法華経寺の参道活性化 本格始動
「なかやま BACE」核に未来へ
革工房、イタリアン、茶屋など…

イタリア料理店のお披露目には、町会や商店会役員ら関係者が集まった

昭和建築の外観が目を引く参道の旧「湯浅写真館」
空き店舗対策など、活性化の取り組みを進めている中山法華経寺の参道に、宝箱のような拠点ができ上がった。9月1日にチャレンジショップがオープン、18日に佐原市の著名なイタリアンシェフが〝出店〟した「なかやま BASE」だ。築約70年の旧「湯浅写真館」の店舗、住居スペースを活用した参道活性化の第一歩。「中山参道 結び茶屋」も、月内にオープン予定など広がりを見せる一方、今後、本格的な空き店舗解消や、にぎわいづくりにつながるか注目される。
■昭和建築を残し
かやまBASEを運営する「なかやま参道にぎわいプロジェクト実行委員会」代表の上坂理さんによれば、湯浅写真館は1954(昭和29)年頃、平田から移転する際に建てられた。1階に店舗と住宅、2階には撮影スタジオが残され、延床面積は150平方㍍ほどあるという。
参道界隈では、「三世代で記念撮影をした場所」として、親しまれてきた。七五三などで法華経寺にお参りする際に、参道で着付けをし、記念写真を撮る家族連れなどでもにぎわったが、先代が亡くなり、長く空き家になっていた。
高齢化を背景に、参道にはこうした店舗が増えている。食事をする場所も限られることから、参道の客足が遠のき、初詣や「中山のおひなまつり」など人出のある時も、長く滞在せずに、駅との往復に終わってしまうのが悩みだった。
今回は、同プロジェクトが借りる形で、外観や内装を残して一部改修した。所有者の売却のハードルがないうえ、第三者に渡ることで建物が取り壊され、更地のままになるなどのリスクが回避できる。
■寺町の魅力発信
中山地区は、景観条例にもとづく景観重点地区で、法華経寺を中心に、寺町の緑豊かで風情のある景観が残されていて、ポテンシャルは高い。
2003年度には中山まちづくり協議会が設立され、法華経寺や町会、商店会などが一体になって、参道商店会のにぎわいを取り戻そうと動いている。
そこで市も今年度、 「中山参道活性化事業」として、2000万円の予算を計上。プロジェクトの企画運営や情報発信を外部委託し、それを請け負ったのが、上坂さんが代表のまちづくりのコンサルタント会社「地域会議」(堀之内)だ。
外部委託といっても、上坂さん自身、かつて中山に住んでいたことがあり、「中山に思いのある人たちの手で、地域活性化につなげる交流拠点をつくっていきたい」と語る。
■地産の食材提供
9月1日に、3カ月限定で、1階にオープンしたチャレンジショップは、東京都江東区で、手づくりの革製品をネット販売している「革工房yino(イーノ)」の井上祐司さんが、出店している。
ミシンで作業する横には、井上さん手づくりの財布やキーケース、小銭入れなどの革製品が並び、その場でオーダーもできる魅力的な店だ。上坂さんが、コンサル面で経営支援もする。
18日に、1階奥の和室でお披露目されたのは、佐原市の人気イタリア料理店「リストランテ カーザ・アルベラータ」(不定期での出店を予定)。
並木常吉シェフは、市川市役所の「いちランチ(弁当)」でもおなじみの南八幡の発酵、スパイス料理店「Yajikko KITCHEN」代表、矢路川結子さんの協力で、市川産のナスやケール、海苔、梨のソースを使った発酵料理のメニューを提供した。
並木さんは「(佐原の)2号店として、中山参道への本格出店も検討している」という。
2階の撮影スタジオも、ワークショップなどが計画され、ますます楽しみだ。
お披露目の席で、田中甲市長は「夢がなかった。法華経寺の参道に、新しい歴史が生まれる」とあいさつした。
まさに、中山参道ににぎわいを取り戻すための最初の一歩。お金をかけた箱モノ建設などではない、地域一体で進める街づくりの取り組みを応援したい。
法華経寺の最寄り駅、京成中山駅の駅舎建て替え工事で、京成成田方面の下り線の改札口の利用が、9月27日から始まった。
これまで、下り線の利用者は、上り線の改札口を使い、駅構内の踏切(通路)を渡る必要があった。法華経寺の参拝の際も、下り線利用者は、構内と公道の踏切を渡らなければ参道に出られなかったが、行きも帰りも、利便性が増すことになった。構内の踏切は、廃止された。
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