市川よみうり & 浦安よみうり online

 地震と津波の被害を受けた方々に、お見舞いを申し上げます。
 市川市と浦安市内の最新の情報については、市役所のホームページや登録者向けメール、市が発信するツイッターなどを参照して下さい。


流しそうめん
子供など50人が楽しむ

流しそうめんを楽しむ子供たち

 市川市柏井町3丁目の農場で畑作業のボランティア活動を行っている市民団体「つくるんだ村」(草刈秀平村長)は先月17日、同地とその周辺で「耕せ祭り・流しそうめん祭り」を開き、子供たちとその保護者ら約50人が夏の風物詩の流しそうめんを楽しんだ。
 
 子供たちは、本物の竹で作った流しそうめん台に沿って並び、流れてくるそうめんやミニトマト、キュウリ、わかめなどを箸で懸命にキャッチ。「来た来た!」「いっぱい取れた!」「トマト取れなかった~」などと一喜一憂しながら、そうめんを口いっぱいに頬張っていた。
 
 そうめんと一緒に流したキュウリやミニトマトは、参加者が午前中に収穫したもの。流しそうめん台作りも、たくさんの子供たちがナタや金づち、ヤスリなどを使って手伝った。
 
 子供たちは「竹を割ってそうめん台を作るのが楽しかった」「そうめんやトマトを取るときに競り合うのが楽しかった」「流れるのが早かった」と大満足。お腹がある程度満たされると、その場で作られていたポップコーンやかき氷に舌鼓を打っていた。
 
 同団体は同地で農作物を作るとともに、原則毎月第3日曜日にイベント「耕せ祭り」を開き、参加者に畑作業の楽しさを伝えている。  

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総合型地域スポーツクラブ
市川市北東部に市内3カ所目
9月にプレオープン

 市川市は、市内北東部を活動拠点とする総合型地域スポーツクラブ「北市川スポーツクラブ」を9月にプレオープンする。正式オープンは来年1月を予定。市内の総合型地域スポーツクラブは「市川スポーツガーデン(ISG)国府台」と「ISG塩浜」に続いて3カ所目となる。
 
 総合型地域スポーツクラブは、多世代の住民が多種目のスポーツにそれぞれの志向やレベルに合わせて参加できる地域住民主導のスポーツクラブ。平成7年から、文部科学省が設置を推奨している。
 
 北市川スポーツクラブは、拠点となる北市川運動公園が来年4月に開設(予定)することに伴い発足。昨年7月から、地域の自治会長や市川テニス協会、市川ラグビー協会の会員などで設立準備委員会を立ち上げ、準備を進めてきた。正式オープン後は、同委員会が名称を北市川スポーツクラブ運営委員会に改めてクラブの運営に当たる予定。
 
 同クラブに入会すると、それぞれ月2回~4回実施予定のウオーキングとソフトテニス、ラグビー、フットベース、サッカー、初心者向け硬式テニスの各種目に自由に参加できる。正式にオープンしてからは種目数を増やしていく予定。プレオープン期間中は会費が無料だが、登録手数料の千円と、スポーツ安全保険料として一般1850円、65歳以上1200円、中学生以下800円が必要。正式オープン後の会費は来年1月頃に決めるとしている。
 
 同クラブ設立準備委員会の松村泰平委員長(55)は「地域コミュニティーの場としてスポーツを心掛ける方々の居場所となるべく環境を整え、スポーツのある暮らしを提案していきたい。プレオープン期間中にどうぞご参加ください」と入会を呼び掛けている。
 
 入会は、申し込み用紙に必要事項を書いて同クラブの仮事務所にファクスか持参して申し込む。申し込み用紙は同クラブのホームページや市役所、市内の公民館、北総線大町駅などで入手できる。
 
 9月の日程は次の通り。問い合わせは市スポーツ課(☎373・3111番)。
 
 【ウオーキング】8日、22日午前9時~正午=北市川フットボールフィールド(柏井町4の294の5)
 【硬式テニス(初心者)】11日、25日午前10時~正午=大野学園テニスコート(大野町4の2274)
 【ソフトテニス】11日、25日午後1時~同3時=同
 【ラグビー】17日午前11時半~午後1時半=北方多目的広場(北方町4の2270)
 【フットベース】17日午後2時~同4時=同  

