市川よみうり連載企画

<1> おいしいご飯をたこう

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 ご飯はわたくしたちの食生活の主役です。お母さんが「ご飯ですよー」というのは「お食事の時間ですよー」というのと同じ意味をもっています。

 以前はご飯たきはとてもむずかしい仕事でしたが、最近は電気やガスの炊飯器でおいしくたけるようになりました。

 おいしいご飯をたくには精米したての米を選びます。
 炊飯器についているカップで米をすりきりに計り多めの水で手早く洗い、すぐ水をすて2〜3回水を替え、ザルにあけて水をきります。
 次に、米を計ったカップで水を正確に計ります。または炊飯器の目盛りをみて水を入れ、30分〜1時間、水を吸わせてからスイッチを入れます。
 炊き上がったら10分間、むらします。最近の炊飯器は、むらし機能がついていて便利。
 むらしたら、しゃもじでご飯を底から丁寧にほぐします。こうすると余分な水蒸気がにげて、ふっくらしたご飯になります。

 お米を手早く洗うのはヌカ臭さをとるため。お米に水を吸わせるのは米粒の中心まで平均に熱が伝わり、おいしいご飯になるからです。

 <2005年4月15日>
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<2> お粥をたいてみよう

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 からだの調子が悪いときに食べる水けの多い、やわらかいご飯がお粥(かゆ)です。
 たきたてのアツアツはとてもおいしく、梅干やおしょうゆ味の卵の黄身などといっしょに食べると元気が出てきます。朝食にお粥を食べる習慣のところも多く、奈良県の人たちの茶粥は有名です。

 通常の粥の作り方

 鍋に洗った米の六〜七倍の水を入れて火にかけ、ふっとうしたらフタをずらします。水が煮えてくると、「おもゆ」というとろみのある水が出るので、その「おもゆ」がふきこぼれないように注意しながら、ゆっくりとたきます。たきあがったとき「おもゆ」がたっぷりとあるのがおいしい粥で、上下をかき混ぜて茶わんによそいます。この方法だと火加減によって変わりますが、米一合で二十五分くらいかかります。

 ※「おもゆ」のことをオネバといい、オネバをこぼさないようにたくのが女の人の腕の見せどころでした。

 即席だきの粥

 できれば、熱の伝わりかたがゆるやかな、土鍋や厚手の鍋を使います。湯とご飯を入れ、中火にかけて、ふっとうしたら弱火にし、ゆっくり煮ます。湯の量を多くすればやわらかく、少なければ固めの粥になります。ご飯の三倍ぐらいの湯がよいでしょう。

 おいしくたくコツは

 途中でかき混ぜないことです。うっかりかき混ぜると、焦げ付きの原因になり、せっかくのお粥がまずくなってしまいます。鍋は、「おもゆ」がふきこぼれにくい、少し深めものがたきやすいでしょう。

 茶葉を小袋に入れてたくと茶粥ができます。

 <2005年5月7日>
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<3> モチはどうやってつくのかな?

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 うれしい事があると、モチつきをする習慣が日本の各地にあり、とくに正月はお雑煮用「のしモチ」や「寒モチ」「かきモチ」、あられ用などたくさんつきました。お祝い事には紅白のモチを配ったものです。今でこそ、お店で買ったり、機械で作ったりするモチですが、昔はどうやって作ったのでしょうか?

 モチができるまで

 米にはウルチ米とモチ米がありますが、モチはモチ米で作ります。

 まず、モチ米をよく研ぎ、三時間以上水につけてから、ザルにあけて水けをきり、セイロに入れます。
 釜にたっぷりの湯を沸かし、その上にセイロをのせ強火で蒸します。
 モチ米が指先で簡単につぶれるようになったら臼に入れ、杵で周りからギュウギュウ押しつぶします。
 ねばりが出たら、つく人とこねる人が呼吸を合わせながら、ペッタンペッタンとつきます。こねる人を「こねどり」または「てがえし」などといいます。
 つきあげたモチは、トリ粉をふった板にとります。
 適当(てきとう)な厚さにのばしたのが「のしモチ」、大きい丸形は「鏡モチ(おそなえモチ)」です。のしモチは切って使うので「切りモチ」ともいいます。

 モチつき用の道具

 蒸籠(せいろ)
 釜(かま)
 臼(うす)
 杵(きね)
 大きめのボウル
 米あげザル
 のし板
 ガスコンロなど

 <2005年5月20日>
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<4> お赤飯をふかしましょう

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 おめでたいことがあるとモチ米に小豆(あずき)を混ぜたご飯をふかします。ふかすは蒸(む)すと同じ意味です。蒸したモチ米は、たいたご飯と比べると少し固いのですが、モチ米のでんぷんの性質が米と違うのでおいしいのです。固いので「おこわ(強飯)ともいいます。

 セイロを使わずに、ご飯のようにたく方法もあります。これは「たきおこわ」といい、家庭の炊飯器でおいしくできます。

 お赤飯の作り方(5〜6人分)

 @小豆を洗って小鍋に入れ、水約一カップをたして20分ほど煮ます(煮汁はとっておく)。
 Aモチ米を洗い、とっておいた豆の煮汁に水を5〜6カップ足した中につけます。3〜4時間して、モチ米に豆の色がついたらザルにあけ、ゆでた小豆を混(ま)ぜます。米を浸していた「つけ汁」はとっておきます。
 Bセイロに目のあらい布巾(ふきん)をしき、小豆入りのモチ米を入れ、中央を少し低く平らにひろげ、強火で蒸します。蒸気(じょうき)が上に抜けてから約10分後に、とっておいた「つけ汁」を振ります。「つけ汁」を捨ててしまった場合は水でも大丈夫です。
 C蒸気が上がってからもう一度振り水をし、火にかけてから約35分前後でできあがります。飯台(はんだい)にあけて、うちわであおぎ、さますとツヤがでておいしそう。

 赤飯に使うのは「アズキ」? 「ササゲ」?

