Ichikawa Yomiuri online

 地震と津波の被害を受けた方々に、お見舞いを申し上げます。
 市川市と浦安市内の最新の情報については、市役所のホームページや登録者向けメール、市が発信するツイッターなどを参照して下さい。


復興を願い、災害に備える~浦安

震災復興祈念のつどい

園児たちがちびっ子防災体操を披露

園児たちがちびっ子防災体操を披露

 JR新浦安駅の周辺で12日、「第3回うらやす震災復興祈念のつどい」(同つどい実行委員会主催)と「浦安防災ファミリーパーク」(浦安市主催)が開かれ、大勢の参加者が災害時への備えや心がけなどを学んでいた。
 
 同駅前広場で開かれたうらやす復興祈念のつどいは、東日本大震災で市内の86%が液状化の被害を受けたことで、うらやす市民大学の学生など市民有志が「浦安が早く復興することをみんなで祈念したい」と、平成24年から毎年実施している。杉村直実行委員長は「震災から3年が経ち、市民の防災意識が少し薄れ始めたと感じる。今回は今後起こりうる大震災に備え、市民一人一人に何ができるのかをテーマに開いた」という。
 
 オープニングセレモニーでは、市内の園児たちが幼稚園で学んだ「ちびっ子防災体操」を発表。「地震の時は頭守って小さいダンゴムシになる」など、震災時の行動を音楽に合わせてダンスで披露した。
 
 会場には、防災関連の約30のブースが立ち並び、放射能で農作物が風評被害を受けた福島県のブースでは、同県の職員らが地元の野菜や果物、お米などを販売しながら「放射能は検知されていないので安心して食べられます」とPRしていた。浦安ボーイスカウト第2団のブースでは、子供たちが説明を受けながらペットボトルを使ったろ過機を手作り。完成したろ過機に泥水を流し込み、少し時間を置くと透明な水がポタポタ落ちる様子にうれしそうな笑顔を浮かべ、「すごいね。お母さんに見せにいこう」とはしゃいでいた。  

防災ファミリーパーク

福島から来た景井さん(左から2人目)と交流する参加者

福島から来た景井さん(左から2人目)と交流する参加者

 浦安市民プラザWAVE101で開かれた浦安防災ファミリーパークでは、妊娠中の母親や親子連れの参加者が、新聞紙製の紙食器作りや災害食の試食、子供がいる家庭で役立つ災害グッズの展示、子供用の消防服の試着など、子供と楽しめるブースを回りながら、災害時の子供の守り方などを学んでいた。
 
 会場内には、東日本大震災を体験した東北の母親2人との交流会も開かれた。福島から来た景井愛実さんは、家の中で子供2人を寝かせている時に震災に遭った。景井さんは「強い揺れの中、子供を守るために家の中にある毛布を子供の頭や体に巻いた」「(余震に備えて)包丁やお皿があるキッチンには絶対に近づかせなかった」「避難所では水をもらうのに何時間も並ぶので、子供を連れては大変。子供の命を守るには、日頃から水や食料を備蓄することが大切」など、当時の体験を基に母親目線で参加者にアドバイスしていた。
 
 9歳と5歳の子供を持つ今川在住の女性参加者は「3年前の経験を忘れつつあった。きょうの話を聞き、子供を守れるのは親だけと改めて感じた。今後は、備蓄や災害対策に向けた家族会議をしていきたい」と話していた。  

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まるで芝桜のじゅうたん
市川市郭沫若記念館

見ごろを迎えた芝桜=11日撮影

見ごろを迎えた芝桜=11日撮影

 市川市郭沫若記念館(真間5の3の19)前の芝桜が見ごろを迎え、来館者を楽しませている。同館によると、見ごろは今月いっぱいまでで、それ以降は部分的に咲く花を楽しめるという。入場無料。
 
 この芝桜は同館に勤務する吉野實さん(68)が「来館者を花で迎えたい」と平成18年から植栽を始めた。失敗を繰り返しながら根分け作業を行った結果、いまでは約600平方㍍の敷地一面にじゅうたんのように咲き誇るまでになった。
 
 近年は、芝桜の評判を聞きつけて毎年大勢の来館者が訪れ、色とりどりの芝桜とその周囲を取り囲むように咲く菜の花の甘い香りを楽しんでいる。同館は「心地よい春の陽気を感じながら、赤やピンク、紫など多彩な芝桜を見に出かけませんか」と来館を呼びかけている。
 
