Ichikawa Yomiuri online

 地震と津波の被害を受けた方々に、お見舞いを申し上げます。
 市川市と浦安市内の最新の情報については、市役所のホームページや登録者向けメール、市が発信するツイッターなどを参照して下さい。


高校生・大学生が勉強を指導
避難所生活も疑似体験
福栄小で開催

高校生の優しい指導で勉強する子供たち

高校生の優しい指導で勉強する子供たち

 市川市立福栄小(深尾武司校長)でこのほど、近隣の住民や高校生、大学生らが講師を務める「寺小屋まなびくらぶサマースクール」が開かれ、同校の高学年の児童約50人が地域の人に勉強を見てもらいながら、地域交流を育んでいた。

 同校では、基礎学力の向上を目的に、2年前から低学年を対象にした学習講座を毎週火曜日の放課後に開いているが、高学年は授業時間が長いことから実施できていなかった。そこで昨年度、夏休み中に高学年向けの同スクールを初開催。このスクールが子供からも講師からも好評だったことから、今年度も8月20~22日と同26~28日の日程で実施した。今年度の講師は、順天堂大の学生や県立行徳高の生徒を含む25人。講師の中には将来教職関係を目指す学生や生徒も多く、キャリア教育にもつながっているという。

 期間中、子供たちは、夏休みの宿題や家で解けなかった問題などを学校に持ち寄り、講師に質問したり、アドバイスを受けたりしながら自由に学習。中には講師陣でも難しい問題もあったようだが、そんな時は子供と講師が一緒に考えながら、世代を超えた交流を育んでいた。
 行徳高の女子生徒からアドバイスを受けていた4年生の男子児童は「(高校生の指導は)上手で分かりやすいし、教え方が優しい」と笑顔を見せた。一方、講師として参加した行徳高2年の佐野明日香さんと熊倉弓華さんも「自分も一緒に勉強できるし、勉強以外でも仲良くなれるのがうれしい」と充実の表情。今年度のスクールも、児童と講師双方にとって有意義な時間になったようだ。  

非常食を食べる子供たちはその味に意外と満足!?

非常食を食べる子供たちはその味に意外と満足!?

 昨年発足した同小防災拠点協議会と同校は同スクール最終日の先月28日から29日にかけて、「福栄小防災教育宿泊体験」を同校で初めて開き、児童約30人と順天堂大生9人を含む約70人が避難所生活を疑似体験した。

 防災拠点協議会は、拠点ごとに防災力を強化し、被災時には各拠点で活動する組織で、市が昨年度から小学校区ごとに地域の人たちの手で立ち上げてもらえるよう求めている。今回実施された同校での訓練は、防災拠点協議会が主導する市内で初めての宿泊体験となった。

 同小防災拠点協議会のメンバーらは、午後3時半に地震が発生したという想定で同校に集合してから児童たちの受け入れを順次開始。参加者たちは初日、夕食に非常食を食べた後、市地域防災課の職員や東日本大震災発生後に被災地を訪れた市民による講義を聴いた。非常食による夕食の際には、お湯を入れて15分待つだけで食べられるドライカレーと、25年前に購入したというビスケットが登場。恐る恐る口に入れた子供たちからは、「意外とおいしい!」「味が濃い」「ビスケットはパサパサする」「この味なら1週間くらいはこれだけでも平気そう」など、思い思いの感想が飛び交っていた。

 翌日も朝から市消防局による心肺蘇生法や応急処置法などの講習を受け、午前10時半ごろに一泊体験会のすべてのプログラムが終了した。6年生の男子児童は「心肺蘇生の講習とか、非常食とか、経験しといて良かった。災害時には自分がリーダーになれるんじゃないかな」と誇らしげ。順大1年生の松田実さんと山口真登さんの2人は「話を聞くだけより、こうして体験できたのは良かった。子供たちが夜興奮していてなかなか寝付いてくれないのは困ったけど、自分から関わろうとすれば子供たちも慣れてくれることなど触れ合い方が分かった」と話していた。

 同協議会の茶野七郎委員長は「いい訓練になったと思う。この経験を何かあった時に生かしてもらいたい」と、初めての訓練に手応えを感じている様子。同校の深尾校長は「子供の防災意識を高めるとともに、地域の皆さんに避難所の運営を実際に体験してもらうことが狙いだったが、それぞれいい経験をしたと思う。この取り組みが、福栄小以外にも広がって行けば」と展望を語っていた。  

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新制度に移行する幼稚園の保育料
利用者負担額、現状とほぼ同額に
市川市子ども・子育て会議が答申

