市川よみうり

今週の人

理想の学校像実現と生涯学習に注ぐ情熱

浦安市教育長に就任
黒田 江美子さん

       「子供たちの元気な姿を目に焼き付けたい」。就任した8月1日からさかのぼる7月22日、浦安市立浦安小学校の校長として、5年生の林間学校に参加。2年4か月の間、同小の子供たちと過ごした日々に別れを告げた。
 学校教育をはじめ、生涯学習やスポーツなどさまざまな分野を包括し、対外的な仕事も担う教育長。「私にできるのだろうか。子供たちのそばで過ごしたいという気持ちの整理をつけるのが大変だった」と戸惑いを隠さないが、「子供たちのために、私はまだ何かをしたい」と、放課後の過ごし方や子供の遊び場づくり、地域の積極的な学校への協力を広く結び付けることなど、理想の学校像の実現に情熱を注ぐ。生涯学習にもさらに力を入れ、「市民のみなさんが楽しみ輝いている姿を子供たちに伝えたい」と願う。
 小学校6年生のころに『二十四の瞳』を見て、「子供に慕われ、子供と一緒に過ごせる仕事っていいな」と感じ、35年間の大切な年月を過ごした59歳。思い残すのは卒業証書を手渡せなかったこと。残念なのは6年生も同じ。「じゃ、僕たち、私たちがあげちゃおう!」と、逆に手渡された卒業証書と、全校児童343人、一人ずつからもらったメッセージが宝物だ。
(2007年8月31日)
MENUへ

今週の人

児童の元気な姿を見守るため立ち続ける

子供の安全を見守り個人でボランティア
清水 俊男さん

    通学中の児童を守るため、道路に身体を乗り出して止める。「朝の通勤時間帯だからほとんどの車が急いでいます。交代で取り組む女性(保護者)だけで車を相手にするのは危険ですから」―。
 昨年の9月、同じマンションに住む若いお母さんたちが子育てに忙しそうにしているのを見て、「朝は時間に余裕があるから」と、子供たちの学校までの“送り”を手伝った。その初日、目の当たりにしたのが、浦安市立美浜南小南東角の交差点の交通量の多さ。「子供たちが巻き込まれないだろうか。ピークはほんの10分ほど」と感じた不安。黄色の横断旗やボランティアの帽子を用意して、翌日から交差点に立った。
 60歳の定年まで外資航空会社の整備部門で働いてきた。3交代制の職場は趣味を楽しむ時間の余裕ももたせなかった。定年後の10年前から、釣りやゴルフ、旅行などやりたいと思っていたことを始めたが、「いざ始めてみても、趣味にはならなかったです」と笑う。いまはマンション行事のスタッフや、興味があった園芸のサークルに所属して個人宅の庭木を世話するボランティアに従事。そして、元気に登校する児童の姿を見るため、交差点に立ち続ける。
(2007年9月7日)
MENUへ

今週の人

多くの関心を集め40年の経験を社会還元

NPO住まいのサポートセンター理事長
梅野 節也さん

    大学で建築を学び、大手建設会社に入社。「羽田空港ビルやホテルオークラなど用途の違う建物を造る楽しみ」や、「建物が後々まで残る生きがい」を味わった。
 平成17年には、「40年の技術と経験を社会に還元したい」とNPOを設立。「市民の立場に立つこと」を心がけながら、戸建て住宅やマンションに関する相談、診断、講演などを行っている。悪徳リフォーム業者に関しては「いい職人は街を歩き回ってはいない。訪問販売は家に入れず断ること」を勧めるとともに、マンション管理組合に関しては、「マンションがよくなることは、財産が目減りしないということ。役員は自分のために役目を果たしてほしい」と喚起を促す。今後は、「もっと多くの人の関心を集めたい」と、さらなる産学官の連携を図る。
 一級建築士であるとともに、市川真間駅前の料亭経営者という顔ももつ。経営を引き継いだのは60歳のとき。その数年後には、「板前の相談相手になれるように」と調理師免許も取得した。
 地域でも商店会長や町会副会長、高齢者クラブ会長など多くの役職を担う79歳。「これが健康の秘けつ。元気なうちは全部続けたい」と生涯現役を貫く。
(2007年9月14日)
MENUへ

今週の人

ボランティア24時間の心構えで生活支援

サバイバル日本語の市川市開催に尽力
中島 スザナさん

「DNAは日本人。ハートはブラジル人」―。ブラジルに移り住んだ日本人の両親の間に生まれた57歳。15年前に来日し、ボランティアの協力を得て日本語を学び直し、日本語能力検定1級を取得。「ボランティアに助けられていまの私がいる。来日している大人も子供も、一日も早く日本の社会に溶け込んでほしい」と、24時間の心構えでボランティアに携わる。
 地域や学校での通訳、病院の付き添いなど子供たちの生活支援に従事する。「いずれ母国に帰るからと勉強を疎かにすると、日本語、母国語などすべて中途半端で、セミリンガルにしかなれない。物は盗まれるが、学んだことは誰にも取られない。子供が望んだ仕事に就けるように、学びやすい家庭環境が重要」と説く。悩みをもつ外国人も多い。「友達になって、先生では担いきれないすき間を支えてあげたい」。子供の恋の悩みも聞く“第2の母”でもある。「子供たちに囲まれ、心から親近感を感じてくれていると感じられることが一番うれしい」。
 日本人の夫と暮らす自宅は、クリスマスが近くなるとデコレーションで色とりどりに瞬く。「今年のテーマはね…」と、忙しい合間を縫って、飾り付けの準備を始める。
(2007年9月21日)
MENUへ

市川よみうり新聞社
千葉県市川市市川2−4−9 〒272-8585
TEL:047-321-1717 (代表) FAX:047-321-1718
Eメール:center@ichiyomi.co.jp