市川よみうり

         地球や自分たちの街のために何が出来るか―。市川市内の小中学校からおよそ二千八百人が未来へのメッセージをカプセルに投函、同市動植物園に埋蔵した。それから十年▼いよいよ、取り出すときを迎えた。みんなの思いはかなえられたのだろうか。ところで、埋蔵時の様子を伝える「市川よみうり」の紙面で「市川手帳」が、いまも十年前も変わっていない、と痛感させられる内容のことを書いている▼あまりにも世の中の動きが激しすぎて、埋没してしまう話題も多い。本来ならばもっと追求しなければならない問題が、うやむやになってしまう▼いつ、どこで、だれが、なにを、どうして、どうなったか、きちんと整理されているかとなると、やや心もとない。表層をなでるだけで、深層に達していない―と。まったく同じだ。
(2007年6月1日)
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        県内の交通事故による死者が今月一日、百人を突破した。昭和三十九年に日別の事故集計を開始してから、最も遅い時期に当たる▼いろいろと、取りざたされている飲酒運転は、死亡者八人で、前年に比べて五人減った。とはいえ、単純に数字の問題では片付けられない。肝心なのは事故に対する心構え▼いくら運転する側の件数が減っても、自動車などにはねられて死亡した人は四十四人で、前の年より十一人増えている。特に高齢者は四十六人で九人の増。七十歳以上が全体の四割というのは、いかに交通弱者への配慮が足りないかを示している▼事故発生の要因は、年齢を問わず、自己中心的であり、周りを見ていないことが一つ。道路は全て自分だけのものであるかのような、無茶も目立つ。全国ワースト4位は恥ずかしい。
(2007年6月8日)
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     六月の第三日曜日は父親に感謝を表す「父の日」。米国の父子家庭に育った女性が、自分を育ててくれた父への感謝を込めて、父の誕生月六月に礼拝をしてもらったことがきっかけと言われている▼すでに母の日があった。そこで「母の日のように父に感謝する日を」と牧師協会へ嘆願して始まった。一九一六年、ウッドロー・ウィルソン大統領の時代、正式に「父の日」が認められた▼日本では昭和二十八年から、一般的行事として知られるようになったが、どうも母の日に比べると認知度は低い。それでも、日ごろ疲れているお父さんに少しは感謝を込め、プレゼント、あるいは家族で食事を…▼この日にあわせた商戦も盛んで、健康グッズやスタミナ料理など多彩な商品が紹介されている。ちなみに「父の日」の花は白いバラだとか。
(2007年6月15日)
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       きのう二十二日は、一年で最も昼の時間が長い日である「夏至」。これから本格的な夏が始まる、という日にあたる▼気候は梅雨の高温多湿の、すっきりしない時期でもあり、体調を壊しやすい。十分な管理が必要だ▼夏至の日から二十四日までの午後八時―同十時の二時間、「電気を消してスローな夜を」と節電を呼びかけるイベント「百万人のキャンドルナイト」が行われている▼あまり難しいことを考えず、短い夏の夜、ロウソクなど温かみのある灯火を前に、ビールでも飲みながら緩やかな気分に浸ってみるのも、一興。ちょっとした気分転換に役立ちそう▼電気だけでなく、水の消費量も大きく増える季節。節電・節水は日々の心がけ。これからの盛夏、そして極暑。暑い日が続く。じだらくに勤めてゐたる大暑かな(石田波郷)。
(2007年6月22日)
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市川よみうり新聞社
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