高尾会長(中央)が大久保市長(右)に答申書を手渡す

高尾会長(中央)が大久保市長(右)に答申書を手渡す

 学識経験者や子育て関連事業の従事者、保護者など15人で構成する市川市子ども・子育て会議(会長・高尾公矢聖徳大教授)は先月26日、子ども・子育て支援新制度に移行する私立幼稚園の来年度からの月額保育料について、最も収入の多い階層の世帯で2万2800円とするよう大久保博市長に答申した。市によると、同じ階層の世帯が現在負担している私立幼稚園の保育料は月平均約2万2600円で、答申の額とほぼ同じという。市は基本的に答申の内容に沿う方針だが、同制度に未確定の部分がまだ残っていることから、国の状況を見極めながら決めることになる。

 市川市では現在、各私立幼稚園が世帯の収入に関係なく月額1万7500円~3万2千円の保育料を設定。各世帯には、市が一律3万5千円を上乗せしている分を含め、収入に応じて園児1人当たり年間最大34万3千円が補助されている。

 来年度からは、新制度に移行しない幼稚園の保育料は現状どおり各園が決めるが、新制度に移行する幼稚園は世帯の所得に応じた全園共通の保育料が市町村ごとに設定される。国が世帯収入に応じて5階層で示した新制度の保育料の上限は、最も収入の多い世帯で園児1人当たり月額2万5700円。市は7月、現在市が補助金に上乗せしている月額約2900円を国の示した各階層の上限額から控除し、最も収入の多い階層で月額2万2800円とする案を示して同会議に諮問しており、今回の答申は市が示した案をそのまま踏襲した内容となった。

 現在、市内の私立幼稚園の平均保育料は月額2万3333円。これに各園の入園料の平均額を36カ月で割った1カ月あたりの負担額約2139円を加え、市が補助金に上乗せしている月額約2900円を差し引くと、園児一人当たりの利用者負担額は月約2万2600円となり、答申の保育料と大きくは変わらないという。  

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「子供たちが舞台で輝く姿見て」
23日 行徳で定期演奏会
40周年の市川児童合唱団

衣装を着て通し稽古に励む子供たち

衣装を着て通し稽古に励む子供たち

 発足40周年を迎えた市川児童合唱団は23日午後2時から、ミュージカルを取り入れた定期演奏会を市川市行徳文化ホールⅠ&Ⅰ(東西線行徳駅から徒歩約5分)で開く。

 同合唱団は昭和49年に発足し、歌が好きな子供たちが秋の定期演奏会や、市川市と東京・江戸川区の合唱祭、千葉県こども合唱フェスティバル、ニッケコルトンプラザのクリスマスイベントなど各地で歌を披露している。メンバーは男子一人を含む、小学1年生から高校2年生までの18人。

 今回の定期演奏会は39回目。第一部ではドイツとチェコの民謡の中から『すれちがいの歌』『別れ』『夢をのせて』『ビヤ樽ポルカ』などを歌う。

 第2部はミュージカル仕立ての音楽ファンタジー『アンダルシアの風ぐるま』。現代日本の合唱団を舞台に、勉強や部活動などやるべきことが多い中で合唱が大好きな中学生が、『サウンド・オブ・ミュージック』や『チム・チム・チェリー』『トゥナイト』『ショーほど素敵な商売はない』など自然や都会、愛、リズミカルな曲をテーマにしたさまざまなミュージカルの曲に出会い、大好きなものに一途に取り組んでいく姿を描く。『ドン・キホーテ』を参考にしたオリジナルの物語で、作者で指揮の飯田満さんは「周囲にどう思われようと自分の信じる道を突き進む、一つのことをやり遂げることの大切さを伝えたい」と話している。

 現在、子供たちは舞台に向けて、練習を重ねている。休憩時間でも、上級生が下級生を率いて練習をし、細部に至るまで完成度の高い舞台を演じようと努めている。衣装を手作りするなど支えている保護者たちの一人、上村美奈子さん=2面「人」欄紹介=は「歌が大好きな子供たちが舞台で輝く姿をぜひ見てほしい」と来場を願っている。

 入場料は千円(全席自由)。未就学児は無料。当日券あり。

 問い合わせ・チケットの事前申し込みは同合唱団・上村さん(☎322・1060番=昼間)、神田さん(☎711・2405番=夜間)。  

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築30年の一部家屋
固定資産税額、算出根拠不明に
市川市、過去にずさん管理

