市川浦安よみうり online

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国民・岡野氏 参院選「標旗」不正使用
玉木代表会見で批判相次ぐ
女性市議へのパワハラ疑惑も調査中

 国民民主党の小林さやか氏がトップ当選した参院選千葉選挙区で、同党の岡野純子衆院議員が、比例代表候補に交付された「標旗」を不正に使用していたことが発覚した。玉木雄一郎代表は22日の記者会見で、「小選挙区の標旗と錯誤した」と説明、誰が偽造し、あるいは指示したか「全体像を把握していない」としたことから、批判が相次いだ。岡野氏に関しては、地元女性市議へのパワハラ疑惑の調査も進んでいる。有権者の信頼を裏切るあいまいな決着は、許されない状況だ。

 この問題で玉木代表は19日、都内で記者団に対し、「法令違反の可能性がある。信頼を損ねる事案だ。事実関係を調査し、厳正に処分する」としていた。

 しかし、現段階では、岡野氏と県連幹事長の天野行雄県議への厳重注意と、両氏の県連の役職辞任にとどまっている。

 岡野氏は21日、自身のX(ツイッター)で、県連代表代行の辞任を公表したが、離党や議員辞職には言及していない。

 ■県警への告発

 今回の不正では、自民党県連が18日、標旗を偽造して街頭演説を行ったなどとして、公文書偽造と公職選挙法違反容疑で、岡野氏を県警に告発している。

 玉木代表の会見でも、「間違えたでは通用しない」「どういう経緯で、(比例代表候補の標旗に)小林氏の名前を書いたのか、誰が書いたのか」「岡野氏が問題があると認識した後も、不正な標旗を使っており、故意ではないか」などと追及が続き、玉木氏は、「確認する」とした。

 また、党の倫理委員会を開くかどうか、役員会に諮るとした。

 ■自身Xで発覚

 不正の発覚は、参院選中盤の12日。岡野氏が自身のXに、「参議院比例代表選出議員選挙 小林さやか」と記載した標旗を左手で広げ、右手にマイクを持った街頭演説の写真を投稿。不正の証拠となるこの投稿は、同日中に削除された。

 岡野氏は16日、Ⅹ上で、「錯誤の疑いを党内から指摘され、直ちに使用を取りやめ、SNSからも削除をした」などと釈明。

 県連も、謝罪文を公式サイトにアップし、全国紙も岡野氏の不正を報じた。

 ■公選法を無視

 選挙の標旗に関しては、公職選挙法の規定があり、選挙区候補には1枚のみ交付され、街頭演説の際に掲げる必要がある。

 比例代表候補には6枚交付されており、岡野氏は、選挙区候補用の標旗がない場所で、小林氏の名前を書いた比例代表候補用の標旗を使い、不正に応援演説をしていたことになる。標旗の交付時は、候補者名は空欄になっている。

 岡野氏をめぐっては、地元女性市議へのパワハラ疑惑と、これに起因する市川市議ら県連所属議員の離党に加え、衆院本会議の採決欠席など、有権者の信頼を失う行為が問題視されている。

 パワハラ疑惑と離党問題では、玉木代表が今年3月、小林氏の参院選出馬会見に際し、「離党は本当に残念」「経緯の事実確認をしたい」と表明している。

 岡野氏は、昨年10月の衆院選千葉5区(市川市の一部と浦安市)では3位で落選したが、比例復活している。  

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