市川よみうり & 浦安よみうり online

連載「ホンネで語る 教育の理想と現実」


NC事業推進者の寄稿…②

 今回は、NC事業の理念・趣旨に共感し、積極的に関わった鈴木茂年氏からの寄稿。

 〈昔の子供達は、毎日の遊びの中で学年や年齢の垣根を超えて『今日は何して遊ぶ』を合言葉に、石蹴り・木登り・探検・秘密基地づくりなど、自分逹の発想力から遊びを考え、各々の役割を決め、上の子が下の子の面倒を見るなど、子供達の世界でのルールを自分たちで作り上げていました。その周りには必ず地域の大人逹の温かい目が見守り、間違ったことをしている子供には誰彼の区別なく本気で叱ってくれるおじさんおばさんがいて、地域の中には子供と大人の声が飛び交っていました。

 そのような教育環境が失われていく中、20年前始まったNCは、子供達の創造力や発想力を生み出すために必要不可欠な活動だと私は考えます。私の所属する中学校ブロックでは、小中学校から代表の子供逹が集まって「こども部」を立ち上げ、私はサポート役に回りました。中学生を中心とした子供部会議の話し合いでは8割方脱線して日時だけが過ぎていくのですが、それぞれ満面の笑みで夢のような話で盛り上がり、どんどん夢が膨らんでいくのです。気が付いてみると脱線話が少しずつまとまり、しっかりした内容になっていました。私は子供逹の発想力に感心し、その夢を現実のものにするために応援していこうと思いました。子供逹が企画したサマーフェスティバルでは、普通の舞台ではなくトラックの荷台で開会式やバンド演奏をやりたいと言っていた夢も叶いました。

 内容や準備・段取りなども含めて本番を完ぺきにこなすことが大成功と思う大人達に対し、子供逹はミスも含めてプロセスで満足できることが大成功だと思っています。そんな子供逹の笑顔に私も幸せな気持ちになりました。

 子供達が遊びを通じ、固定観念を無くし、自分で考え行動する大切さや、人とのかかわり方を学ぶため、私逹地域の大人逹に出来ることは『待ってあげること』、時間がかかってもゆっくり見守ってあげることだと私は思います。地域の中で見守られて育った子供逹がやがて大人になり、地域に戻って活躍してくれること、そのお手伝いをしたり、昔話に花を咲かせたりできることが私の夢であり、一番の喜びでもあります。〉

 子供が育つ地域(NC理念)になるかどうかは、地域の大人逹が子供をどう見るかという子供観(子供の可能性、発達、子供像など)に左右されるのである。
 
 (2017年4月15日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト

NC事業推進者の寄稿…①

 本紙既報の通り、失われた地域の教育力回復を目指し「子供を育てる地域づくり」という理念のもと、20年前にスタートさせた市川市教委の施策「ナーチャリング・コミュニティー(以下NC)事業」の記念事業が先月、千葉商科大学で行われた。NC事業立ち上げに心魂を傾けた当時の教委担当者の押田氏、子供達の自立支援や健全な地域社会づくりに努力されてきた鈴木氏、そして当時小学生だった伊藤氏の3人の寄稿を順に紹介する。今回は押田敏郎氏(元市川市立小学校校長)。

 〈今から20年前、当時の教育長から新事業を考えているので進めるようにとの指示がありました。新しい事業とは、学校での学び中心の「コミュニティースクール(以下CS)事業」とは区別し、子供の成長に不可欠な地域の教育力の重要性を提唱し、市内各中学校ブロックを単位とした地域主体の活動を目指したNC事業です。

 当時は市川市がCS事業を推進していて、全国から視察があるなど注目を浴びている時期でもありました。それだけに、当初はCS事業との違いなど趣旨説明に難儀をしましたが、最終的には「みんなで子供逹を みんなでボランティア」の合言葉のもと、積極的に地域の子供達と関わってくれました。