 市川市が、30年ほど前に建てられた家屋の一部について、固定資産税額の算出根拠が分からなくなっていることが本紙の取材で分かった。市固定資産税課は「遅くとも平成10年以降に建てられた家屋はそのようなことはない」としているが、こうしたずさんな管理が行われていた明確な時期や対象家屋数は把握できておらず、根拠資料がないまま現在も課税し続けている家屋はまだある可能性がある。

 固定資産税額の算出根拠が分からなくなっていることは、昭和59年に建てられた長屋に住む男性が平成18年、自宅の固定資産税額が不当に高いとして市に説明を求めたことで判明。市は男性宅を再調査した結果、それまでの税額が誤っていたとして、男性に20年間の差額と利子合わせて約33万円を返金した。

 新築家屋の固定資産税額は、「部分別」か「比準」のいずれかによって算出する「再建築費評点数」を基に決まる。「部分別」は、柱や基礎、外壁、内壁などの部分ごとに、資材や品等、施工の態様などを調査して合計の評点数を算出する方法で、市川市など多くの自治体では原則としてこの方法が採用されている。

 「比準」は、規模や構造などの区分ごとに各自治体が定めた標準家屋について、あらかじめ「部分別」と同じ手法で評点数を算出しておき、課税対象となった家屋の評点数は標準家屋との使用資材や施工量などの違いを考慮して算出する。この方法は、まず市内の家屋を実態に応じて区分する必要があるが、市川市はかつてそのような作業をしたことはない。だが、市固定資産税課は「同じ業者が数棟の建て売り住宅を開発した時に比準で算出する場合がある」という。

 今回の男性宅は建て売りの長屋に店舗を兼ねた住居(併用住宅)を増築した珍しいケースで、市が説明する比準のケースにさえ当てはまらないが、評点数は比準で決められた。しかも、当時の建築確認申請の記録では、同一業者が建てた併用住宅の長屋はほかにないが、1平方㍍当たりの評点数は比準元との違いを考慮した増減さえされていない。男性宅の評点数付設表も作成していないばかりか、どの長屋が比準元だったのかも記録されておらず不明。現在は、男性宅と1平方㍍当たりの評点数が同じで、同時期に建てられた併用住宅の長屋がないことから、比準元の家屋とその評点数付設表はすでになくなっていると考えられるという。総務省は「家屋の評価に関する資料(評価調書、評点数付設表等)は、当該家屋が滅失するまで保存しておくことが望ましい」と各自治体に通知しているが、男性宅については評点数の根拠を示す資料は残っていなかった。

 男性の妻も隣接する長屋を所有しているが、こちらも評点数は比準によるもので、比準元との違いを考慮した増減もされていない。評点数付設表がなく、比準元が不明という点も全く同じだ。

 市固定資産税課は、少なくとも現在の担当者が着任した平成10年以降は比準元を記録しているというが、記録するようになった正確な時期は不明。税額の算出根拠が分からなくなってしまった物件はまだほかにある可能性もあるが、市は調査する予定はないという。今後、個々に分からなくなっていることが判明した場合には「現地で再調査して整合性を確認するなど、最善を尽くす」としている。  

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6日、7日は新浦安祭
飲食店と縁日がズラリ

 新浦安祭(同祭実行委主催)がきょう6日(午前11時―午後5時)とあす7日(午前10時半―午後4時)、JR新浦安駅前広場で開かれ、飲食店と縁日の出店が楽しめる。小雨決行、荒天中止。

 会場には市内事業者が、縁日でよく出る食べ物や世界各地の料理など飲食物の店を中心に約40店を出店。東日本大震災の被災地や風評被害に遭っている地域の物産も販売。ステージ前スペースは6日午後6時20分―同8時45分のみ、立ち飲み式ビアガーデンになる。

 ステージではダンスや歌など市内団体によるステージショーを開催。子供向けには、ロードトレインや消防体験コーナー、ゲームなどが楽しめる縁日、工作が楽しめる体験ブースも設けられる。

 同祭実行委は「復旧した駅前広場から、地域経済の活性化と震災時にできた絆が大きくなることを願って開く」とし、多くの来場を願っている

 天候による開催の判断は前日午後5時と当日午前5時に行い、浦安商議所青年部ホームページに掲載する。  

うらやす起業塾の子供たちも出店
かき氷アイス、駄菓子を販売

かき氷機を使って商品開発に取り組む子供たち

かき氷機を使って商品開発に取り組む子供たち

 浦安市中央公民館で行われている「うらやす子ども起業塾」に参加している子供たちは、新浦安祭に「かき氷アイス」店と「駄菓子」店を出店する。子供たちは「皆さんに笑顔になってもらえるよう頑張ります」と話し、来店を願っている。

