市川よみうり

今週の人

お年寄りが喜ぶ「唱歌」生かす

歌のボランティア・いちかわシャンテ代表
小澤 真弓さん

  

  「どうしてお年寄りは唱歌や童謡を聴くと喜ぶのだろうか」。幼いころから西洋音楽に親しんできたが、高齢者の反応が印象的で、ふと興味が湧いた。「認知症を患っていた祖母が、楽しそうに童謡を歌っていた」という記憶もよみがえり、音楽療法の学習をスタート。「高齢者世代なら誰でも歌える」という唱歌や童謡の研究にも取り組み、それらを生かした簡単な実践メニューを携えて、毎月、会員とともに市内の施設を訪問している。  「続けることが第一」。訪問先の職員からは、こうアドバイスを受けた。「一回や二回の訪問では〝お楽しみ会〟になってしまう。続けて活動することに意味があり、そこにプライドを持っています」。活動も十二年目に入り、シャンテの訪問を心待ちにしている入居者も少なくない。「やっぱり喜んでくれる人がいるのが励みです」と笑顔を見せる。これからは「市内各地の老人ホームを訪問し、より地域に根ざした活動をしていきたい」。  実は、唱歌の歌詞やメロディーには、明治・大正期の政治や戦争が大きく関係しており、「大学で学んだ日本政治史が、いまごろ役に立つとは…」と不思議な縁を感じている。五十六歳。「いまは若い世代から高齢者までが一緒に歌える歌が無い」と気にかけている。


(2009年12月5日)

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今週の人

身軽に出かけ、心の声に耳を

傾聴ボランティア・うさぎの耳初代代表
市澤 廣子 さん

 お年寄りにとっての女学校時代など、輝いていた時代の話をする時、人はその目をキラキラとさせる。「話をすることで無意識のうちに自分を表現でき、生き生きとした時間になる。その時間を共有させてもらいたいんです」。

 つらい経験のある人の力になりたい―と傾聴の講座で学び、受講生とともにボランティア・グループを発足。特別養護老人ホームやグループホームなどの現場を見て回り、約一年後から傾聴活動へ。「大きく長い耳をもつウサギのように、心の声に耳を傾け、ピョンピョン身軽に出かけていく」ことがモットー。発足から三年八か月のいま、五十―七十代の会員三十人で市内外の五施設と個人を伺う。将来は、独居老人や終末期ケアへの貢献も願う。

 それまでは専業主婦。大学卒業後すぐに結婚し家庭に入った。両親の介護などの経験を人生の学びの時間と受け止め、改めて大学の門戸を叩き、関心のあった成年後見人を担える社会福祉士の資格を取得。行政書士の資格も得て、念願のキャリアーウーマンとして市内で事務所を構え、これからの時間を尽くそうと励む。

 趣味は「温泉」という五十九歳。夫と目的地を決め「その日に向けて仕事を頑張る。ワクワクして過ごしています」。


(2009年12月12日)

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今週の人

〝市民のため〟の視線忘れない

次期市川市長
大久保 博さん

 子供のころは「家に帰ったら、バットとグローブを持って出かけていた」という毎日。高校ではラグビー部でハードな練習に耐え、体力や忍耐力、自信を身に付けた。厳しい選挙戦も「あの練習を思えば…」という気持ちで乗り切り初当選。「街が三分してしまったが、もう終わったのでノーサイド」と、還暦を迎えたいまでもラグビーの精神を抱き続けている。

 市川で生まれ育ち、仕事も常に市川。実家の建設会社を継ぎ、その後いちかわケーブルネットワークを立ち上げるなど、長く企業のトップを務めた。社長時代は、工事や営業でも自ら先頭に立って会社をけん引。部下に対しては「自分から近づく」「七十点でも足りない三十点をしかるのではなく、七十点を生かす」という姿勢で臨んできた。

 今月二十五日からは、市のトップに就任。「〝市民のために〟という視線を絶対に忘れてはいけない」と自らを戒め、職員にも徹底を図る。厳しい財政状況など困難も待ち受けているが、社長時代も数々の苦難を乗り切ることにやりがいを感じてきた。

 「一球入魂。四年間悔いの残らないようにやっていく」。穏やかな口調の裏に強い決意がにじむ。


(2009年12月19日)

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