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子供たちの笑顔のために
おもちゃの病院うらやす
延べ7500個を診察・治療

〝治療〟を終えたおもちゃを子供に渡す浜田代表

 ボランティアグループ・おもちゃの病院うらやす(浜田照邦代表)が壊れたおもちゃを〝治療〟し、子供たちから喜ばれている。
 
 同団体は平成9年に発足し今年で活動20年目。メンバーは15人で、毎月3回、持ち寄られるおもちゃを修理し、昨年は535個のおもちゃを直した。設立以来の累計は約7500個。
 
 おもちゃの故障の原因は「大抵が電池がなくなっているもの」だが、ギアが摩耗してかみ合わない、油が固まって動かない、ゼンマイが切れている、空気弁が取れたなどさまざま。それらを、電子機器や産業機械などの業界で働いていたメンバーらの知識を結集して直し、その場で直せないものは預かって修理する。
 
 メンバーの道具箱は東京・秋葉原などで購入した道具や部品が満載。スピーカーや電波などが壊れているかどうかを調べる計測器などは手作り品で、故障原因の究明に生かしている。
 
 さきごろの病院開設日に壊れたおもちゃを持参した母親や祖母らは「店で直せないものが、ここでは直せる。すごい」「買えば大したことないが、取って置きたいし、直してほしかった」「若いころに夫からもらった人形をぜひ孫にあげたい。直してもらえてうれしい」と話していた。
 
 浜田代表は「直ったおもちゃを受け取った子供たちの笑顔が最高の喜び。物を大切にする心も持ってほしい」と笑顔を浮かべる。悩みは「最近の電子的なものは直せないこと」という。
 
 料金は無料。部品交換する場合のみ部品代が必要。おもちゃの病院開設日と場所は次の通り。受け付けはいずれも午後1時から同3時まで。
 
 ▽第1土曜日=浦安市ビーナスプラザ▽第3日曜日=市高洲公民館▽第4日曜日=市中央公民館
 
 問い合わせは同グループ・浜田代表(☎352・9626番)。  

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弁天地区、住民の反対で工事中断
浦安市市街地液状化対策事業

 浦安市は、格子状地中壁工法による道路と宅地の一体的な対策工事で液状化の発生を抑える市街地液状化対策事業で、事業化第1号の弁天2丁目地区(98戸、2・22㌶)の一部(45戸、0・98㌶)の工事を6月から中断している。事業に同意した住民が家屋への影響の懸念などを理由に同意を撤回したためで、市は「時間をかけて事業計画を決定したが、住民の協力がなければ進められない。同意を強制する事業でもない。工事を進められるよう、改めて事業への同意を求めている」という。
 
 同事業は、宅地所有者の同意を得て昨年12月に事業計画を決定。今年3月から家屋調査に入り、5月までに格子状地中壁を設置する位置の確定作業を行っていた。
 
 事業への同意を撤回した住民は、地中壁を設置することによる建物への被害、セメント材による六価クロムの発生などを懸念しているという。格子状地中壁工法への懸念については、市民団体・明日の浦安を考える会が開いた勉強会に講師として出席した事業者らも指摘していた。
 
 市は、同意を撤回した住民には改めて、家屋への被害を防ぐために家屋調査を行い、本体工事による家屋への影響を防ぐために地表面の変位を建築学会基準の約2分の1以下に抑えること、六価クロムが発生しないセメント材を使うことなどを説明し、再度同意を示してもらえるよう調整を続けている。市によると、同地区では設計上、同意を撤回した住民の宅地を除くと事業化できないという。
 

4地区で事業化断念
断念地区は全体の20%


 なお、舞浜3丁目地区(546戸、12・2㌶)の一部(77戸、1・89㌶)については、家屋調査・地中壁の位置の確定作業に入っており、本体工事は10月ごろを見込んでいる。
 
 市はこのほど、液状化対策事業の検討をしていた全16地区(4103戸、96・46㌶)のうち、新たに4地区で検討を終了し、事業化を断念したことを明らかにした。すでに事業を断念していた2地区と合わせ、事業断念地区は6地区になった。残りの10地区では検討を継続している。
 