 このたび、読者の方からたいへん貴重なご意見を頂戴しました。「前回の『お赤飯』の記事の中で使われている『アズキ』は本来『ササゲ』ではないか?」とのご指摘です。

 確かにそうですが、アズキも間違いではありません。

 ササゲを使う理由は、アズキより豆がかたいので皮が切れにくく、煮やすいからで、皮が切れると赤飯が見苦しくなり、武家社会の名残りで切腹といって嫌いました。

 千葉県の農家では自家生産のササゲで作るのが圧倒的に多いようですが、家庭では作る量も少ないので、早く煮えるアズキが一般的です。学校で指導する場合は指導者の好みで選ぶようです。

 参考までに他県の赤飯についても調べてみたところ、アズキがかなり使われていました。

 使い慣れた豆(ササゲ、アズキ)を使うのが、失敗なくおいしい赤飯ができるということですね。

 <2005年6月3日>
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<5> おすしについて

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 おすしはむかしから食べられていて、各地に名物すしが数多くあります。私達がふだん食べているおすしは早ずしといい、酢などで味をつけたご飯に魚や野菜などを組み合わせた食べものです。昔はとくにお祝いの時のごちそうとして作られていました。今は家で作るだけでなく、お店で食べたり買ってきたり、いつでも食べられます。

 いろいろな種類のおすしがありますが、家で作ったりお店やスーパーで見られるものには、にぎりずし・巻きずし・いなりずし・ちらしずしなどがあります。

 おすしで大切なことははすし飯づくりです。ごはんは炊飯器(すいはんき)のすしの水加減の印に合わせて、水を少なくして固めにたきます。酢と砂糖と塩で「合わせ酢」を作り、たきあがったごはんによく混ぜます。うちわであおぎながら、しゃもじで切るように混ぜて冷まします。

 煮ておいた油揚げにすし飯をつめたら「いなりずし」、のりの上にすし飯をひろげて好みの具をおいて巻いたら「巻きずし」、すし飯にいろいろな具を混ぜたら「ちらしずし」ができあがります。

 食料品売り場に、煮たかんぴょうや油揚げが売られていますので利用すると手軽に作れます。

 すし飯ができて、具の用意ができればすしは半分以上完成です。楽しみながら作ってみましょう。

 <2005年6月17日>
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<6> 千葉県の太巻きずし

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 千葉県の太巻きずしは、包丁で切ると、切り口に花やチョウなどいろいろな模様があらわれます。この太巻きずしは千葉県どこでも作られていたわけではありません。昔、上総(かずさ)地方といわれたところで、お祭りなどたくさんの人が集まる時に作られていました。米をつくる農家の人々が考えて今に伝えられている巻きずしです。家庭で作られる巻きずしで、お店などでは売られていませんでしたが、最近は産地直売所などで買えるようになりました。

 上手に顔を作るには…

 太巻きずしは卵焼きで巻いた卵巻きと、のりで巻いたのり巻きがあります。模様は煮たかんぴょうや青菜、桜でんぶ、チーズなどを使って表します。

 作るときに基本となる技術は、山をつくる・うず巻きをつくる・極細(ごくぼそ)巻きをつくる・積み上げるという四つです。この基本を組み合わせることで、いろいろな模様ができあがります。

 太巻きずしの特徴は、模様を逆さにしてつくるところです。顔の作り方を例にすると、のりの上にご飯を広げ、まゆ毛・目・鼻・口の順で組み立てます。最後にのりを合わせてとじたところが下になります。考えていたようにできあがると、とてもうれしいものです。

 みなさんも作ったり、新しい模様を考えてみたりしませんか。つくり方については、千葉県立衛生短大栄養学科・杉ア(☎043・272・2986番)までお問い合わせください。

 <2005年7月1日>
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<7> 行徳のぼたもちはおもしろい

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 春と秋のお彼岸(ひがん)や、赤ちゃんが生まれて三日目に行う三つめの行事、仕事が一段落したときなどに、おはぎをつくります。おはぎとぼたもち、どちらが正しい? などと話題になりますが、季節的に春から初夏にはぼたもち、秋になって作ったものはおはぎというようです。

 日本各地にはいろいろなおはぎがあり、もち米だけのもの、もち米とうるち米を混ぜたもの、もろこし粉(こ)やさといも、じゃがいも、さつまいもをついてまぜたものもあります。この丸めたご飯を包む“あん”は、あずきの“こしあん”や“つぶあん”、きなこ、すりゴマ、すりつぶした枝豆(ズンダ)が多く、地方にはエゴマやササゲの“あん”もみられます。

 おはぎ(ぼたもち)は丸めるものばかりではなく、成田や船橋の一部と市川の行徳地域では、重箱に“あん”、ご飯、“あん”と三段につめて、親せきや知人宅に配ったそうです。いただくほうは、これをしゃもじで切り分け、それぞれ皿に盛り、おいしく食べました。このほうが人数に関係なく分けやすいとか。丸める手間がはぶかれていて、一見手抜きのようですが、おつきあいの多い時代の合理性がみえますね。私も試作してみましたが、友人たちに好評でした。

 <2005年7月15日>
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<8> 豆は変身野菜です

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 豆というと何を連想しますか?

