市川浦安よみうり online

世代を超えて継承 海苔漉き体験
行徳海苔のもっともおいしい時期
地域が支援 神輿や塩づくりも


安達さん(右)に教わりながら、海苔漉き枠に、上手に海苔を流し込む子供たち

 海苔漁のトップシーズンを迎えた2月上旬、市川市産の「行徳海苔」の地元、市立幸小学校で、手作業による伝統の海苔漉き体験が、3年生の総合学習の時間に行われた。地域の支援もあって続く授業で、自身の小学校時代に体験した先生も。子供たちは目を輝かせながら、専用の飛行機包丁での生海苔の刻みや、干す前にスポンジで水分を取る作業も体験。こうして、行徳の海苔づくりの歴史が、世代を超えて引き継がれている。

 ■おいしさも一番

 県内の昨シーズン(2024年12月~25年4月)の海苔生産量は約8500万枚(21×19㌢)。全国ベスト10に入り、県内では富津地区が全体の6~7割で、木更津地区、三番瀬地区(市川、船橋)が続く。

 行徳は、幕府の直轄領として塩田が広がっていたため、海苔養殖の歴史は、船橋、浦安よりも遅れて明治以降。

 現在は、市内の漁師は4軒だけになったが、「三番瀬で収穫される海苔は、栄養が豊富で香りや甘みがあり、歯切れもよい」(南行徳の加藤海苔店)と評判だ。

 ■漁師さんも協力

 この日は、学級閉鎖もあり、3年生の4クラス中、3クラスの約90人の児童が3、4時間目の体験に参加。

 NPO法人三番瀬フォーラム」の安達宏之さんと、地域で活動する藤原孝夫さんを講師役に、同小の保護者や近隣小の学校支援コーディネーターらが運営を手伝った。

 安達さんは、塩浜三番瀬でのアマモの移植や環境DNA調査、妙典、行徳地区に伝わるハス田づくり、江戸川放水路の干潟散策会など、自然環境の再生や地域の伝統を守る活動に取り組んでいる。

 この冬の海苔漉き体験は11校で行われ、安達さん自身、6校で講師役を務めた。

 漁師さんの協力で朝、収穫したばかりの生海苔を使った学校もあったが、天候に左右されないよう、市川漁協で冷凍した海苔も使う。この日も事前に準備した海苔と別に、市行徳支所が、学校まで冷凍海苔を運んでくれた。

 ■天日干しで乾燥

 青空の下、エプロン姿で正面玄関前に集まった子供たちは、目の前に並ぶ海苔漉きの道具に興味津々。

 大きな樽には、安達さんらが朝から解凍し、刃が横に2枚付いた飛行機包丁で刻んだ海苔が入っている。

 子供たちは、すだれの上に置いた漉き枠に、升で救った海苔を一気に流し込んで成型。枠をはずして、すだれごと移動し、スポンジで絞った後、お母さんたちに、洗濯ばさみで天日干ししてもらった。

 自分の海苔を干した子供たちは、飛行機包丁や絞りも手伝った。

 この日は天気がよく、午後には、パチッパチッと、海苔が乾燥する音も聴かれたという。 学年主任の西川嘉人教諭は市川市出身で、「小学生の時、海苔漉きを体験した」ことを今でも覚えている。

 3年生は社会科の授業で市川の歴史、昔の暮らしを学び、そこで、海苔づくりについても勉強した。今回は、総合学習の時間を使っての実践だ。

 同小ではこれまでにも、行徳に室町の頃から伝わる塩づくり体験や、昨年10月には、中台製作所(市川市本塩)が子供神輿を持ってきてくれて、神輿の説明や実際に担ぐ体験もした。

 三瀬敬校長は「地域の人や保護者が集まってくれて、こうした活動が続いており、大変感謝している」と、学校と地域が一体になった教育の大切さを語った。

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