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昭和学院短大 山崎製パン協力で特別授業
創業の地で地元学生を支援
「将来の仕事に生かしたい」


プロの指導で、仕込みからデコレーションまで一連の工程を体験した昭和学院短大の学生

成型―包あんの工程に続き、焼き上がりやデコレーションでは笑顔に

 昭和学院短期大学(市川市東菅野)が、市川市創業の大手メーカー、山崎製パンの市内の研修所でパンづくりを学ぶ、特別授業を行った。同社が休日の施設を開放し、プロの技術指導者が、特別授業のプログラムも用意した。「地元大学への貢献」という初の試みで、保育士や家庭科教諭、食品業界への就職などを目指す学生にとって、貴重な体験。市内に主要拠点を持つ大手企業の教育支援として、注目される。

 ■プロの技術指導

 特別授業は、教養科目の「こどもとおやつ」(島本和恵准教授)の演習で、ふだんは社内研修に使われている「山崎製パン総合クリエイションセンター」(市川市市川)の研修所で、6月21日に行われた。

 山崎製パンの実際の生産工程では、食パンで8時間(うち4時間が発酵)、菓子パンは4~6時間必要だが、3時間で学べるプログラムと材料、資料も特別に用意し、同社の生産統括本部の社員が技術指導にあたった。

 「短時間でできるよう、生地の材料を固めに配合」(同社)するなど工夫。発酵や焼いたパンを冷ますなど、時間のかかる工程は、学生がつくったものとは別の発酵させた生地や、焼き上げ後のパンをあらかじめ用意した。

 ■全工程を体験

 研修所は、発酵やパンを焼く機械が並び、生地を乾燥させないよう、湿度が高めに設定されている。

 緊張した様子で部屋に入った人間生活学科こども発達専攻、キャリア創造専攻の学生計8人は、実際のパンづくりに入ると目を輝かせ、あっという間の3時間だった。

 「200回こねて生地をなめらかにする」とか、パンの味と食感の調整、この日のパンと、商品化されるパンとの違いなどを教わりながら、仕込み―発酵―成型―包あん―最終発酵―焼成―デコレーションと、すべての工程を体験。

 自分たちでつくった動物パンや、手のひらサイズの大型のあんパンが焼き上がると思わず笑顔になり、デコレーションでは女子学生らしく、楽しそうにチョコペンで装飾した。

 ■「新たな発見」

 人間生活学科こども発達専攻の秋元美海さんは「保育士になるのが目標。おやつは子供にとって、昼と夜の間の食事の一部。保育士になったら実践したい」、家庭科の先生が志望のキャリア創造専攻の坂野帆乃香さんは「こねたり、たたいたり、パンづくりは力仕事だと感じた。将来の仕事に生かしたい」と熱く語った。

 山崎製パン執行役員で、総合クリエイションセンター長の大山徳泰さんは「社内研修のない週末に、実現できた。初の試みだったが、地元の大学に貢献できて喜ばしい。将来につながるよい経験になってもらえれば」と。

 地元創業の大手メーカーの支援に、担当の昭和学院短大准教授の島本さんは「学生たちには、新しい発見になったと思う。地元市川で受け入れてもらい、大変感謝している」と語った。  

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