市川よみうりonline
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市川市稲越町の県立国分高校(山中克男校長)でこのほど、生徒と乳幼児との触れ合い交流事業が市主催で行われ、2年生約320人と延べ150組の親子が、命の大切さなどを一緒に学びながら、世代を超えた交流を深め合った。
平成16年度から毎年市内の中学校で行われている同事業。同20年度からは、「より親に近い高校生にも体験してもらいたい」と同校でも実施されており、家庭科の授業で2年生全員がクラスごとに参加している。
約40人の生徒が参加した14日午後の授業には、0歳から5歳までの乳幼児とその保護者約20組が参加。親子の中には「毎年この授業を楽しみにしている」というリピーターも多かった。
生徒たちは、この日のために一人一人が手作りしたフェルト製のボールを持参。「普段は決して見せない大人の顔」(担当教諭)で、赤ちゃんの手を取って一緒にリズム体操をしたり、乳幼児にも分りやすいよう身振り手振りを交えて紙芝居を披露したりしながら積極的に交流していた。また、保護者にも親の気持ちや子供が生まれた時の感想などを質問。「みんなもこういう赤ちゃんの時期を経て大きくなっていることを忘れないで」といった、思いが込められた言葉に、生徒たちは大きくうなずきながら聞き入っていた。
「どうしていいのか分からないだけ」と言いながら膝の上で長時間赤ちゃんを抱いていた村松秀一君(17)は「温かくてなんだか楽しい」と照れ笑い。東山采加さん(17)は「すごくふわふわで肌が柔らかくてもう手放したくなくなった。自分も早く子供が欲しい」と赤ちゃんを抱いた印象を語るとともに、「こうしていろんな赤ちゃんと触れ合うことで、それぞれにちゃんと個性があることが分かった」と話していた。
一方、保護者の菅原志穂さん(28)は「こんなに素直な高校生は珍しい。高校生たちに自分が癒された。子供もすっかりなついちゃって本当に楽させてもらっている」と高校生たちに感謝。母親の代わりに4歳の孫を連れて2日連続で参加したという木村美津子さん(52)も「高校生がこんなに子供と笑顔で接してくれるとは思わなかった。本当にいい子たち」と、この授業に取り組む高校生の姿に感心していた。
「ふわふわで手放したくない」
国分高生徒が赤ちゃんと交流
2012年11月24日土曜日