は以下の通り。〈敬称略〉

 【声楽部門】▽最優秀賞=中川美和(ソプラノ)▽優秀賞=菅谷公博(バリトン)、三上有希子(メゾソプラノ)
 【ピアノ部門】▽最優秀賞=安部まりあ▽優秀賞=吉武優、栗田奈々子
 【弦楽器部門】▽最優秀賞=瀧村依里(ヴァイオリン)▽優秀賞=山澤慧(チェロ)、木下通子(チェロ)、西方正輝(チェロ)
 【管・打楽器部門】▽最優秀賞=早乙女潤(オーボエ)▽佐藤琴美(サクソフォーン)、濱中敦司(パーカッション)、倉内理恵(クラリネット)


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事故米・厚焼き玉子の使用可能性は消えず

市川市教委が公表

 平成19年4月から同年12月までに市川市内の学校給食に出された厚焼き玉子の原料に事故米が含まれていたとされる問題で、市川市教委は16日、事故米が使用されていなかったことが再調査で判明したと発表した。ただ、この厚焼き玉子は同17年にも、市内3校で提供されていたことが新たに判明。同3校分に関しては「事故米の混入がなかった」とは確認できなかったため、事故米が混入していた可能性は残った。

 この厚焼き玉子は、すぐる食品(東京都目黒区)が製造した「手づくり厚焼玉子500」。原料として、コメを加工して作ったでんぷんを使用している。

 市川市教委はさる9月20日に、平成19年4月から同年12月までに市内の16小中学校と定時制高校1校で提供した同製品には、カビの付着した事故米が使用されていたと発表。しかしその後、すぐる社が再調査をしたところ、同期間に提供した分に関しては事故米が使用されていなかったことがわかった。

 しかし、同製品は平成17年3月から5月にかけても、大町小と妙典小、須和田の丘支援学校(当時、市川市立養護学校)で提供されていたことも新たに判明。同3校分に関してはデータが少なく、事故米が使用されていた可能性を残した。

 同製品1食分に含まれるでんぷんは1・1c〜1・25cで、そのうち事故米を販売していた島田化学工業(新潟県長岡市)からの購入分はおよそ3割。これまでに健康被害は報告されていないという。


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判決を導く難しさを実感

千葉地裁の裁判員「模擬評議」

 千葉地裁は18日、来年5月21日から始まる裁判員制度を学ぶ模擬評議を浦安市民プラザWAVE101で開いた。参加者から抽選で選ばれた裁判員は、被告や被害者の人生を左右する判決を、証拠・証言から導き出すことの難しさを感じていた。

 国民が刑事裁判に参加し、被告の有罪無罪、量刑の決定に加わる裁判員制度。裁判員に選定されると、起訴された裁判のうち、殺人や強盗致死、傷害致死、危険運転致死、放火、身代金目的誘拐、子供を放置して死亡させる保護責任者遺棄致死など重大な事件で、裁判員に被害がおよぶ可能性の高くない裁判に参加することになる。

 裁判員になると、裁判官や検察官、弁護士による証人の選定、争点の整理、審理日程などを決める公判前整理手続きが行われた後、裁判官三人、裁判員六人と評議、評決を行う。裁判員の意見は裁判官と同じく扱われる。審理日数は対象となる裁判の約7割が3日間、2割が5日未満、1割が5日以上と想定されている。

 模擬評議は、妊娠3か月の妻とともに暴行を受けた夫が所持していたナイフで相手を刺殺した事件について、正当防衛が成立するかを審理。参加者は「通行人も多い駅で10bも離れていた場所にいた証人の証言が信用に足るか疑問」「ナイフを所持し、命を奪ったのだから有罪。腕力でやり返すこともできた」「証拠も証言も少なく判断材料が少な過ぎる」などと意見を出し合った。裁判官役を務めた現職裁判官は、正当防衛の用語の解説や証拠や証言を多角的にみることなど、裁判員制度導入後の評議を見越して、審理を進行した。

 裁判員を体験した40代女性は「専門家でも難しいという審理。裁判員として物事を客観的に見るのは難しい。子供のうちから裁判を体験するスクールコートなど、物事をいろいろな角度から見られる体験が必要」と話していた。保護者に連れられて参加した児童も多数。小学5年の女児は「テレビを見ていて思ったことを言うのは簡単だが、裁判ではよく考えないといけない」、同3年の女児は「意見を言うのは好きだが、裁判は難しい」と感じていた。


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