 春から秋にかけて野菜売り場にはソラマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、エダマメなど、野菜として食べる豆が並び、秋になるとこの豆はかたい豆に変身して乾物の売り場に並びます。ダイズ、クロマメ、ウズラマメ、キントキマメ、アズキ、ササゲなどに外国産の豆も加わりにぎやかです。

 豆には若いときは野菜としてサヤごと食べるものと、熟してから豆だけを食べるものがあります。エダマメとソラマメのサヤは食べられません。関西ではササゲの若いものを十六(十八)ササゲといい、サヤインゲンのようにして食べます。グリーンピースは実を十分太らせて料理のつけ合わせやビースご飯にするので昔からおなじみですね。

 最近はスナックエンドウやモロッコインゲンなど外国種も出まわっています。完熟すると豆になるものは他の野菜よりビタミンB1・B2・C、βカロチンが多いのです。ゆでて食べるほか、煮物、揚げ物、サラダやあえものがおすすめです。

 <2005年8月19日>
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<9> 豆を水に浸すのはなぜ

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 畑で熟した豆は乾燥させて保存します。乾燥している豆はとても固いのでやわらかくしないと食べられません。豆は水を吸うと熱が伝わりやすくなり、やわらかく煮えます。水につけてもどしやわらかくゆでることから豆の料理が始まります。

 これ以上水を吸わなくなる時間までつけておくと早くやわらかくなりますが、煮ている時にも水を吸うので、たんぱく質の多い大豆で6〜8時間、でんぷんの多いインゲン豆(金時豆やうずら豆など)、エンドウ豆などは2〜4時間くらい水につけます。夏は水の温度が高いので短めにします。

 水を入れて直ぐに煮てよい豆はアズギやササゲです。豆をやわらかくするこつは、厚手の鍋を使い、たっぷりの水でゆっくり煮ることです。たんぱく質と脂質の多い大豆や落花生は、水につけず煎って食べられます。

 ゆで方の例です。アズキは豆の3倍くらいの水を入れて火にかけ、沸騰してきたら水をいれます。これをビックリ水(さし水)という、豆をやわらかくする効果があります。再び沸騰してきたらざるにあげて湯を捨てます(ゆでこぼす)。新しい水で、指でつぶれるくらいやわらかくなるまでゆでます。

 豆は煮豆だけでなく、豆ご飯や煮物、揚げ物、グラタンやサラダなどいろいろな料理に使えます。秋には千葉県で作られた、たくさんの新豆が出回ります。おいしい豆料理にチャレンジしてみましょう。

 <2005年9月2日>
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<10> キッチンの粉たち

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 料理を作る時は魚や肉、卵のほかにいろいろな『粉』を使います。粉は料理の味つけと、オイシク作るためになくてはならないもので、キッチンにはたくさんの粉が用意されています。これらは原料によって白・黄・赤・緑・茶・黒・クリーム色などまことにカラフルできれいです。

 米を粉にしたものが「しんこ」、もち米は「白玉粉」、小麦は「小麦粉」、そばは「そば粉」、つまり米以外の穀類は粉にして使います。じゃがいもは片栗粉(でんぷん)、とうもろこしはコンスターチの原料です。大豆からきな粉、カカオからココアが作られます。砂糖はサトウキビの汁を煮詰めて乾燥させたもの、粉末の調味料も粉の仲間で、味つけに活躍します。
片栗粉やコンスターチは料理の仕上がりをよくしてくれます。つまり粉たちは料理の名脇役です。

 米の粉である上新粉や白玉粉でだんご・柏餅(かしわもち)・桜餅(さくらもち)など和菓子が作られ、最近は米粉を使ったパンやケーキも登場しています。ここでは粉が主役として使われています。

 「白玉だんごの作り方」

 白玉粉1カップに牛乳1/2カップを入れてよくこね丸めて茹(ゆ)でれば、カルシウム豊富な白玉だんごが作れます。

 ※皆さんのキッチンで眠っている粉たちに活躍してもらい、おいしい料理やデザートを作ってみましょう。

 さて、一般的な小麦粉はどのように使われるのでしょうね?(次回に続きます。お楽しみに。)

 <2005年9月16日>
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<11> 小麦粉は世界の食べ物

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 日本の食事はご飯と味噌汁とおかずという形でお米が主役です。外国でもお米を食べる国はありますが、たくさんの国が小麦を粉(小麦粉)にし、加工して主食にしています。その代表が食パンやフランスパンですが、最近はエスニックブームで、その他の変わったパンの仲間を見ることが多くなりました。

