市川浦安よみうり online

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講談「国姫物語」初公開
「ゆかりの地に恩返し」を使命に
日舞に姿重ね 第28代当主の目に涙


あいさつで、有馬家や国姫の生涯について語る第28代当主の有馬康陽さん

講演後の舞台中央に立つ日舞の藤間京之助さんと、ソプラノの菅谷茉友さん(右奥)ら

 歴史に翻弄されながら、戦国時代を生き抜いた「日向御前 国姫」の生涯を綴った創作講談が完成し、初公開された。監修した市川市在住の国姫の子孫、肥前有馬家宗家の第28代当主、有馬康陽さんは、講談と美しい日本舞踊の競演に、「国姫の姿が重なるようだった」と涙ぐんだ。

■講談と美しい舞

 全日警ホールで2日夜、開かれた講談「日向御前 国姫物語」は、有馬さんが、国姫ゆかりの地に恩返しするため、国姫の物語を講談にしたいと考え、大学の先輩で、文化芸術分野に知見のある市川市議会議員の岩井清郎さんに相談し、実現した。

 岩井さんは、有馬家のルーツが長崎県であることから、物語の制作を同じ九州(大分県)出身の講談師、一龍斎貞弥さんに依頼し、講談に花を添える日舞を藤間京之助さんにお願いした。

■市川と島原結ぶ

 第1部は、講談「秋色桜」と、日舞「長唄 元禄花見踊」で観客を舞台に引き込んだ。

 第2部では、ソプラノ歌手、菅谷茉友さんが市川市の伝説の「TEKONA」、国姫ゆかりの「島原地方の子守唄」を熱唱。

 再び、一龍斎貞弥さんと藤間京之助さんが登場し、講談と舞「日向御前 国姫物語」を披露し、満席の来場者を魅了した。

 国姫は、本多忠勝の孫で、徳川家康と織田信長のひ孫に当たる。島原日野江城主、有馬直純に嫁ぎ、日向延岡、越前丸岡へ有馬家を導いた姫君として知られる。

■大多喜城で出生

 第2部の冒頭、有馬さんは「第28代当主として、ゆかりの地に恩返しすることが私の使命。有馬家の歴史と国姫を広く知ってもらいたい」とあいさつ。

 さらに、「国姫は上総の国、祖父の本多忠勝が築城した大多喜城(千葉県大多喜町)で生まれた」と明かすと、会場から驚きの声が。

 有馬さんは「講談国姫物語が、市川市で初披露されたことには意味がある」とし、「市川市は、奈良の時代から下総国府があり、真間の手児奈の物語、平将門、源頼朝、日蓮の伝説、南総里見八犬伝など、歴史と伝統文化の宝庫だ」と語った。  

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