歌を楽しみながらいきいきと長生きを…
14年間チャリティーを続ける孝葉会会主
有福 孝子さん
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「歌でいきいきと、長生きをしてもらいたい」という72歳。婦人会役員をしていた約20年前、婦人会の楽しみとして歌うことを始めた。やがて、「個人的に教えてほしい」という声に応え、地域活動の気持ちでカラオケ教室を開いた。いまでは、会員宅を提供してもらい、自宅と合わせ3教室を構える。40代のころにプロの指導を受けた美声の持ち主だが、17年前には全国歌謡連盟の認定公認指導者の資格も取得して、みんなで歌の楽しさを味わっている。 発足15周年を迎えた会員や関係者がステージで歌うカラオケ・チャリティー発表会は、今年で14回目。会員と自身の募金を合わせた10万円を、毎年市に贈り続けている。「私たちは、おかげさまで健康で歌を歌い続けている。その歌を通じて、みなさんの力になれれば」と、会が発足して半年で発表会を開いた。 最初は「うまく歌えない」と言っていた人の「おかげで楽しく歌えました」という言葉が喜び。「歌をよく聴き、リズムに聴き慣れること。大きな声を出すこと」が、歌がうまくなる秘けつという。「丁寧に教えてくれる。きちんと歌えるまで人前では歌わせてくれませんが…」と指導も好評だ。 会員は50代から80代までの約25人。お腹から声を出すことは健康によく気分もよくなる。外出することで人と人との出会いにつながり、化粧をすることで心も身体も若々しくいられる。「歌を通じて出会う仲間が互いを大切に思い、心豊かになれれば」と願う。これからは、地域の老人施設や障害をもつ人の施設に出向き、一緒に歌を楽しむことを思い描いている。 (2007年11月30日) MENUへ |
資格を生かし工夫を重ねて地域に恩返し
NPO法人・日本食育ランドスケープ理事長
浮谷 王子さん
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市川で生まれ育って42年。幼少から、庭で採れた旬の果物を食べたり、近くの畑で買った野菜の調理を手伝ったりして、食への関心は高かった。結婚して長男が生まれてから、野菜や果物の楽しさ、おいしさを伝えたい、との思いが強くなり、“野菜ソムリエ”の資格を2年ほど前に取得。「せっかく資格を取ったので、お世話になっている地域に恩返しをしたい」と、長男の通う平田小で食育を行うようになった。そこから、活動の場は他の小学校や幼稚園、保護者対象の家庭教育学級へと拡大。昨年10月には大勢の仲間とNPOを設立した。 「『これが絶対に正しい』というものはない」が食育に対する基本的な考え。指導の際も、「情報を提供して一緒に考える」姿勢を貫く。ただ、「野菜が体にいいと知っても、簡単に食べてくれるわけではない」。そのため、野菜のおもしろい話をクイズにしたり、新鮮でおいしい朝採り野菜を食べたりして、野菜を好きになってもらう工夫を重ねている。 この活動の一番の楽しみは、子供たちの「わー、そうだったんだ」という純粋な反応。今後も、企業や地域、学校と連携して活動の幅を広げながら、食育活動のできる人材の育成にも力を注いでいく。 (2007年12月8日) MENUへ |
日々の精進を重ねて芸を残していきたい
木遣りの伝統を引き継ぐ市川市とび職組合相談役
鈴木 三良さん
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もともと、重い岩や木材などを大勢で運ぶときの掛け声として歌われていた木遣(きや)り。市川市とび職組合は、この伝統芸を行政の仕事はじめや消防出初め式、各地の祭りなどで、まといや梯子(はしご)乗りとともに披露している。 木遣りを学び始めたのはいまから40年ほど前。約20年間、浅草から木遣り師を招くとともに、河川敷で一人で声出しの練習をするなどして修得した。 一緒に習った4人の仲間はすでに他界しており、伝統継承への思いは強い。「木遣りは一日一日の精進。練習しないと人様の前で歌えない」と、組合員たちに指導を続けている。 木遣りでは、「高い声を腹の底から絞り出すこと」が一番大切。お腹から絞り出す点は、都山流師範の資格をもつ尺八と共通している。おかげで、ここしばらくは病気知らず。傘寿を迎えたいまも、交通安全協会の指導員として精力的に活動。雨が降っていても、どんなに帰りが遅くなっても、毎日、2匹の犬の散歩で6千歩は歩いている。 「こういうことができるのも女房のおかげ」と妻に感謝。「これからも組合の人たちとますます仲良くして、芸を一つでも残していきたい」。 (2007年12月14日) MENUへ |