 日本に食べ物の影響を多く与えた中国では、北部でマントウ(中華まん)やピン(もち)、南部で麺(めん)として発達し、全土に広がりました。日本には戦後、この各地から引きあげた人々により、春巻きやギョウザが紹介されたのです。

 インド、パキスタン、アフガニスタン、イランでは、チャパティや、いろいろなナンが焼かれています。さらに西方には、ナンを紙のように薄く焼いたタンナワー、地中海に面したアフリカにはアラブパンがあり、そして西欧のパンにたどりつきます。このように、小麦は地球上のたくさんの人間の生活を支えてくれる大切な食べ物なのです。

 <2005年9月30日>
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<12> 里芋と日本人

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 里芋は奈良時代に日本に伝えられ、日本人にとって大事な食べ物のひとつです。名前の由来は、山でとれるイモに対して、里で作られるからと言われています。里芋には色々な種類があり、大きく育った親イモを食べるものと、親イモの周りに育った子イモを食べるものがあります。食べた時にねっとり感じるのは子イモが多いようです。

 煮物や汁物のほかに、河原での芋煮会、お月見の衣かつぎなど、郷土料理や伝統行事の料理に使われます。親イモ・子イモ・孫イモと増え、子孫繁栄で縁起がよいと、お正月のおせち料理や雑煮にも欠かせません。

 里芋で手がかゆくなるのは、シュウ酸カルシウムの針状結晶が刺激するためです。ぬめりはガラクタン(多糖質)とタンパク質が結合したもので、煮ている時にふきこぼれる原因になります。塩もみしたり、塩や酢を入れてゆでたりすると防げるようです。先に調味料を入れて煮るのも効果があります。

 煮物のつくり方

 里芋の皮をむき、一度ゆでて、だし汁8、しょうゆ1、みりん1の割合で作ったたっぷりの煮汁で煮ます。仕上げにゆずの皮のすりおろしを入れると風味が良くなります。

 手軽な食べ方

 里芋を1個ずつラップで包み、4分ほど電子レンジにかけます。皮をむいて練り味噌などで食べる方法もありますが、フォークでつぶして味噌とみじん切りのネギを混ぜて小判型にまとめ、ピザ用チーズをのせてオーブントースターで焼くチーズ焼きもおいしいです。

 里芋は寒さに弱いので、15℃ぐらいの部屋で保存して下さい。

 <2005年11月4日>
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<13> おせち料理を見直そう

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 秋が深まると、木枯らしがお正月を運んできます。正月といえば、おせち料理。近ごろはきんとん、かまぼこ、だて巻きなどが加わり華やかですが、昔は祝い肴(ざかな)など、身近な安い材料でお祝いしました。

 祝い肴とは、クロマメ、数の子、ゴマメなどのことで、地域により少し違います。クロマメは「マメに暮せるように」というもので、ゴロ合わせ。数の子はニシンの卵で、「多くのよい子に恵まれるように」との願いが込められています。ゴマメは、カタクチイワシを干したもの。田植えのときに肥料にしたら米がたくさんとれたことから、“田作り”ともいい、今年の豊作を願う気持ちが込められています。

 千葉県の外房地方はたくさんのイワシがとれ、干して関西地方に肥料として出荷しました。正月用のゴマメも良質なものが手に入り、家々で自慢のゴマメ作りをしていました。

 甘さ控えめゴマメの作り方

 <材料>
 ゴマメ…50g
 砂糖…大さじ2杯
 みりん…大さじ1杯
 しょうゆ…大さじ1杯
 酒…大さじ1杯

 ゴマメを三回くらいに分け、厚手の鍋を使い、弱火でゆっくり、ポキンと折れるようになるまで炒(い)ります。
 右記調味料を火にかけ、細かい泡がでてきたら火を止め、炒ったゴマメをまぜ、手早く器に広げて冷まします。
 白ゴマや、きざんだピーナツ、アーモンドなどをふりまぜれば、最高のお正月になります。七味とうがらしをふってもよいでしょう。

 <2005年11月18日>
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<14> 麺のいろいろ

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 小麦、そば、米など穀類の粉に水を加えてこね、細長い線状にしたものを麺類と呼びます。うどん・そば・中華麺・韓国麺・スパゲティ・ビーフンなどたくさんの種類があり、群馬の「お切り込み」や山梨の「ほうとう」など、有名な郷土料理になった麺もあります。

 中華麺の独特の食感は、こねる時に入れる“カンスイ”で作られます。つるりとした韓国麺の材料は、そば粉とでんぷん。ともに人気の麺です。

 ラーメンは日本独特のもので、中国で食べられている拉麺と同じではありません。インスタントラーメンは、日本人が考え出した画期的な食品。小鉢に入れた生卵の黄身に小さな穴をあけ、電子レンジで1分、ほうれん草1株を洗ってラップで包み1分加熱し、焼き海苔と麺をトッピングをすると、いつもと少し違った麺になります。

 そばつゆを作ろう

 さて、今年も残すところあとわずか。おおみそかには年越しそばを食べる家庭も多いでしょう。そこで今回は、そばつゆの作り方を紹介します。
 水:しょうゆ:みりんを4:1:1の割合で鍋に入れ、サバ節やカツオ節の厚けずりをたっぷり入れ (水4カップの時で100g)煮立ったら火を止めます。
 けずり節が沈むのを待って漉(こ)します。かけそばにする時は薄めてください。

