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市川市長選 田中氏再選
議会は「盤石」だが不透明感も
低投票率 市政運営にどう影響

大勢が判明し、選対本部長らとともに万歳する田中氏(左から2人目)

事務所で最後まで開票を見守った保戸田氏(中央)
現職の田中甲氏(69)と、市議1期目の新人、保戸田悠菜氏(39)の事実上の一騎打ちになった市川市長選は、19日に投開票が行われ、田中氏が9万576票で保戸田氏の3万3430票を引き離し、再選を果たした。山崎健介氏(51)は2892票。田中氏は同日夜、選管の開票速報を受け、南八幡の選挙事務所で万歳し、支持者から祝福を受けた。ただ、投票率が、前回を6・8㌽近く下回る31・97%にとどまり、「『市川都民』には、この選挙が目に映っていなかった。(自身への)一定の反対票もあった」と振り返った。
■公約のハードル
田中氏は、今回選挙戦に無所属で臨んだが、告示日の田中陣営の出陣式には、市議会の主要会派の代表、議員が顔をそろえた。
地方自治体では、大統領並みの権限を持つ「現職」の前に、自治会や経済団体、保守系の地域活動グループも、田中支持を貫いた。
田中氏は、2期目の4年間で、「公約をレールに乗せたい」と力を込めた。
しかし、選挙戦で掲げた公約は、「市川市子ども手当」(幼稚園、保育園入園まで月額1万5千円支給)を除けば、「市立高校の創設」「Jリーグスタジアムの建設」「政令市移行」と、ハードルが高い。
支持勢力が大勢を占める市議会は、「盤石」のようにも見えるが、来春の市議選以降は不透明感もある。田中氏自身、「盤石ということは、まったくない。超党派で、是々非々で議案に対応していただけるよう、いい提案をしていきたい」と、慎重な議会運営を心がけていく構えだ。
■〝逆風〟吹かず
選挙戦では、真っ赤なスーツ姿で、市税の負担経験や子育て支援、北部地域の課題解消などを公約で打ち出す、保戸田氏の動画配信が注目を集めた。
一方の田中氏も、「現職」の強みを十分に意識し、公務で顔を出した自治会の祭りや市のイベントでは、市民との写真を撮り、SNSでアップ。自治会の会合も、小まめに回ってきた。
田中氏は、国政選挙や過去の市長選での落選を通じ、政治家として、けして短くない浪人生活を経験している。
本紙の新春インタビューでも、「選挙は民主主義の一丁目一番地。有権者が選んでくれるかどうか、おごった気持ちはない」と、勝たなければ何も始まらないことを強調。
公務に専念していれば、再選はほぼ間違いないのでは、との周囲の憶測に対しても、「選挙で手を抜くということは絶対にない」と語り、3月上旬からは駅頭に立ち続けた。
田中氏は、前回選挙でのダミー候補擁立をめぐる市議会での追及や、週刊誌報道があったものの、田中氏本人の関与が明確でなく、逆風にはならなかった。
■善戦の保戸田氏
保戸田氏は開票結果の確定後、宮久保の選挙事務所で、「力が及ばなかった。(得票の)1票1票に重みと期待を感じている」と、肩を落とした。
今回選挙では、現職の田中氏の対抗馬として、何人かの候補の名前が浮上した。
市の教育施策の充実に動こうとした元市政関係者、前回選挙で、ダミーの女性候補擁立のきっかけにもなった県議…。
そこに、ダークホースとして現れたのが、告示の約1カ月半前の2月24日に出馬会見を開いた保戸田氏だった。
保戸田氏はすでに、年明けには出馬の意向を固めていたが、塾経営者として、受験シーズンが終わってからの公式表明になった。
支持母体もなく、市議会の所属会派の応援も得られずに、「しがらみのない政治」をアピール。現職の強さには及ばなかったものの、低投票率の中での初選挙で、3万票台の得票は、けして少なくない。
政治家としては、スタートしたばかり。保戸田氏が、「まっすぐに戦った。市議会の応援もなかったが、若い人たちは市川の未来を考え、子育て世帯も応援してくれた」と話すように、市川のために働く政治家として、今後のステージに期待したい。
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