市川浦安よみうり online

ジャワの民族楽器アンクルン
竹の心地よい音色に魅せられて23年
北国分で活動 音楽療法などに効用も


地元の保育園での演奏会。カラフルな民族衣装も魅力的だ

自宅でアンクルンを手にする萩原さん

 インドネシアの竹製の民族楽器、「アンクルン」の演奏活動を息長く続けているグループがある。北国分老人いこいの家を拠点に月2回練習、演奏会もこなし、20年以上活動している。年齢は、90歳から69歳。演奏はグループでの練習が必要だが、楽器自体は振るだけで心地よい音が出るので、高齢や障がいのある人、子供でも扱いやすく、音楽療法や幼児教育などでの活用も、期待される。

 ■初めて手にする

 北国分の「アンクルンの会」が活動を始めたのは、2003(平成15)年6月。北国分の自治会役員を務め、地域のボランティアグループ「結いの会」で、スケッチや俳句、写真、囲碁、切り絵、折り紙の会などを運営していた萩原法子さん(81)が立ち上げた。

 萩原さんは、以前に子供が通っていた地元の「さかえ保育園」を用事で訪れた際、エントランスに竹製の楽器が置かれているのを見つけた。初めは楽器だとはわからなかったが、それがインドネシアの西ジャワ地方に伝わるアンクルンだった。

 さかえ保育園は当時、インドネシアに保育園をつくる幼児教育の国際交流活動に関わっていて、職員が現地を訪れた機会に、おみやげとして持ち帰ったという。

 留め金などを使わずに、竹枠に竹筒を吊った構造の楽器で、1音階に調律された複数の竹筒を振って音を出す。それぞれ異なる音階のアンクルンを手に、合奏する。

 軽く振るだけで、コロコロ、カラカラと、竹の軽やかな音が響く。

 ■使い方も手探り

 アンクルンの会をスタートさせるにあたり、萩原さんは、インドネシア大使館に電話をしたりしながら、千葉大学のインドネシア人留学生が中心の団体と、つながることができた。

 初めてアンクルンアンサンブルのコンサートに足を運び、童謡サークルのメンバーに声をかけ、見よう見まねで音出しを練習。留学生を通じて、現地から楽器や衣装も取り寄せ、活動を広げていった。

 会のメンバーは、最大で26人、現在は15人。

 練習の定例日に老人いこいの家を訪れると、その日参加していた9人が、萩原さんの指揮で楽しそうに、それでも真剣に、アンクルンを演奏していた。

 レパートリーは、叙情歌や童謡など50曲以上。自分が担当する音のアンクルンを手にしているので、曲によって振る回数は変わるが、少なくても緊張するし、逆に、2つの音を受け持つ人もいる。

 ■楽しく休まずに

 もっとも先輩の柴野純子さん(90)は、会の発足当初からのメンバーで、「こうして、みんなで練習するのが本当に楽しい」と、萩原さんとともに活動してきた。

 透析治療を続けながら、練習に参加している小平艶子さん(86)は「市内の大学で演奏を聴き、その音色に魅せられて会に入った」という。

 昨年初めにメンバーに加わった杉原成子さん(73)も、「アンクルンはとてもいい音がする」と、月2回の練習に休まずに参加している。

 会の取材をセットしてくれた道下経枝さん(69)は、会の最年少だ。

 会は、幼稚園や介護施設などに招かれ、練習の成果を披露する。大きなホールでの演奏もある。

 昨年秋の「さかえ保育園」での演奏会では、華やかな民俗衣装に身を包み、童謡を奏でた。

 アンクルンは音色が美しく、演奏もしやすいため、リハビリなどの音楽療法や幼児教育での導入例もある。

 今後の活動について、萩原さんは「多くの方にアンクルンに触れ、楽しんでもらい、その魅力を広めていきたい」と、話している。

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