 4地区では、市が事業化の条件とする全戸合意は得られず、地区の一部のみで事業化を進めるための一定程度のまとまった街区の同意も得られなかったことから、事業化への検討継続を断念し、「検討終了」の通知を先月中旬に4地区の宅地所有者に送付した。
 
 4地区(18・23㌶、793戸)は▽入船4丁目34―46街区(3・48㌶、140戸)▽富岡1丁目2―21街区(5㌶、224戸)▽美浜3丁目16―32街区(5・69㌶、238戸)▽富岡4丁目1―18、11―14、19―22街区(4・06㌶、191戸)。
 
 すでに事業化を断念していた今川3丁目と同2丁目の2地区を合わせた6地区(20・71㌶、884戸)は、面積、戸数ともに全16地区の約21%になった。  

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水難事故に備え救助訓練
市川市の消防隊員と警察

溺れた人をボートで救出する隊員たち

 市川市南消防署と同市西消防署大洲出張所、市川警察署広域緊急援助隊市川小隊は先月26日と同29日、夏に多発する水難事故に備えた救助訓練を行徳橋下の江戸川放水路で行い、消防・警察の隊員76人が連携して水難救助訓練を行った。
 
 訓練では、消防隊員が川の中に入って溺れている人を演じ、岸にいる市川警察署の隊員が救命索と呼ばれる浮き具付きのロープを圧縮空気による発射装置で飛ばしたり、ロープを付けた消防隊員が川に飛び込んだりして救助。隊員たちは、溺れている人と陸地との距離を計算したり、溺れている人を「頑張れー」と励ましたりと、本番さながらに取り組んでいた。  

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災害で傷んだ写真を洗浄
被災者の心に寄り添うボランティア学ぶ

写真の洗浄に取り組む講座参加者たち

 東日本大震災や鬼怒川水害などで海水や泥水に漬かって傷んだ写真を洗浄し、持ち主に返す活動が注目されている中、浦安市災害ボランティアセンターは先月13日、市総合福祉センター(同市東野)で写真洗浄ボランティア養成講座を初めて開いた。被災者の心に寄り添うボランティアを育成する講座で、市内在住、在勤の17人が参加した。
 
 講師には、東日本大震災の被災地で拾得されたアルバムなどから水をかぶった写真約17万枚を取り出し、洗浄・乾燥させて所有者に戻す「写真救済プロジェクト」を展開した富士フイルムの関連会社・富士フイルムイメージングシステムズ社から吉村英紀部長と富塚琢チーフの技術者2人を招いた。
 
 吉村さんは大震災後の平成23年4月上旬から現地入りし、写真洗浄活動を行った。講座では、その経験をまとめたスライドを上映。「一切合切を津波で流され、残っているのは記憶だけ。その記憶も薄らいでゆく。一枚の写真だけでもあれば生きて来た証になる」という被災者の思いを紹介した。
 
 その後、写真の性質や洗浄の基本を説明。プリントされたカラー銀塩写真は、水を含み多湿の状態が続くと、バクテリアが活発化、赤、青、黄の3層からなるゼラチンの色素層が分解され、劣化が進む。このため、①早く回収する②泥を払い、乾燥させる③アルバムから抜き出す④水道水で洗う――という対応が初動の基本となる。
 
 講座では、5班に分かれ、泥水に漬けておいた模擬の被災写真を教材に洗浄の実技を学んだ。
 
 薄手のゴム手袋を着けた参加者たちは、写真を水道水に漬けて泥などの汚れを親指の腹で拭くようにして落とし、2枚が重なった写真では慎重にはがすなど、約1時間で5パターン約10枚の写真を処理した。
 
 終了後に講習修了書を受け取った自営業の男性(63)は「教わったことは、今後、ボランティア活動をする際に生かしたい」と語った。受講した市災害ボランティアネットワークの宮崎勉代表(81)は「会合の際などに会員に洗浄方法を伝え、ボランティア活動の幅を広げたい」と話していた。  

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最先端の機械で解像度12K
現代産業科学館でプラネタリウム上映

『星のある風景~宇宙(そら)~』のワンシーン

 県立現代産業科学館(市川市鬼高1の1の3)サイエンスドームで31日まで、世界最先端のプラネタリウムとしてギネス世界記録に認定された「MEGASTAR―Ⅱ COSMOS」の後継機「MEGASTAR―FUSION」を使ったプラネタリウム上映会が開かれている。
 