 ※そばだけでなく、そうめんやうどん、肉じゃがなどの煮物にも利用できます。多めに作って冷蔵庫に入れておくと便利ですよ。

 <2005年12月2日>
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<15> お魚づくしの手まり歌

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 三番瀬で働いている漁師たちの生活を調査しているとき、偶然、『お魚づくしの手毬(まり)歌』を見つけました。この歌は、昭和初期頃(ごろ)に作られたといわれており、作詞は東葛飾郡船橋町九日市(当時)に住んでいた川畑さん、作曲は高岡了樹さんです。

 実は、この歌の中には、東京湾でとれる魚だけではなく、当時の人々が食べていた魚介類が読み込まれています。

 その数は、こじつけもありますが、全部で21種類。みんなで探してみましょう。

 お魚づくしの手まり歌

 とんとん隣の魚屋さん
 お魚づくしのお正月
 明けて元旦おめでたい
 真っ黒まぐろの紋付で
 仙台ひらめのお袴で
 いかにも立派な旦那ぶり
 なかでもいなせなかながしら
 朝から年始にくるまえび
 ぼうぼうさんまのご馳走で
 お顔は赤いさくらえび
 あゆめばあちこち千鳥あし
 いずれゆっくりあがります
 今日はこれにてさよりなら
 まずまず一かんかし申した

 <2005年12月17日>
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<16> お雑煮

千葉伝統郷土料理研究会長・龍ア英子


イラスト・三橋 早苗
 新年行事の献立のなかでもっとも大切な食べものが元旦の朝、家族そろって祝うお雑煮(ぞうに)です。おわんのなかにモチと野菜、トリ肉などが入った汁で、家ごとに違います。文化の古い関西地方は古風な丸モチにみそ味の汁。これに対し、関東では略式の切りモチにすまし汁です。他の材料は、その土地ですぐ手に入るものを使います。

 千葉県のお雑煮は、どこでも汁はカツオ節のすまし汁ですが、具は小松菜が主の「江戸風」(武家風とも)、サトイモ中心の「黒潮風」(黒潮に面した地方)、油あげや切りコンブ入りの「利根風」(利根川沿岸)、ハバノリとカツオ節の「フリカケ風」(九十九里から千葉市まで)と、大きく四種類に分けることができます。

 市川や船橋のお雑煮は江戸風をアレンジしたもので、東葛の三つ葉、三番瀬のノリにカマボコ(ナルト)、トリ肉が使われます。

 それぞれの家庭のお雑煮を見ると、ご両親の出身地がほぼわかるといわれ、遠く離れても正月だけは、故郷のお雑煮が一番愛着が強いのですね。

 お正月はアツアツの具がたくさん入ったお汁に、焼きたてのモチ。これで元気に

 「明けましておめでとう」

 <2006年1月3日>
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<17> 真間の手児奈は何を食べていたのだろう
(貝と魚の調理法)

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 『真間の手児奈』を詠んだ詩が万葉集の中に収められていますので、手児奈が生きていたのはそれ以前だと思われます。考古学の発掘調査によると、その頃は穀類・豆類・野菜・海藻・魚・肉・果物などが食べられていましたが、現代の食品と同じ物もあれば異なったものもあったようです。

 食事は米またはアワ、ヒエを主食に、魚や貝、肉、野菜のおかずを食べていたと考えられています。この頃(ころ)の真間は入り江で魚や貝が捕れ、生で食べられていたでしょう。調理する場合は、煮る方法が多かったようです。塩は使われていましたが他の調味料は後の時代になって登場しますので、手児奈は塩味の貝の汁・塩味の焼き魚をたべていたでしょう。

 さて、ここでは現代版に置き換えて、貝と魚の料理を紹介します。

 貝の料理

 「あさりのふうかし」、味噌(みそ)汁のことです。作り方は、アサリは塩水に漬けておいて砂をはかせてから良く洗います。鍋に水と一緒に入れて火にかけ、沸騰したら味噌を入れて火を止めます。味噌を控えめに入れてください。

 魚の料理

 鮭のホイル焼きを作って見ましょう。アルミ箔の内側にバターを塗り、塩こしょうをした鮭としめじ、薄切りの玉ねぎをのせ包んで焼きます。オーブントースターで十五分くらいで焼けます。

 『お魚づくしの手まり歌』に隠された魚介類は?

