「よく分かった」「もっと勉強したい」

 明治大生が明海南小で貿易授業

大学生がゲームを使った授業を通じて実社会の状況を児童に紹介

 明治大の学生が9日と12日、浦安市立明海南小(大野宏尚校長)の5年生に、ゲームをしながら貿易の仕組みが学べる授業を行った。児童は不平等な貿易があることを知り、新聞を読んでもっと学びたい―という気持ちも抱いていた。

 授業のテーマは公平な貿易を実現する仕組みのフェアトレード。児童は、先進国として日本とアメリカ、新興国として韓国とブラジル、発展途上国としてセネガルとエチオピアを設定した6つの班に分かれ、資源(紙)と加工技術(ハサミや定規、コンパスなど)、紙幣が不平等に与えられた状態から製品(四角形や円、かまぼこ型など)を作り、できるだけ多くの富を築くことを競うゲームに取り組んだ。資源があっても技術がない発展途上国班の児童は資源を先進国に売って技術を買って製品を作り、先進国班の児童は価値の高い製品を集中的に作って富を築いていた。

 ゲームの結果は現実に比較的近い日本、アメリカ、韓国、セネガル、ブラジル、エチオピアの順。高い技術力を持ち、最も価値の高い製品のみを作って売った日本班の富は、ほぼ同じ条件ながらさまざまな製品を作ったアメリカ班(2位)の倍、ほぼ資源しかなかったエチオピア班(6位)と比べると10倍だった。ゲームを終えた児童は「不利、有利な国があって嫌だ」「みんな平等じゃないと、勝ってもいい気分じゃない」と感じていた。

 大学生は「先進国は発展途上国から10円で買ったものを千円で売るようなことをしている場合がある。同じルールでも不平等な条件では豊かなグループはより豊かに、貧しいグループはより貧しくなる」と経済格差が拡大していく仕組みを説明。「セコイ」と不平等な取引を行う例を指摘する児童たちに「どうしたら解決できるのか」と問いかけながら、「対価をきちんと支払う」ことで▽その国の子供が学校に行ける▽新しい技術で作られた安心安全な製品がみんなの手に届く―と説明した。児童は「フェアトレードを世界中でやってほしい」「もうけ過ぎている国はズルイ」「貿易で起こっている問題が分かった。新聞を読んでみたい」と感想を話すとともに、「材料を高く買うとフェアトレード製品も高いのですか」など質問もしていた。

 授業を行ったのは、各地の商店街の活性化対策などとともに、次世代を担う子供たちに実社会の状況を分かりやすく伝えたいと各地の学校での授業に取り組む明治大商学部水野勝之ゼミの学生。辻田悟史さん(20)と高藤優来さん(20)は「教科書にはあまり載っていない現実社会を子供たちに伝えることが、問題を解決し、未来を変えることになる。子供たちとの交流も楽しい」と、授業が成功した満足感を話した。

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