 同館は、世界トップクラスの技術を誇る大平技研の協力でプラネタリウムの上映会を毎年開催。同社のプラネタリウムシステム「MEGASTAR」は、4Kの解像度のプロジェクタを17台使用することで12Kの解像度を誇る。また、全ての星を自在に明滅させる独自の技術で星より手前にある雲や飛行機などに星の映り込みを防ぐなど、自然に近い星空の映像を楽しめる。
 
 12日にプラネタリウムを鑑賞した印西市在住の男性(37)は「他の施設で見るプラネタリウムよりも星の動きなどがきれいだった」と感動していた。
 
 今回のプラネタリウム上映作品は、月面から見える光景や火星での日没など、地球上の景色とかけ離れた景色が楽しめる『星のある風景~宇宙(そら)~』(午前10時、午後0時半、同1時40分、同4時から各回約30分間)と、小学生の男女がロケットで宇宙を旅して星空を眺めたりする『七夕ランデブー~FUSIONバージョン~』(午前11時10分、午後2時50分から各回約30分間)の2つ。あす21日午前11時10分と午後1時40分の回は、通常とは違う特別映像を上映し、「MEGASTAR」の開発者・大平貴之さんが制作秘話や技術などについて解説する。
 
 定員は各回280人(完全入れ替え制)。鑑賞には同館の入場券(大人500円、高校・大学生250円、中学生以下と65歳以上は無料)が必要で、入場者1人につき1枚ずつ鑑賞券が配られる。小学4年生以下は保護者の同伴が必要。午後0時半上映開始までの回については午前9時からチケットを販売、午後1時40分以降上映の回については正午からチケットを販売する。22日と29日は休館。
 
 問い合わせは同科学館(☎379・2005番)。
 

28日まで企画展
企業の最新技術など紹介


 同館企画展示室で28日まで、県内の企業などが最新の技術や環境問題、エネルギー問題などへの取り組みを紹介する「これでわかった! 未来の技術2016」(同館展示・運営協力会主催)が開かれている。入場無料。
 
 同展は平成15年度から毎年開かれており、今年で14回目。生物の持つ優れた機能や構造などを物作りに生かす技術「バイオミメティクス」について紹介するパネルや、超薄型テレビの実物などが展示されている。3Dカメラで撮影すると即座に3D画像としてディスプレーに表示される体験コーナーもある。  

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子供たちの勉強を高校・大学生が指導

大学生に見守られながら宿題に取り組む子供たち

 

明海大学有志

 勉強できる環境を作り、分からないところを教えてくれるお兄さん、お姉さんたち―。明海大学の学生有志が、小中学生の夏休みの宿題をサポートするボランティアに取り組んでいる。1日から5日までは浦安市日の出公民館で開かれた教室「夏休みの宿題をやっつけろ!」で講師を務め、延べ約30人の子供たちの勉強をサポートした。22日からは当代島公民館で同様の教室が開かれる。
 
 子供たちは漢字や算数、社会などさまざまな夏休みの宿題を持参し、大学生が見守る中で取り組んだ。分からない問題に出くわすと、大学生からヒントをもらい、自分で努力して解いていた。やっとのことでその日のノルマを終えると、子供たちは大学生と一緒に百人一首やカードゲームをして楽しんだ。
 
 参加した小学生は「家でやるより楽しく宿題ができた。分からないところを教えてもらえるので勉強が進んだ」と充実した様子。毎日来ているという小学生は「去年は当代島公民館でとても楽しかった。今年はお母さんに送ってもらって日の出公民館に来た。勉強も教えてくれるし、一緒に遊んでくれて楽しい」と話していた。
 
 学生は同大外国語学部日本語学科の有志を中心とした約15人。外国出身など日本語が母国語ではない子供たちに日本語を教えるボランティアを行う過程で、夏休みに両親が共働きのために一人で過ごす子供たちがいることを知り、小中学生と大学生が一緒に勉強し、遊ぶ教室を平成26年から日の出公民館とともに開始。翌27年からは当代島公民館でも始めた。今年は春休みにも実施した。
 