 12月17日号に掲載しました「お魚づくしの手まり歌」に隠れていた魚介類は、タイ、クロマグロ、ヒラメ、イカ、カニ、ブリ、イナ、カナガシラ、シイラ、クルマエビ、ボウボウ、サンマ、アカエイ、サクラエビ、アユ、メバル、コチ、アジ、マス、サヨリ、シタビラメでした。

 <2006年1月20日>
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<18> 1月からは食べる行事が多い<1>

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 日本には、正月、節分、ひな祭り、こどもの日など「四季折々の行事」や、山の神、田の神をはじめ神様に農作物の豊作を祈る「収穫に感謝する行事」、「大漁を祈る行事」など、毎年決まった日に、決まって行われる年中行事がたくさんあります。このような行事の日を「はれの日」といって、特別な食べ物を食べます。この時の食べ物を「行事食」と呼んでいます。

 正月を過ぎると食べる行事が続きます。正月はお雑煮(ぞうに)やおせち料理、7日は七草で七草がゆ、11日は鏡開きでお汁粉(しるこ)、15日は小正月で小豆がゆを食べます。ほかにも恵比須(えびす)講や女正月などの行事もあります。

 2月の節分は季節の節目にあたり、翌日は立春です。この日各家庭で、煎(い)った大豆が鬼を追い払うのに活躍しますが、大豆が残ったら、豆の皮をむいて炊き込みご飯にすると香ばしい煎り豆ごはんができます。

 ミルクのかくれんぼ・汁粉の作り方

 立春が過ぎても寒い日が続きます。お汁粉でお腹の中から温まってみませんか。手軽にできる「ミルクのかくれんぼ汁粉」をご紹介します。

 @ゆであずきの缶をあけ鍋に入れ、牛乳(缶に入るくらい)でのばしてあたためます。
 A白玉粉に牛乳を入れてこねます。好みの大きさに丸め、熱湯でゆでます。
 B出来上がった白玉団子をゆであずきに入れれば出来上がりです。

 食べる行事は次回に続きます。

 <2006年2月3日>
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<19> 1月からは食べる行事が多い<2>

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 行事食で必ず食べるものには、それぞれに意味があります。例えば節分では、大豆は鬼を退治するため。焼いたイワシをヒイラギの枝にさして戸口に飾るのは、イワシを焼く時のイヤな臭いで鬼をはらうためと、ヒイラギの葉のギザギザで鬼の目を突くためという意味があります。

 立春を過ぎると春を楽しむように、ひな祭りのおすしや桜モチ、彼岸のボタモチ、入学(園)式の赤飯や鯛の塩焼き、花見の弁当、こどもの日の粽(ちまき)や柏モチと、食べる行事がたくさんあります。

 ひな祭りにおすしを食べることが多いのは、このころからおすしがおいしく感じられるようになるからで、巻きずしや散らしずしが作られます。桜モチは、関西風は道明寺(どうみょうじ)粉、関東風は小麦粉と白玉粉を使うという違いがあります。

 行事の食事は、昔から楽しみにしていた食事です。伝えられた習慣に新しい習慣が加わり変化してきていますが、伝統行事の大切さや、季節の変化を感じながら楽しみましょう。

 関東風の桜モチを作ってみよう(20個分)

 @小麦粉100gと白玉粉20g、砂糖30gを混ぜ、水200ccで溶きます。
 A @の適量を取り、おたまの裏側で楕円(だえん)形にのばしながらホットプレートで焼きます。
 B色に透明感がでてきたら盆ざるにとり冷まし、俵型に丸めた餡(あん)を包み、桜の葉で巻きます。

 ※桜の葉が美しい季節になったら、木から直接とった葉で作るのも楽しいです。

 <2006年2月17日>
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<20> 卵を割ってみよう(白身と黄身はどこが違う?)

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 卵はヒナが育つために必要な栄養素が含まれているので、栄養価の高い食品です。卵の殻の中では、黄身を粘りの強い白身が包み、その外側に粘りの弱い白身があります。卵を割ってお皿に出したときに観察してみましょう。白身と黄身には含まれている成分や、性質に違いがあります。白身はたんぱく質、黄身はたんぱく質と脂質です。

 卵には気泡性・乳化性・凝固性という特徴のある性質があります。

 気泡性は白身がもっている“泡立つ性質”で、ケーキなどを作る時に利用しています。

 乳化性は黄身に含まれるレシチンの働きによる性質で、水と油が混ざり合うことを乳化といいます。マヨネーズは卵の乳化性を利用した食品です。

 凝固性は熱を加えると固まる性質をいいますが、卵の固まる温度は白身と黄身で違います。白身は62℃で固まり始め、黄身は70℃以上にならないと固まりません。この温度の違いを利用して65℃前後で30分保つと半熟になり温泉卵ができ上がります。固ゆで卵を作るときは沸騰してから10分です。卵は出し汁などで薄めても固まるので次回に紹介します。

 温泉卵を作ってみよう

 大きめのふたつきの丼に卵を入れ、熱湯を卵の上までたっぷり(500ミリリットルくらい)注ぎます。ふたをして20分から25分置いておけば、温泉卵のできあがりです。

 <2006年3月3日>
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<21> ドンブリで簡単に茶碗蒸しを作る

千葉伝統郷土料理研究会・杉ア幸子


イラスト・三橋 早苗
 卵は熱によって固まる性質があり、水(だし汁など)で薄めると、いろいろな固まり方をします。卵と薄める水の量を割合で覚えておくと失敗なく作れます。例えば、「湯のみ1杯の卵に対して湯のみ3杯分のだし汁」というように量ればよいのです。

 1番固いのは卵1杯にだし汁1杯で作る卵豆腐。この割合で固めると、器から出しても形が崩れず、包丁で切って器に盛り付けることができます。2番目に固いのは、卵1杯に牛乳2杯のプリン。この割合では、器から出すとプルンとして形は保ちますが、壊れやすい固さです。3番目は卵1杯にだし汁3〜4杯を混ぜる茶碗蒸し。この割合では、器から出すと形が崩れてしまいます。

