Ichikawa Yomiuri online
Ichikawa Yomiuri online
子供に合わせサポート〜NPO法人の発達障害児向け教室
NPO法人ダイバーシティ工房(市川市市川4の10の18)が昨年10月に発達障害の小学生をメーン対象とした学習支援教室「スタジオplus+」を開校し、達成感を感じやすい教材やITを使って子供たちの学びを支えている。児童福祉法に基づく発達障害児向け教室としては県内初。
発達障害は、広汎性発達障害(自閉症など)や学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の発達に関する障害。人の話を聞かない、関係のないことを突然言う、注意力が散漫などの傾向があるなど他人との関係づくりやコミュニケーションが苦手だが、勉強は普通にできたり、あるいはIQが高く成績がよかったりすることもあり、周囲から見てアンバランスな様子から理解されにくいのが特徴。不登校やニート、引きこもり、人間関係に悩む人が増えている原因の一つともいわれており、発達障害を持つ子供たちが将来自立していくために、子供のうちに障害に気づき、適切なサポートを受けることが必要とされている。
同NPOは、母体の個別指導塾・自在塾が長年子供たちを見てきた中で勉強が苦手な子供がおり、発達障害を持つ子供たちの実状を感じてきたことから同教室を開校。現在、20人の小学生が学んでおり、中学生や高校生を受け入れる体制もある。指導者は9人。
発達障害を持つ子供は、教科や学習内容によって関心に差があるため、バランスよく学習能力を伸ばすことが必要。そのため教科学習(個別指導、月曜日~木曜日の午後4時からと午後5時半から)では、一人一人に合った学習サポートを旨としている。また、分冊した薄めのテキストを使うことで子供にとって取り組みやすくするとともに、達成感を感じられるようにしている。徐々にレベルアップする反復問題を解いていくことで、子供がつまづいているポイントを伸ばせるという。また、視覚に訴える教材が発達障害の子供に有効といわれていることから、パソコンやタブレット端末を使った教材も用いている。
コミュニケーション能力の向上も進めている。学習の前や合間に、きょうあったことなどさまざまな話をする時間を設けているほか、工作やクイズ、クリスマス会などをグループ指導の時間(土曜日)に行っている。あいさつや靴をそろえることなど生活の基本的なことも指導している。
同教室は児童福祉法に基づく放課後等デイサービス事業のため、市川市在住で通所受給者証を持っていれば個別指導の授業料は1回千円、グループ指導は1回1200円。同教室では週2回を推奨しているという。なお、入会登録費1万5千円(2年目以降は年1万円)、教材費(3か月に一回程度)150~600円が必要。
同NPOの不破牧子代表は「学校では教員が子供たち一人一人に力を割く余裕はなく、専門の教室も高価。スタジオplus+では児童福祉法の制度を活用しているため、子供に合った学習を低料金で行える。市や福祉施設との連携も図っているため、子供たちの早期サポートを進められる」という。
問い合わせは同NPO(☎711・8796番)。
2013年2月16日土曜日
興味を持ちやすいパソコン教材を使って学ぶ児童