 グループ名はピーナッツフレンズ。1つのさやに2つ、3つ入っているピーナッツの1粒が大学生、残りは子供たちであり、大学生と子供たちが一緒に過ごし、交流を深める願いを込めている。同大の学生は「最終目標は小中学生が夏休みの間、学校外のさまざまな人と交流することで、自身の成長につなげていくこと。子供たちが10年、20年後に公民館のため、地域のために貢献できる大人になってくれればうれしい」という。
 
 当代島公民館での教室「宿題やっつけろ会」(グループ名は異なる)は22日と24日、26日、29日、30日の5日間、午後2時から同4時まで開かれる。対象は小学1年生から中学3年生まで。定員は当日先着10人。24日と29日は勉強してもいいし、運動してもいい。
 
 問い合わせは同公民館(☎382・1700番)。
 

国府台高校

 県立国府台高校の生徒有志約30人が先月21日から同29日にかけて、市内の小・中学校3校の学習会に教師の補佐役として参加し、子供たちに算数や数学をボランティアで教えた。
 
 教員志望の生徒が多い同校が、平成24年度から毎年実施している取り組み。今年は、市立市川小と同国府台小、同一中の児童・生徒合わせて約160人に指導した。
 
 国府台小では、3〜6年生を対象とした学習会で、高校生が子供たちの求めに応じてアドバイス。解答を足し算で求めるか引き算で求めるかを悩む児童に、「折り紙は全部で何枚あるかを求めるからこれは足し算」などとアドバイスしていた。
 
 児童たちは「割り算が苦手だったけど得意になった」「筆算の解き方や文章問題を図にして解く方法を教えてもらって計算が早くなった」大学生に見守られながら宿題に取り組む子供たち児童に計算方法を教える国府台高校の女子生徒げていくこと。子供たちが10年、20年後に公民館のため、地域のために貢献できる大人になってくれればうれしい」という。
 
 「優しく分かりやすく教えてもらった」と喜んでいた。高校1年の頃から3年連続で参加している安田菜月樹さんは「小学生のときから小学校の先生になりたいという夢があり、受験勉強期間中だけど参加した。去年とおととしは分かりやすく教えるのが難しかったけど、今年はうまく教えることができた」と手応えを感じていた。  

 
児童に計算方法を教える国府台高校の女子生徒

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3世代の市民134人が出演
市川市民ミュージカル公演

稽古に励む参加者たち

 市川市文化会館(大和田1の1の5)で9月4日午前11時からと午後3時からの2回、5歳から70歳代までの市民ら134人が演じるいちかわ市民ミュージカル第8回公演「夏の光2016~空に消えた馬へ~」が上演される。
 
 同ミュージカルは、三世代市民の文化創造と交流を通した街づくりを目的に平成14年の第1回公演以降、隔年で実施。これまでに子供からお年寄りまで延べ約4400人が出演者やスタッフとして参加し、感動と興奮のステージを繰り広げてきた。
 
 今回上演する物語は、昭和20年に太平洋戦争で本土決戦用の「ガスえそワクチン」10万人分を作るため馬の血が必要となり、勤労動員学徒たちが世話をしていた中山競馬場の馬全500頭が殺された実話。勤労動員学徒として働いていた男性が当時を振り返る形で描かれている。市内に唯一残る軍の施設であり、近年保存と再生利用を求める声が上がっている国府台の赤レンガ建築物と、この悲劇との関連性にも触れている。
 
 主人公を演じる菅野在住の水野文也さん(55)は「市川の文化を自分の表現で後世に伝えていけることはうれしく、ありがたい。市川の歴史を感じてほしい」と来場を呼び掛けている。主人公の少年時代を演じる市立市川小学校5年の井出涼太君は「馬が殺されてしまうシーンを見てもらい、戦争をすることにより何が起こるのかを知ってもらいたい」と願っている。
 
 チケットは指定席がS席3千円(前売り2500円)、A席2500円(同2千円)、自由席が1500円(同千円)。前売り券の申し込みは、氏名(フリガナ)・メールアドレス・住所(〒)・電話番号・希望の部・座席の種類・枚数を書いて、同ミュージカル実行委員会に電話(711・8813番)かファクス(同)、eメール(ichikawa_shimin_musical@yahoo.co.jp)で送るか、同ミュージカルのホームページから申し込む。  