 どの割合の場合でも、作るときは蒸し器を使いますが、蒸し器の中の温度が高すぎると、“すだち”といって穴がたくさんできたようになってしまいます。蒸気を逃がしながら90℃位の温度を保つと、なめらかに仕上がります。

 洋風茶碗蒸しを作ろう

 @卵3個に固形コンソメ2個を溶かしてスープ450tを作ります。
 A @のスープに、戻したワカメ・ハム・エノキダケを加え、ドンブリに入れます。
 B Aを蒸気の上がっている蒸し器で20分蒸します。

 ※蒸し器がない場合は、ドンブリにラップをかぶせ、湯が入った大きな鍋に入れて火にかけます(これを“湯せん”といいます)。沸騰したら弱火にし、10分加熱→5分休憩を2回繰り返して出来上がりです。

 大きなスプーンで取り分けて食べましょう。

 <2006年3月17日>
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<22> 市川の給食・タケノコ

千葉伝統郷土料理研究会・大河原悦子


イラスト・三橋 早苗
 春の野菜といえばタケノコ。一旬(10日ほど)で大きくなることから筍(タケノコ)と言われ、一晩で1mも伸びるほどの成長の早さは驚きです。

 さて、市川にタケノコの産地があるのは皆さんご存知ですか。今から20年ほど前、大町地区で山をきれいにする目的で栽培するようになりました。そして学校の給食に使い始めたのは8年前。市の農水産課と大町の生産者、農協(JA市川)の方々の協力で実現しました。その頃はまだ「地元で採れたものを地元で食べる」という“地産地消”のよさがわかってもらえず、「なぜ、学校給食で値段が高いタケノコを使うのか」と言う人もいましたが、生産者の思いをみんなに伝えるため、私たち学校栄養士が立ち上がりました。今では市内ほとんどの学校で、給食の献立に登場しています。

 この取り組みのメリットは何といっても新鮮なタケノコが使えること。朝採りタケノコを使った「若竹汁」は最高です。皮をむき、ゆでずにそのまま千切りしたタケノコをかつお節のダシで煮て、やわらかくなったら豆腐、ワカメを入れ味噌味に仕上げます。シャキシャキとした歯ざわりと、何ともいえない春の香りが口の中いっぱいに広がります。市川の子供たちのためにと、朝早くからタケノコを掘ってくれる生産者や運んでくれる農協の皆さんに、感謝しながら「いただきま〜す」。

 <2006年4月7日>
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<23> 簡単朝ごはん・チーズ納豆ごはん

千葉伝統郷土料理研究会・大河原悦子


イラスト・三橋 早苗
 夢いっぱいの新学期が始まりました。みなさん、朝ごはんを食べて登校していますか。朝ごはんを食べないと頭がぼーっとし、元気も出ません。実際に調べてみたところ、朝ごはんを食べない人は食べた人にくらべて学力テストの成績や運動能力も悪かったという結果も出ています。(千葉県学力状況調査結果より)

 朝ごはんには3つのめざましスイッチをいれてくれる働きがあります。1つ目は脳に栄養を送り頭がめざめるスイッチ、2つ目は体温を上げてからだ全体がめざめる活動のスイッチ、3つ目はおなかの中がめざめウンチが出るスイッチです。このスイッチを入れるためにはしっかりとバランスよく食べなくてはいけません。

 そこで毎月第3週目は簡単でおいしい朝ごはんを紹介していきます。今月は「チーズ納豆ごはん」。納豆1パックに細かく切ったスライスチーズ1枚、シラススプーン1ぱい、細かくちぎったノリ2分の1枚、ゆでたホウレンソウやネギなどの野菜を入れ、納豆についてくるしょうゆを少し入れて良く混ぜればでき上がり。それに豆腐とワカメのみそ汁をつければ栄養満点です。

 朝ごはんをしっかり食べて1日を元気にスタートさせましょう。

 <2006年4月14日>
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<24> 市川の給食・キャベツ

千葉伝統郷土料理研究会・谷地智恵


イラスト・三橋 早苗
 キャベツといえば、あま〜い、あま〜い春キャベツ。どんな料理にしようか、夢は広がります!

 給食でお世話になっている生産者の畑で、二年生と一緒にキャベツの収穫をしたことがあります。そのとき、「どうしてキャベツは丸いの?」「キャベツの花は咲くの?」など、大人では考えつかないような質問が出ましたが、生産者の方は丁寧に答えてくれました。

 キャベツは、芽が出て双葉から十枚目ぐらいまでの葉っぱは、平らに外側に伸びます。その後、寒さ対策として茎(くき)を伸ばさずに、内側にどんどん新しい葉っぱが出てくるので、中心に向って丸まり球のようになるのです。

 キャベツを収穫しないでそのままにしておくと、伸びていなかった茎の先が伸びて花を咲かせます。葉っぱが出て花が咲くのは、形が違ってもほかの植物と同じですね。

 二年生が収穫したおいしいキャベツは、給食で一番味がわかるようにコールスローサラダにしました。今年はどんな給食メニューで使いましょう!とても楽しみです。

 コールスローの作り方

 キャベツ4〜5枚、ニンジン少々、キュウリ1本、ハム2〜3枚を千切りにします。
 これを、酢大さじ2杯、塩コショウ少々、砂糖小さじ1杯、サラダ油大さじ3杯を混ぜたドレッシングで和えるだけ。とても簡単なサラダです。