 問い合わせは同館(☎372・5400番=月曜日休館)。  

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首都直下型地震に備え
市川市、高度救助隊を発足

新たに導入された工作車の前に立ち並ぶ高度救助隊員たち

新たに導入された工作車の前に立ち並ぶ高度救助隊員たち

 市川市消防局は1日、首都直下型地震などが懸念されていることを踏まえ、同市東消防署内に高度救助隊を発足させた。
 
 同救助隊は、大規模な災害や事故などに対応する専門部隊。市川市は、同隊の設置が義務付けられている政令指定都市や中核市ではないが、首都直下型地震が発生した場合、同市でも被害は甚大になることが予想されることから、今回独自に発足させた。
 
 同救助隊には、消防大で特別な教育を受け、人命救助に関する高度な技術を持つ2人の隊員など18人が所属。常設の隊とし、災害対応についての特殊な訓練を積んでいくという。
 
 また、この隊の発足に合わせて高度な人命探索ができる救助工作車を導入。この工作車には、煙の中や夜間でも人命探索ができる装置や、がれきの中で生存者が発する声や振動を探知できる音響探知機など、最新鋭の救助器具が搭載されている。
 
 同局は「大規模災害発生時に必要な人員と装備。有事にはいままでの市川市になかった効力を発揮できる」と同隊と工作車の効果を期待している。  

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浦安市の液状化対策事業
5地区で計画案作成へ
他地区も合意は順調

 東日本大震災で液状化現象が発生した浦安市内の5地区が、国の復興交付金を活用する液状化対策事業の計画案作成を市に依頼し、同事業を進めるために必要な2段階の住民合意の第1段階をクリアした。事業実施に向けて個別勉強会を進めている16地区の残りの11地区でも住民合意が9割以上とみられる地区がある。事業の法的要件を満たす中町と新町の戸建て住宅の全地域(204・8㌶)の内、5地区は面積・戸数で約1割、16地区すべてでも同3割。しかし、公共道路を含めて面的な液状化対策事業を行うため、一戸でも合意が得られなければ進めることができない中、市は「5地区で合意形成作業が完了したことは大きな前進。この状況を聞き、新たに個別勉強会を進める地区もある。可能な限り支援していきたい」という。

 同市が採用した戸建て住宅の「道路と宅地の一体的な液状化対策事業」の対策工法は、地盤沈下リスクがある地下水位工法ではなく、格子状地中壁工法を採用。同工法は、宅地を碁盤の目のように地中壁で囲むことで地盤の液状化を起こりにくくするもの。100戸単位の想定では費用は7~9億円。そのうち宅地は4~6億円だが国が2分の1を負担し、さらに市が1戸あたり100万円を上限に2分の1を補助することから、1戸あたりの負担は100~200万円とされている。
 
 同事業を進めるべく、市や各自治会は説明会を開催。その後、具体的な検討を進めるための地区ごとの個別勉強会は16地区で進められ、住民合意が模索されてきた。
 
 工事実施までの住民合意形成は、第1段階が地権者から市への「液状化対策事業計画案」の作成調査依頼書の提出(期限は6月30日)、第2段階が「事業実施(工事)」への同意取り付け(最終期限は平成28年初め頃)。
 
 先行して個別勉強会を進めてきた5地区では、昨年12月末までに全地区で9割を超える居住地権者の合意を得て、同計画案の作成調査依頼書をそれぞれ市に提出。確認が取れていなかった地権者には、市が個別説明や書面による確認作業を行い、今月7日に作業を完了した。同地区では今後、地盤の液状化状況を把握し、具体的な住民負担額を見積もるためのボーリング調査を公共道路で実施したうえで、同計画案の作成に着手する。計画案の作成には概ね1年半かかる見込み。
 
 残りの11地区でも住民合意形成作業が進められており、市は「すでに9割以上の合意を得ている地域があると見ている」とする。5地区の状況を受け、市に問い合わせが複数あり、住民主導で個別勉強会を開催する地区もあるという。
 
