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元気いっぱい市川市動植物園 二代目「流しカワウソ」誕生か サルの「空中回廊」も秋めど完成

4月中旬、水路で遊ぶツツジ(中央)。二代目「流しカワウソ」として期待がかかる

「空中回廊」は、左に並ぶサル舎から、手前の植栽エリアに建設される放飼場に、3本渡される計画

サルの空中回廊のイメージ図(市川市提供)
市川市動植物園で、新たに仲間入りしたコツメカワウソが、遊具の水路で遊び始め、人気者だった「流しカワウソ」の後継になる可能性が高まっている。一方、コツメカワウソのいる小獣ゾーン前の植栽エリアには、サルの共有放飼場を新設し、モンキーゾーンの複数のサル舎との間をそれぞれ、約3㍍の高さで結ぶ「空中回廊」も建設する。クラウドファンディングで、予算を圧縮する。3月には、「ヤギの空中散歩」をオープンしており、来園者とともに、動物も楽しめる空中施設の第2弾になる。
■増える入園者
2024年度の動物園の入園者数は約24万6千人で、コロナ禍前の水準を回復。ピーク時の25万5千人にも近づいている。
コツメカワウソ以外にも、スマトラオランウータンやニホンアナグマなどの新たな仲間が加わったほか、大きな予算をかけなくても、「見せ方を工夫し、園の魅力を高められるように努力している」と、水品繁和・動植物管理長は話す。
■「水路」に興味
園には今年、新たに2匹のカワウソが仲間入りした。
2023年9月に、「流しカワウソ」として親しまれたオスのナオが亡くなり、妹のマロンと弟のコロンがいたが、2匹とも、水遊びは好きなものの、遊具の水路には興味がなかった。
しかし、今年2、3月に加わった2匹のうち、メスのツツジは、飼育員が水路にエサを投げ入れると、自ら飛び込み、ジャブジャブと音を立てて進むのを楽しんでいるようだった。4月中旬のことだ。
まもなく、ゴールデンウイーク。ナオの後継の二代目「流しカワウソ」として、ツヅジが水路を流れる姿を見ることができるかもしれない。
■3回廊を計画
園内には、サル山のニホンザルとは別に、モンキーゾーンの現在9つあるサル舎に、シロテテナガザル▽マンドリル▽ボリビアリスザル▽アカテタマリン▽ワタボウシタマリン▽ワオキツネザル▽クロキツネザル▽エリマキキツネザル―が暮らしている。
ただ、モンキーゾーンは、向かい側の小獣ゾーンに比べて日当たりが悪く、「来園者に、サルが明るい所でのびのびと活動しているところを見てもらいたい」(水品さん)との思いがあった。
このため、2つのゾーンに挟まれた道の中央の植栽エリアに、マンドリル、エリマキキツネザル、ボリビアリスザルの3つのケージのサルたちが、日替わりで利用できる放飼場をつくることになった。
サルの「空中回廊」は、住宅でいえば2階建てほどの高さのサル舎の上部から、サル舎と同じステンレス製の縦50㌢×横40㌢ほどの金網の回廊を渡す。背の低いサル舎からは、煙突のように上に向かわせ、他の2本と同じ高さで設置する計画。
1本は、向いのサル舎からまっすぐ、もう2本は、並びのサル舎から斜めに伸びる。
市は今年度予算で2500万円を計上し、うち1千万円はクラウドファンディングの手法を使い、なるべく予算を圧縮して調達する。今年秋をめどに、完成予定だ。
今年度は、市川市動植物園がさらに熱くなりそうで、入園者増も期待される。
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