 そのような中、「人づくりが街づくり」という考え方から、子供逹を主役にできる場づくりが必要であるとして、ブロックに「子供部」を作ろうという運びになり、大人は見守り役に徹し、子供逹を活動の中心に置くよう心がけました。

 その結果、子供目線の企画はたくさんの子供逹の遊び場を提供してくれ、多くの子供が参加するようになりました。中には、他市に住む親類の子供やその友達までが参加し『うちの市でもこんな遊びができるようにしてくれたらなあ』という声も届きました。

 この子供部で育った当時の小学5年生が現在では30歳を越えています。その一人、伊藤さんは市立東国分中ブロックで委員長を務めています。彼は地域に育てられたことに感謝し、大学の卒論も「地域コミュニティーづくりに関する論文」としたほどで、以来これまで継続してNC事業に関わり、貢献をしてきていることもあって、今回の20周年記念実行委員会委員長に推され、見事に市全体をまとめ上げました。

 これからも、本市がより住みやすい街になるよう、子供と大人が一体となり、互いに成長していけるような地域活動を期待します。〉
 
 (2017年4月1日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト

寝る子は育つというが…③

 《十分な睡眠をとらなければ、しまいには太って、病気になって、バカになるでしょう》と言うのは、世界的睡眠研究の権威者スティックゴールド。人類学者のキャロル・ワースマンも睡眠に関する考察で肥満、病気、愚かさを結びつけた。

 両者の研究を要約してみる。睡眠不足のせいで糖尿病予備軍のような反応を示して食事の量が増える(スティック)。睡眠不足はストレスとよく似て、睡眠不足になるとコルチゾールが増え、食欲も増え、血糖値が上がる(ワースマン)。これが肥満の原因だというのだ。

 更に、睡眠不足は免疫系を大混乱に陥れ、その機能を半減することから病気になり易いという。

 ではバカになるとはどういうことか。研究では、睡眠を遮断された人々は単語を思い出すといった簡単なテストの成績が悪いが、単語記憶後、仮眠をとらせると成績は向上する。また、一日20時間も勉強していたという学生は、睡眠不足による能率低下で、何をするにも2倍の時間がかかるようになっていた。この他、睡眠不足はうつ病、心的外傷ストレス障害(PTSD)発症の原因にもなるという。

 スティックゴールドの処方箋は「誰でも8時間半眠りなさい」だ。では眠る時間(量)さえ十分確保すればいいのかというと、どう眠るかという質も大切だとワースマンは言う。それは人類の進化という視点から考えることで解明されるという。その1つが、一人寝は避けること。家族が同じ部屋で一緒に寝るという文化がどの時代、どの地域を見ても殆どであって、一人で寝るのは極わずか。幼児を一人で寝かせるなんてもっての外だという。独身より結婚している人の方が長生きすることも分かっているというのだ。

 2つ目に灯り。寝る2~3時間前に照明を暗くして睡眠のリズムを整えておくことが大事。光は睡眠のリズムにとってだけではなく、健康で長生きするためにも重要。夜の人工光とうつ病、心疾患、糖尿病、肥満、そして注意欠陥障害などの大きな要因にもなっているというのだ。(NHK出版『Go WILD』)

 これら睡眠研究の結果は子供たちの成長に強く関わるもので、無視できない。睡眠不足が原因となり勉強の能率が落ちる、或は生活習慣病、心的外傷ストレス障害、うつ、不登校などと睡眠不足との関連も研究によって解明されてきた。睡眠不足となる塾やゲーム、大人の生活リズムなどは真剣に考えなければならない問題であろう。
 
 (2017年3月18日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト

寝る子は育つというが…②

 「睡眠障害が、子供の発達障害や不登校・ひきこもり、将来の様々な病気につながる状態のおおもととして注目され、社会全体の課題となってきた」(三池輝久著『子どもの夜ふかし脳への脅威』から)。