 同塾は、子供たちに自信を持つことや挑戦することの大切さを実感してほしいと企画。「浦安の人々を笑顔にする」をテーマに、採算性を考慮した事業を自分たちで企画・実行している。

 参加者は小学生と中学生の計12人で、2班に分かれて起業。かき氷アイス店グループの佐久間壮汰君(6年生)と岡田沙也さん(同)、中東晴南さん(5年生)は「好きな人が多いかき氷とアイスクリームを組み合わせ、食べて笑顔になれる新商品を考えた」という。味の組み合わせを試したり、市場調査を行ったりして商品開発。当日手際よく製造・販売できるようにシミュレーションも重ねた。駄菓子店グループの吉田彩乃さん(6年生)と喜田向日葵さん(5年生)は「駄菓子屋さんは浦安にほとんどない。子供には昔の味を伝え、大人には懐かしい味を楽しんでほしい」と企画。さらに、「うまい棒は全種類そろえます。糸引きアメもあります。100円以上買うと参加できるクイズに正解すると、お菓子をもう一個あげます」とアピールしていた。

 同塾を企画した浦安市民で団体職員の峰松めぐみさん(30)と会社員の朝井典子さん(34)は「子供たちは楽しみながら、主体的に動いてくれていてとてもうれしい。ぜひ成功するように見守っていきたい」と話していた。

 出店はステージ前スペース沿いに設ける。  

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女子学童野球 関東大会
市川ガールズ、決勝戦進出

決勝進出を決めてほほ笑む市川ガールズのメンバーたち

決勝進出を決めてほほ笑む市川ガールズのメンバーたち

 市川市の女子児童選抜野球チーム「市川ガールズ」が、先月30日にさいたま市で行われた関東大会「第8回NPBCUP女子選抜学童軟式野球大会」で2連勝し、10月26日に西武ドームで行われる決勝戦に駒を進めた。

 昨年、初めて参加した県大会で2連敗という悔しさを味わった同チームは、その悔しさと反省を生かした今年、結成のタイミングを早めるなど万全の態勢で5月、6月に開かれた県大会に出場。決勝で昨年全国準優勝の船橋市のチームに敗れはしたが、準優勝で関東大会への出場権を手にした。

 先月30日に開幕した関東大会には、1都7県の代表チームが出場。市川ガールズは、初戦で東京都の代表・オール葛飾を五回コールド7対0と圧倒し、同日行われた栃木県の代表・ウィングスとの準決勝も9対5で勝利を収めた。

 決勝では、神奈川県代表・横浜DeNAベイスターズガールズと対戦する。

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市川市少年野球大会
夏季大会&低学年大会 2カ月半の熱戦に幕

 「第35回市川市少年野球夏季大会」(市川市・同市少年野球連盟主催、読売新聞東京本社・市川よみうり新聞社など後援)と「第17回市川市少年野球低学年大会」(同)の決勝戦が先月31日に同市国府台球場で行われ、6月15日から2カ月半にわたって繰り広げられてきた球児たちの熱戦に幕が下ろされた。夏季大会は、2年連続準優勝と、決勝戦で辛酸をなめてきた稲荷木イーグルスが悲願の優勝。同大会初優勝を目指した新浜野球部はあと一歩及ばなかった。3位は中国分ドリームス、4位は菅野ポールスターズとなった。低学年は、市川アスナロズJrが全市的な大会で初優勝。稲荷木イーグルスJrは惜しくも準優勝となり、高学年とのアベック優勝はならなかった。  

夏季大会優勝
稲荷木イーグルス

夏季大会優勝の稲荷木イーグルス

夏季大会優勝の稲荷木イーグルス

 稲荷木イーグルス
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 新浜野球部

 最後の1球まで目が離せない、手に汗握る好ゲームとなった稲荷木イーグルス対新浜野球部の一戦は、2年分の悔しさを力に変えた稲荷木が三度目の正直で優勝を手繰り寄せた。

 稲荷木は初回、新浜の先発・髙﨑の不安定な立ち上がりを攻める。一番・難波が初球を右前にはじき返し、すかさず盗塁を決めて無死二塁と先制の好機。この電光石火の攻撃に動揺したのか、ここから新浜にワイルドピッチと死球、エラーが重なり、稲荷木は適時打なしでいきなり2点をもぎ取った。

 追いかける新浜はその裏、一番・川内がエラーで出塁すると、一死二塁となった後に三番・髙﨑のあわや本塁打という適時二塁打で早々に1点を返し、2対1と1点差。しかし、稲荷木も三回に四番・宋の適時打で1点を追加し、リードを再び2点に広げた。