 同事業を進めるために必要な要件は0・3㌶以上、10戸以上を基本に、住所の街区符号(番)を1街区とする2街区以上で、少なくとも公共道路1本以上を含む地区。これらの地区で100%の住民合意が求められている。液状化被害がなかった住民や、すでに液状化対策を伴った建て替えを行った住民もいる。高齢者世帯もあり、一戸あたり200万円程度の負担は少なくない。市は「これまで誰も取り組んだことのない事業で、できるわけがないと思っていた人も多いだろう。だが、市民からは『子や孫、その世代にこの土地を安全にして引き継ぎたい』という声を幾度も聞いている。液状化対策は規模が大きい方が住民負担も、液状化のリスクも減る。5地区で合意形成作業が完了したことは大きな一歩。他地区も合意形成作業は順調。だが、まだ安心はしていない」とし、間に合う限り事業対象地区を広げ、最終的な合意を得るための支援を進めていく。
 
 先行して事業実施に向けて取り組む5地区(延べ21・13㌶、926戸)は次のとおり。
 
 ▽舞浜3丁目(12・2㌶、546戸)
 ▽美浜3丁目1~14街区(4・23㌶、191戸)
 ▽弁天2丁目25~31街区(2・22㌶、98戸)
 ▽今川2丁目13~15街区(2・1㌶、73戸)
 ▽同3丁目13街区(0・38㌶、18戸)  

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裏話も聞きながら街を散策
ロケ地を巡るツアー
浦安ロケーションボックス

映像を見ながらロケ地を巡るツアー客ら

映像を見ながらロケ地を巡るツアー客ら

 ロケ地を通じて浦安への愛着を深めてもらう活動に取り組む浦安ロケーションボックス(佐原ひかる代表)はこのほど、市内のロケ地を紹介するフリーペーパー「ソレココ!」の発行を記念したロケ地ツアーを浦安市内で開き、参加した10人が映画やドラマ、CMなどで使われた市内の風景を楽しんでいた。
 
 ツアーでは、同団体が把握する市内のロケ地103カ所(作品数150)のうち、浦安魚市場や旧江戸川沿い(江戸川堤防)、境川西水門、焼鳥屋鞠子屋前、フラワー通りの駄菓子店・重兵衛商店や銭湯・末広湯などを巡った。
 
 魚市場では場内を見学した後、ロックバンド「魚港」メンバーで映画『あなたの白子に戻り鰹』に出演した鮮魚店・泉銀の森田釣竿さんが同市場について解説。森田さんは「ロケ地をきっかけに市内の交流が進み、浦安全体がグッと力を合わせてほしい」と訴えた。
 
 アイドルグループ・嵐の相葉雅紀さんが出演したCMなどで使われた重兵衛商店では、皆が懐かしい駄菓子に興味津々。同店主の内田朋子さんは「戦後の男手がない中、家でできる仕事として母が開店して66年。CMに出たらファンが遠くから来てくれた。CMの看板は店のものではなくて、急きょ作った紙だったのよ」などと裏話を紹介した。
 
 ツアーに夫婦で参加した日の出在住の井田純夫さんは「住んでいる街がテレビや映画に出ていたら面白い。ドラマで見た所もあった」と話し、街や作品に関心を深めていた。
 
 フリーペーパー 「ソレココ!」の配布場所は同団体のホームページ( http://urayasulocationbox.jimdo.com/)参照。
 
 なお、同団体は、野村周平、二階堂ふみ出演の映画『日々ロック』のエキストラを募集中。ライブシーンの観客役で、撮影日は27日(時間未定)、撮影場所は舞浜アンフィシアター。応募はエキストラ手配会社パリマスにeメール(maihamarock@yahoo.co.jp)か電話(070・6651・8963番)で申し込む。  

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地域住民がゴミ拾い&パトロール
北国分駅周辺を日本一良くする会
発足5年余りで会員130人に

北国分駅周辺のごみ拾いを行う会員たち

北国分駅周辺のごみ拾いを行う会員たち

 市川市堀之内の北総線北国分駅周辺で毎月10日と20日の2回、ごみ拾いを行っているボランティア団体がある。その団体は「北国分駅周辺を日本一良くする会」(三橋敏雄代表=2面「人」欄紹介)。ごみ拾いだけでなく、防犯パトロールも行うなどして、〝日本一〟という自ら掲げた大きな看板に近づこうと、日々努力を続けている。
 
 同会は、先祖代々この土地で暮らしてきたという三橋代表が、同駅が設置された後に目まぐるしく変わっていく駅周辺をより良い街にしていこうと、平成20年に発足させた。「ここは高台にあっていい野菜がとれるし、災害もない日本一の街」と、三橋代表が幼い頃から祖母に聞かされていたため、名称は「日本一良くする会」に決定。現在は130人ほどが所属。「三橋さんの人柄の良さにみんな集まってくる」と会員は口をそろえる。10日と20日が休みの日にあたると、小中学生がごみ拾いに参加してくれることもあるという。
 