 近年の睡眠研究の進展から、子供の睡眠と脳の発達の関係が明らかになったことで、三池氏の提言『睡眠教育(眠育)』が小児医療機関をはじめ保育機関、学校などの取り組みとして全国に広がり、顕著な効果が表れている。

 福井県若狭町では町全体で眠育に取り組んでいる。きっかけは、町立三宅小の元校長・前田勉氏が自分の教え子たちが中学校に進学したあと急に不登校になるケースが相次いだことを気にかけ、三池氏に相談したこと。三池氏から「睡眠が関わっているだろう」との返答があったので調べてみたところ、不登校の生徒が多い学校といない学校の違いは、睡眠に原因があると分かってきた。以来、前田氏は年2回、学校で「睡眠授業」を行うほか、教師や親など大人への指導と個別診断に力を入れてきた。今では、町の全学校が「睡眠と朝食の調査」を実施しているという。何時に寝て何時に起きたか、朝食を食べたか、自分で起きられたか、体調はどうかなどを記録する「すいみんログ」を作成するなど学校独自のカリキュラムを導入している。子供が記録した睡眠表で気になる兆候を見つけたときには親との個別面談を行う。このような実践の結果、今では三宅小出身生徒の不登校はゼロになり、不登校は予防できることが証明された。

 子供の睡眠を守る取り組みは地域にも広がる。「子供があくびをしたり集中できないときはどんな生活になっているか注意したり、夜8時以降はテレビを見たりしないという運動が町全体で広がった」と三池氏。同県美浜町では小学生を対象としたスポーツクラブが20以上あるが、親からの要望で教育委員会がクラブの終わる時間を早める方針を打ち出した。福井県教育カウンセラー協会も「子供の睡眠と発達障害」について三池氏から学ぶ研修会を開催している。

 「家庭任せにせず、学校でも生活習慣の乱れをなくすよう促す取り組みは今後も続けていきたい」と、兵庫・加古川市立岡南中学校・上野正一校長は話す。国の管理的な不登校対策に従属しているだけの教育委員会・学校では無能と言われても仕方無い。真に子供の健全な成長を願うなら、教育のプロとしての知見をもって課題に臨みたい。
 
 (2017年3月4日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト

寝る子は育つというが…①

 「寝る子は育つ」というが、今、日本では子供の寝る時間が大人によって脅かされている。ある調査の国際比較では、3歳以下の子供の睡眠時間は世界一短い。大人も2番目に短く、両者には相関がある。子供の睡眠時間が、大人の生活パターンに引きずられていると考えられるからである。

 睡眠の短さは、子供にどのような影響を及ぼしているのか。小児精神科医の三池輝久氏によれば、睡眠は「脳を創り、その働きを育て、守る(維持する)大切な時間」だという。具体的には「①眠ることにより脳が新たな体験を学習し、記憶するための神経回路が『創られる』こと②脳にある海馬は今日経験したことを何度も再生して確かめたり、過去の知識と合わせたりして知識を確立する。つまり、眠っている間に脳は学習(育てる)していること③シナプスの点検整備をする、即ち、大脳が自らの情報処理能力を『保つ(守る)』ために眠ること」という。

 このように、脳の発達にとって重要な睡眠であるが、特に子供の時の睡眠の量・質・時間帯が心身の成長に与える影響は極めて大きく、生涯にわたってその影響は尾を引くことになる。脳の発達障害をはじめ、うつ、肥満、糖尿病やがんなど将来にわたる病気のリスクも高まるという研究結果も出ている。

 三池氏は「子供の睡眠と脳機能の発達には深い関係があり、睡眠障害は子供の発達をゆがめる」として、次のように述べている。「乳幼児期の睡眠障害は運動や言葉の発達を遅らせ、注意欠陥多動性障害(ADHD)やコミュニケーション障害をもたらし、自閉症とよく似た症状を呈することが報告されている」。しかも、この時期の睡眠障害は成人に至るまで持続してしまう可能性があるという。獨協医科大の故・瀬川昌也特任教授も「脳の発達には、睡眠と覚睡のリズムの確立が欠かせないが、そのリズムの乱れが情緒や社会性の発達、認知機能に障害を与えていることから、その乱れによる学習意欲や学力の低下や発達障害、不登校、引きこもりなどを引き起こす」と言うのである。