 その後は、新浜・髙﨑と稲荷木・宋の両先発投手が走者は出しても要所を締める粘投を見せ、小学生とは思えないほどの締まった試合展開。新浜は三回に二死一、三塁、稲荷木は五回に無死満塁と、ともに絶好の得点機は作るものの、そのたび好プレーで得点を阻まれ、結局三回裏から七回表まで0行進が続いた。

 稲荷木が2点リードのまま迎えた最終回、六回から2番手としてマウンドに登っていた稲荷木の女子投手・古瀬から、新浜の一番・川内が四球を選んで一死一塁。ここで稲荷木は投手を再び先発の宋に戻したが、新浜は盗塁で一死二塁と好機を広げると、続く二番・石田に中前適時打が飛び出し、点差は1点に縮まった。なおも同点の走者を一塁に置き、打席に立った新浜主将の三番・髙﨑は初球を強打。快音を残して痛烈な打球をライトに弾き返したが、強打者の髙﨑に対して深めに守っていた右翼手が好捕した。さらに続く四番・田中もヒット性の当たりを放ったが、これも中堅手がファインプレー。実力が伯仲する両軍の争いは、「2年間の悔しさをばねにして練習を積んできた」(難波主将)という稲荷木に、最後の最後で勝利の女神がほほ笑んだ。

 稲荷木の村上祥三監督(40)は「最後に展開が危うくなったので、(勝てなかった)昨年と一昨年の試合が脳裏をよぎったが、子供たちの優勝したいという気持ちが強かったんだと思う。子供たちには感動させてもらって本当にありがとうと伝えたい」と喜びをかみ締めていた。

低学年大会優勝
市川アスナロズJr

低学年大会優勝の市川アスナロズJr

低学年大会優勝の市川アスナロズJr

 稲荷木イーグルスJr
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 市川アスナロズJr
 初回、先攻の稲荷木イーグルスJrの攻撃を先発・金山がきっちり3人で仕留めた市川アスナロズJrはその裏、一番・下山が内野安打と盗塁で無死二塁の好機を作ると、一死後に三番・金山が三遊間を抜ける適時打を放ち、1点を先制。続く四番・久間も右前打で続き、一死二、三塁と追加点の好機を迎えたが、二死一、二塁と走者が入れ替わった後に稲荷木の捕手・菅原に盗塁を阻止され、市川は結局この回1点止まりで攻撃を終えた。

 ピンチを最少失点で切り抜けた稲荷木は直後の二回表に反撃する。先頭の四番・竹下が四球を選ぶと、すかさず盗塁を決め、無死二塁と得点の好機。続く五番・菊池が送りバントを決めると、市川がこの打球を処理している間に二塁走者が一気にホームを陥れ、すぐさま同点に追いついた。

 しかし、市川は二回裏に再び1点を勝ち越すと、三回裏にも先頭の三番・金山、四番・久間、五番・桐島の3連打で1点を追加。その後、二死ながら満塁とすると、相手投手のワイルドピッチなどでさらに2点を追加し、5対1と稲荷木をつき放した。

 投げては先発・金山、二番手・下山が低学年らしからぬ冷静なマウンドさばきで稲荷木に付け入る隙を与えず。結局、5対1のスコアで同チーム初となる市内の頂上に登り詰めた。

 市川の金山一彦監督(45)は「1点取られた後ガタガタと崩れるか心配だったが、よく持ちこたえてくれた。(今大会では)試合の序盤に接戦となることが多かったが、その経験が子供たちを強く成長させてくれたんだと思う。初めての優勝は非常にうれしい」と喜びを爆発させていた。  

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市川手帳

 東日本大震災から3年半。いまだに小さな地震でもハッとする。ドスンという物音や振動でも反応してしまうのは怖がりなのだろうか▼スイスの保険会社が地震や津波、台風、高潮などのリスクを元に昨年まとめた自然災害リスクの高い都市ランキングで東京・横浜地区が世界第1位という。世界で最も怖い地区は、市川・浦安市民にとって働き、学び、遊びにも出かける隣接地▼地震発生時、建物の倒壊や津波、火事、飛んでくる家具などが大勢の人の命を奪う。都心では、上から落ちてくるガラスも恐ろしい▼日ごろからの避難経路の確認や備蓄、いざという時の避難行動が自分の命を守る。防災への行動を起こすためには、怖がりなくらいの方がちょうどよいのだろう。

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