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終戦記念日に平和願う
市川市内7ヵ所で鐘の音響く

沖縄での地上戦の跡地展示写真を眺める来場者たち

  市川市ユネスコ協会は終戦記念日の15日、平和への願いをささげるイベント「平和の鐘を鳴らそう」を、JR市川駅や寺など市内7カ所で開き、約160人の参加者が鐘を鳴らして平和を願った。
 
 中山の法華経寺では、県立市川昴高校の生徒や市立鬼高小学校の児童、市川日本語学院の短期留学生など50人の参加者が「どんな暴力も許しません」「思いやりの心を持ち、かけがえのない地球環境を守ります」など6つからなる「わたしの平和宣言」を群読した後、30秒間黙とう。正午からは、6人程のグループごとに平和の願いを込めて釣鐘を鳴らした。
 
 参加したロシア人のインナ・サランチュクさん(53)は「8月15日はとても大事な記念日。戦争には勝者も敗者もない。人類すべて に生きる権利がある」としみじみと話していた。
 

戦争の傷痕を伝える写真展
来場者500人が思い巡らす


 市川市文化会館(大和田1の1の5)地下展示室で先月30日と31日、市川市出身・在住の写真家・田中正文さん(56)による写真展「戦争の傷痕から平和を見つめる」が開かれ、約500人の来場者が戦争について改めて考えていた。
 
 田中さんは、パラオやサイパン、沖縄県など、太平洋戦争で戦地となった数々の場所で写真を撮影。各地で写真展を開くなどして、 一般市民に平和とは何かを伝えている。
 
 今回の写真展では、パラオの海底にいまも沈む戦闘機や船、サイパンの海底慰霊碑の写真など約80点を展示。 美しい海の中で眠るこれらの遺物は、この地で悲惨な戦闘が繰り広げられていたことを静かに伝える。田中さんが初めて公表したという、「父母ヲミタクテタマリマセン」と木炭で書かれたパラオの洞窟の写真は、展示作品の中で最も思い入れが強いという。
 
 今回の来場者は10代以下の若者と子供たちも多く、全体の約3割を占めた。菅野から訪れていた男性(66)は「戦争は悲惨。平和が一番。命あっての人間。世界中が平和であってほしい」としみじみと話し、「人間の命の尊さや、日本のために散った英霊のことを思うと心が痛む」と写真を見て改めて感じていた。「市川市民として、市民に対して発信できることに感謝するとともに社会的責務の重さを強く感じている」という田中さん。「この活動を進化させつつ継続していきたい。来年はさらに子供たちに来てもらうために、戦闘の現場を再現するなどワークショップの要素を取り入れ、戦争と平和を理解できる取り組みを考えていきたい」と話していた。

写真集240冊を市川市に寄贈


 田中さんは9日、パラオの海底で沈没船などを撮影した『パラオ 海底の英霊たち』や、沖縄での地上戦の跡地などを撮影した『沖縄を歩く』シリーズなど写真集9点240冊を市川市に寄贈した。
 
 寄贈された写真集は、市内の小中学校や幼稚園、図書館などに置かれる。9日に教育長室で開かれた贈呈式で、田中さんは「いまの平和はいきなり出来上がったのではなく、先祖が必死になって作ったもの。どうしてこんなに苦労したかを考えてもらい、感謝の気持ちを持ってもらいたい」と願っていた。田中庸惠教育長は「写真や説明文を見ると当時の情景が浮かぶ。世界平和や戦争について改めて確認できる」と感謝した。  

展示写真を眺める来場者たち
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市川手帳

 「豊かな生活」を送るためにモノを限りなく持たないミニマリストが話題だという。余計なモノから解放され、シンプルな生活を楽しむらしい▼モノを持たないという考え方は、モノがあふれる時代だからこその考えだろうか。あらゆるモノが並ぶ100円ショップは人気だが、彼らの言う豊かさとは違う。むしろ、安価だからこそ、使い捨てやモノを粗末にすることにつながりかねない▼モノは「必要最小限」とはいっても、ケチではないという。本当に必要で良質なモノや時間、経験などにならお金を割くらしい▼ミニマリストの生活スタイルは、少々極端で、簡単ではなさそうだ。それでも、自分にとって何が大切か、豊かさとは何かを考えさせられる。

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