 また、最近では8時間以上睡眠時間をとる中・高校生のうつになるリスクが最も低いという研究結果(東大グループによる国際学会発表)が注目されている。

 社会問題化している子供の不登校、引きこもり、学力低下や小児生活習慣病などには、いずれも睡眠障害との関係を重視して対処すべきではないだろうか。
 
 (2017年2月18日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト

文科省の天下り事件を考える

 文部科学省の違法な天下り事件報道には驚かされた。これまで、他省庁の天下り報道を見聞きすることはあったが、まさか(子供の)教育に携わる文科省がこのような違法な行為をするとは考えられなかっただけにその衝撃は大きいものがあった。

 この事件に関連して、現役官僚時からお付き合いのある元国会職員(退職時の役職は参議院憲法審査会事務局首席調査員)で、現在は千葉経済大学特任教授の荒井達夫氏から次のようなメールが送られてきた。荒井氏は行政の組織・人事のプロとして一貫して公務員の本質(全体の奉仕者)を追求し、「社会が必要とする本当の公務員」の育成を提言し、活動してきた。教育については「教育に競争はいらない」など、筆者の考えと多くの一致点がある。

 【昨年2月17日、参議院憲法審査会の意見陳述で私は次のように発言した。「議院内閣制の下で所謂キャリアシステムを原因とする縦割り行政と天下りが国家行政を大きく歪め、官僚機構の自己改革能力を著しく低下させている。各省に一人の事務次官をつくり出すために職員が生涯をかけて競争するキャリアシステムは、出世意欲という『私益追求』が不可避的に国家レベルの『反公益』となってしまう宿命を持つ人事の仕組みである。(中略)官僚機構による情報操作の凄まじさは特筆に値する。弱い内閣では官僚による政府の支配となり、強い内閣では官僚は政治家に迎合し、政府との共生を図る。国民に対して直接責任を持たない『巨大な権力機構』である官僚機構が『公共の利益』に反する無責任な行政をつくり出してしまう」。これが天下り問題の本質であり、今回の事件はまさにそれを露にしている。この認識を持たない限り問題の解決はあり得ない。】

 このような政府と官僚との関係の中で政策が決められていくのは政治関係者の間では常識となっているという。筆者がこの事実を知るのは教育長のときで、元官僚や中央教育審議会委員などの話や著書からであるが、実際に経験したのは教育基本法等教育六法改正の公聴会で公述人を務めた時である。

 政府側多数の委員選出、答申ありきの諮問、国民の意見を聴取するとして開く公聴会など形式だけは整えるが、実質的には審議会や公聴会を隠れ蓑にして政府案を押し通そうとするやり方が少なくない。

 このようにして決められる国の教育政策に無批判に追従するのは、無策で子供無視の教育行政といわざるを得ない。
 
 (2017年2月4日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト

子供が学び育つ教育環境(下)

 前回は、さかなクンの著書『一魚一会』(講談社)から、母親の信愛が子供の豊かな人間性を開花させていった実例を紹介した。ただ、さかなクンの成長を支えたのは母親や家族だけではない。周りの人たちとの出会いの中での成長も見逃せない。今回も引き続き同書から紹介する。
 
 さかなクンは、小学2年生の頃にタコ獲りの名人に会わせてもらい、生きたタコを初めて見た夢のような喜びを味わうと同時に、食べるために内臓を引きちぎり石に叩き付けるという悲惨な光景を見てショックを受けた。だが、ここでは命をいただくということがどういうことなのかを学ぶという貴重な体験をしている。
 
