550年の歴史に幕

 光圀命名の茶室~弘法寺

室町時代から続く歴史に間もなく幕が下りる

 市川市真間の弘法寺(真間4の9の1)境内南西側にある茶室「遍覧亭」が、老朽化のため、今年9月をめどに取り壊されることになった。室町時代に建立されたという歴史を持つ貴重な茶室だけに、同寺も「本当に残念」と惜しんでいる。
 
 同茶室は、いまから553年前の1457(長禄元)年に武将・太田道灌によって寄進され、のちに水戸光圀が、真間山の高台から遠く江戸川までを見渡す景勝にちなんで「遍覧亭」と名付けたといわれている。
 
 明治21年に火事で全焼したものの、昭和29年に再建。これまでは市川市茶道会などが稽けいこ古や茶会で使用していたが、近年、耐震工事の必要性があることが発覚し、億単位でかかる費用面や安全面を考慮した同寺は、「苦渋の選択」で取り壊しを決意したという。
 
 茶室の取り壊しにあたり、同寺は今月29日(午前10時―午後3時)に無料の茶会を設ける。当日先着150人。同茶室で一服を味わえる最後の機会で、ゆかりが深い市川市茶道会などの協力で開催。同寺は「最後の茶会を楽しんでほしい」と、利用を呼びかけている。
 
 問い合わせは同寺寺務所(☎371・2242番)。


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