 キャベツは千切りにした後、水に10分ほどひたすとパリッとします。
 ドレッシングは、サラダ油の代わりにタマネギのすりおろしを小さじ1杯入れると、ノンオイルになります。

 <2006年5月2日>
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<25> 簡単朝ごはん・旬の野菜と豆乳スープ

千葉伝統郷土料理研究会・谷地智恵


イラスト・三橋 早苗
 大人も子供たちも、4月は新生活のスタートで少し疲れ気味ですね。こういうときこそ、朝食をきちんと食べたいものです。特に朝食では野菜が摂(と)りにくいので、みそ汁やスープの具を多く入れるように工夫すると、意外に野菜も食べやすくなります。いま、最もおいしい旬の野菜と豆乳を使ったスペシャルスープを紹介しましょう。

 〈材料〉

 新キャベツ5枚
 新ジャガイモ(中)1個
 ニンジン半分
 ニンニク1片
 固形スープ2個
 豆乳2カップ
 水1カップ
 塩コショウ少々

 〈作り方〉

 @野菜を角切り、ベーコンは1a角、ニンニクは薄切りにして、少量の油で炒めます。
 A @に固形スープと水を加え、野菜が柔らかくなったら豆乳を入れます。味を整えたらできあがり。豆乳は煮つめないように気をつけてください。
 ※豆乳の嫌いな人でも、加熱してあるので食べやすいスープになります。

 学校給食では、調理のつなぎやシチューに使っていた牛乳を、ヘルシーで栄養価の高い豆乳に替えて使用したりしています。5月のメニューには、旬のキャベツがにぎやかに登場します。定番のサラダやスープはもちろんのこと、キャベツのメンチが子供たちの大好きな料理になっています。

 <2006年5月19日>
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<26> 市川の給食・ゆでたソラ豆

千葉伝統郷土料理研究会・山口由紀子


イラスト・三橋 早苗
 ソラ豆のおいしい季節になりました。ソラ豆は、空に向かってサヤが育つので「空豆(そらまめ)」とよばれています。また、形が蚕(かいこ)に似ているので「蚕豆(そらまめ)」とも書きます。

 量は少ないけれども、ソラ豆は市川でも栽培されており、学校に畑から抜きたてのものが届きます。子供たちがサヤから豆をむくと、「本当だぁ! 空に向かっている」「うわ〜、ふわふわのベッドだぁ。気持ちい〜」「おいしく食べるからね」など、さまざまな発見とつぶやきが聞こえてきます。給食ではゆでたものを配り、味・香りを楽しみながら、いただいています。

 ソラ豆調理のポイント

 そら豆を買うときは、サヤの色が濃くシワのないものや、サヤを押してみて弾力があるものを選びましょう。「そら豆がおいしいのは、収穫して3日間だけ」といわれています。サヤから出すと急激に鮮度が落ちるので、調理する直前にむくようにしましょう。
 茹(ゆ)でるときのポイントは、沸騰したときに少し塩を入れ、豆を入れて皮がプーっとふくれてきたら茹で上がり。新鮮なものは1分もかかりません。茹ですぎるとウマ味も半減するので、注意しましょう。

 皮をむいて食べますが、豆が若く新鮮なものは皮ごと食べてもおいしいです。熟(う)れて頭のところが黒くなってきたものを「おはぐろ」といいます。そこを包丁でそぎ取り、茹でてからしょうゆと砂糖でやわらかく煮ると、ひと味違ったおいしいおかずとなります。

 <2006年6月2日>
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<27> 簡単朝ごはん・アサリのクリームパスタ

千葉伝統郷土料理研究会・谷地智恵


イラスト・三橋 早苗
 時間に追われて忙しい朝は、簡単で早く作れる朝食がうれしいですね。なのに、朝からパスタをゆでる? と思ってしまいますが、今回は包丁を使わず、お鍋一つでできるパスタを紹介しましょう。これは大柏小学校で紹介され、大変好評だったものです。

〈材料〉

 スパゲティ…280g
 ミックスベジタブル…160g
 ツナ缶…50g
 アサリむき身…30g
 牛乳…3カップ
 水…3カップ
 固形スープ…1個
 塩・コショウ…少々

〈作り方〉

 @牛乳と水3カップずつを鍋に入れ、火にかける。煮立ったらスパゲティを入れる。
 Aスパゲティがゆであがる1分前に、ミックスベジタブル、ツナ、アサリ、固形スープを入れる。塩、コショウで味を整えてできあがり。アサリは水煮の缶詰を使うと便利です。
 ※スパゲティはマカロニにしてもいいですね。今回は具にアサリを入れてみました。

 学校給食では、鉄分の多いアサリをよく使います。たとえば、炊き込みご飯やシチュー類、肉団子、かき揚げなど。鉄分は摂(と)りにくい栄養素ですが、タンバク質やビタミンCを含む食品といっしょに食べると、体の中で効率よく利用されるようになります。

 <2006年6月16日>
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