 小学生時代は新しい魚屋、図書館や本屋などを求め、たった一人で自転車に乗って遠くまで走り回った。母親は事故などを心配していたが、自主性を重んじて見守っていたという。小学4年生になった頃には、電車で2駅先の街までが自分のテリトリーとなり、魚屋の店員と魚の知識比べなどをするようになったという。
 
 多くの図鑑を手掛けていた先生の大ファンになり、やがて出会うこともできた。専門学校卒業後には、アルバイト先の寿司屋で大将から頼まれた魚の壁画を描いたことがきっかけとなり、江ノ島水族館の魚の作品展、イラストレーターの仕事へとつながっていったという。
 
 さかなクンにとっては、このように「好奇心を大切に育てる」という母親の教育方針だけでなく、それを支えてくれる周り(地域)の人たちがいたということも幸運だった。
 
 近年は人間関係が希薄になり、子供たちは親戚の人や近所のおじさん、おばさんなど、いろいろな人と関わり合うことが少なくなった。しかし、狭い人間関係のまま成長して社会に出ると、会社に入っても同僚とうまくいかなかったり、上司に怒られただけで辞めてしまったりといったことになる。
 
 さかなクンは、人との出会いでいろいろなことを学び、人間としての成長を果たした。人が成長する上で、人と出会い、たくさんの経験を持つことは必要不可欠である。
 
 小学校の卒業文集に「将来の夢は東京水産大学の先生になることです。先生になったら自分の絵でお魚の図鑑を作りたいです」と書いていたさかなクンは、大学を出ずして今では東京海洋大学の客員准教授、同大学名誉博士として活躍している。
 
 (2017年1月21日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト

子供が学び育つ教育環境(上)

 「どのような教育環境が子供の幸せにつながるかを親や家族が見極める必要がある」と前回書いた。それを見事に現実にした家族の事実を一冊の書物から読み取ってみる。

 【「あの子は魚が好きで絵を書くことが大好きなんです。だからそれでいいんです。」「成績が優秀な子がいれば、そうでない子もいて、だからいいんじゃないですか。みんながみんな一緒だったら先生、ロボットになっちゃいますよ。」これは、先生が家庭訪問をした時、さかなクンが授業中でもお魚の絵を描き、おさかなに夢中になる余り、学校の成績は悪くなるばかり、全然授業についていけなかったのを心配していった先生に対する母親の言葉である。更に、先生が「では絵の才能を伸ばすために、絵の先生をつけて勉強させてあげたらいかがですか。」というと「そうすると、絵の先生と同じ絵になってしまいますでしょ。あの子には、自分の好きなように描いてもらいたいんです。いまだって、誰にも習わずに自分であれだけのものを描いています。それでいいんです。」と母親の態度は一貫していた。その言葉通り、「勉強しなさい。」とか「お魚のことはこれくらいにしときなさい。」などと言ったことは一切なかった。「お魚が好きなんだから好きなだけ絵を描くといいよ」と、いつも背中を押してくれた。そのおかげで、今の今まで、一度たりともお魚好きを恥ずかしいとか、変だと思うことがなかった。

 また、母は毎週のように水族館についてきてくれ、時には好奇心に惹かれたタコの水槽の前に一日中へばりついているさかなクンに付き合ったり、おねだりをした夕食のたこ料理を味付けを変えるなどして一か月ほども続けてくれたりもしたともいう。ほかにも、料理屋の水槽で泳いでいるウマヅラハギを飼いたいと思い注文したところ、姿造りにされて出てきたのを見てショックで泣いてしまった時も母はただ後ろで見守るだけ、失敗することの大切さを身を以て教えてくれた。あるいは刺身料理を作っても何故かおいしくない。こういうときでも気づくまで母は教えず、何事も自分で経験して学んでほしいと思っていたのだと思う。】〈『さかなクンの『一魚一会』(さかなクン著/講談社)より〉

 母と家族の信愛が子供の豊かな人間性を開花成長させていくという事実例であり、まさに「この親にしてこの子有り」である。(続く)
 
 (2017年1月3日)  

ホームページ
「教育の理想と現実」リスト