 また、三橋代表が自らの会社の車で行う青色防犯パトロールの出動回数は年間約300回。早朝や日中、夜間など、仕事の空いた時間に三橋代表が自らハンドルを握り、事故や犯罪を未然に防ぐため目を光らせている。
 
 先月10日に行われたごみ拾いには10人ほどの会員たちが参加。誰に言われるでもなく早朝に集まってきた会員たちは、それぞれ軍手とゴミ袋を手に駅周辺をくまなく見て回った。終了後は、三橋代表が趣味で育てている新鮮野菜を会員たちに配布。女性会員は「この野菜の味は抜群。三橋さんにしか作れない」と喜んで受け取り、労働の後に至福の表情を浮かべていた。
 
 今後は同駅前がつつじで一面埋め尽くされる時期に合わせて、大規模なクリーン作戦を実施するなど、新しいボランティア活動に挑戦したいという三橋代表。「いろんな人が交流するための出会いの場を作っていきたい」と、さらなる会の発展を夢見ている。

会員募集中

 同会は会員を随時募集している。入会金や会費は無料。活動への参加も「無理をせず、来られる時に来てもらえれば」と三橋代表。
 
 問い合わせは三橋代表(☎090・9686・8688番)。

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200種、280鉢を展示
きょう19日か ら市川さくら草展

昨年のさくら草展の様子

昨年のさくら草展の様子

 市川さくら草会(佐藤洋子代表)はきょう19日から27日までの午前9時(初日は同10時)~午後4時(最終日は同3時)、「平成26年度第45回市川さくら草展示会」を葛飾八幡宮境内で開く。
 
 この展示会は、さくら草が見ごろを迎えるこの時期に毎年開かれている。今年も同会の会員が手塩にかけて育てた約200種、280鉢のさくら草が会場を華やかに彩る。
 
 同会は「例年にも増して鮮やかでかれんなさくら草で皆さまをお出迎えするため、会員一同手塩にかけて育成しました」と、広く来場を呼びかけている。
 
 問い合わせは同会・佐藤代表(☎376・3286番)。

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浦安の児童たち、集まれ!
わんぱく相撲 浦安場所

 浦安青年会議所(浦安JC、金沢剛純理事長)は5月10日午前9時半~午後3時に浦安市総合体育館(舞浜2の27)で開くわんぱく相撲浦安場所の参加者を4月30日まで募っている。
 
 伝統の相撲を通じて、子供たちにあいさつや友達の大切さ、勝負の心構えを学び取ってもらおうと開き続け、今回で26回目を迎える。
 
 当日午前は、明治大学相撲部の部員から実践的な稽古を受ける。午後は、各学年の男女別で個人戦。各トーナメントのベスト8以上には勝者ポイントが加算され、学校ごとに集計する。各学年男女別1~4位には賞状とメダル、上位3校にはトロフィーが授与される。
 
 対象は浦安市在住・在学の小学生。応募は、市内の学校の児童は学校を通じて、市外の学校の児童は同JC・清水さん(☎050・3397・5393番)に直接申し込む。  

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「若い人にふるさと愛を育んでほしい」
市川を愛し、盛り立て66年
民謡民舞の会ICA解散

ICA会員にとって八幡小の児童全員と踊る『八幡音頭』は大きな喜びだった=平成24年

ICA会員にとって八幡小の児童全員と踊る『八幡音頭』は大きな喜びだった=平成24年

 長年にわたって市川市の民謡民舞や新舞踊の愛好者の親睦や活動を支え、市民文化の振興に努めてきたICA(市川芸術文化連合会、加盟35団体、会員約250人)が3月末をもって解散した。
 
 同会は、戦後の苦しい環境の中、初代会長の山本弥三吉氏が青少年のふるさと愛や家族愛を育て、不良化を防ぐ願いを込めて盆踊り大会を開いたことを契機に、昭和23年に市川民謡連合会として設立。以後、ふるさとの良さを紹介し、踊りと唄を楽しみ、大切につないでいく活動を続けてきた。同30年には、八幡や市川の名所や特産などを歌詞に込めた『八幡音頭』『市川小唄』を制作し、葛飾八幡宮に奉納。同62年からは毎年、会員などからの募金を市の社会福祉に寄付し続けてきた。
 
 解散の大きな理由は会員の高齢化。日本舞踊を習う子供は減り、若手の新規会員はほぼ増えず、会員の平均年齢は75歳になった。設立当初からの会員も次々とこの世を去り、文字通り、命尽きるまで踊り続けた人たちが多いという。また、「大きなステージ、多くの観客の前で踊りがいがある」と会員から喜ばれてきた春と秋のICA新舞踊・民謡大会も楽屋と舞台との移動、大会準備が大きな負担になっていた。
 
 年齢を重ねながらも市川を愛し、踊りや唄で盛り立て続けてきた会員たち。近年、市川市立八幡小学校の運動会で孫世代の児童全員と『八幡音頭』を一緒に踊ってきたことは大きな喜びだった。毎年、子供たちに市川や八幡は良い所だと伝え、ふるさとを愛する踊りと唄というタネをまき続けてきた。最後の26年間会長を務めた山本弥恵子さんは「時代は変わっても人の愛、人の輪は変わらない。若い人たちの考え方で、これからもふるさと愛を育んでいってほしい」と、若芽が大きく育っていくことを願っている。
 
 同市の大久保博市長は先月26日、ICAへの感謝状を山本弥恵子会長に贈った。ICAの活動と歴史を知る市職員は「市川の宝」と口にしていた。  

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NO2濃度、南部と中南部が高め
「市川の空気を調べる会」が測定

 市民団体「市川の空気を調べる会」はこのほど、市内370カ所以上で昨年6月と12月に測定した大気中の二酸化窒素(NO2)濃度の報告書をまとめた。市内で比較的NO2濃度が高かったのは湾岸道路などの通る南部と、京葉道路や県道若宮西船市川線(産業道路)などの通る中南部。ただ、市内のNO2濃度は全体的に低減傾向が続いているという。
 
 同会の測定は、NO2を吸着する試薬を染み込ませたろ紙入りの「天谷式改良型簡易カプセル」を使用。毎年6月と12月にそれぞれ市内全域の300カ所以上に24時間設置し、吸着したNO2の量から換算して大気中のNO2濃度を算出している。NO2濃度の測定は市の測定局でも行われているが、同会の調査は地域ごとの細かい比較などに活用できるという。
 
 今回の市全体のNO2濃度平均値を見ると、6月が過去最小の0・016ppm、一方の12月が前年を0・014ppm上回る0・048ppm。ただ、測定日の前後24日間の市の測定局の平均値は、同会が測定を始めた平成4年以降減少傾向を示しており、今回の12月の値が高かったのは測定日がたまたま高濃度の日だったためとみられるという。
 
 市内を5つに分けた地域別にみると、数値が最も低かったのは県道松戸原木線などが通る北東部で、6月が0・011ppm、12月が0・041ppm。6月は0・022ppmだった南部と、0・019ppmだった中南部が比較的高く、県道市川松戸線などの通る北西部は0・016ppm、国道14号や県道市川柏線などの通る中北部は0・014ppmだった。12月は中南部の0・053ppmが最も高く、北西部と中北部、南部は0・048~0・049ppmだった。
 
 市全体を住宅地点と沿道地点に分けると、6月は住宅地点の0・012ppmに対して沿道地点は0・024ppm、12月は住宅地点の0・043ppmに対して沿道地点が0・057ppmで、いずれの月も沿道地点が0・01ppm以上上回った。
 
 幹線道路別にみると、湾岸道路が6月に0・047ppm、12月に0・068ppmといずれも最も高く、県道市川松戸線や国道14号、京葉道路なども高い数値を示した。  

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市川手帳

 「日本の夕日百選」「日本の夜景百選」に選ばれている旭市飯岡。東日本大震災の津波は最大地上2・1㍍。第1波が小さかったために帰宅した人が第4波で犠牲に遭った▼最も被害の大きかった海沿いをこの春歩いた。再建も一部行われているが、住居は基礎を残すばかり▼全壊を免れた鮮魚店の壁には高さ1・8㍍ほどの所に印があった。「あの日を忘れるな 逃げろ 戻るな 津波はここまで来た」と伝える▼市民や団体、行政が連携して復興と観光を推進。被災体験や被災地域の商店を紹介する復興瓦版の発行も続く。ある企業の敷地には「不屈の精神」と刻まれた石碑も建つ。東京湾内とは被害程度が違うからだが、復興と防災への思いも違うように見えた。

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