保育士が「クラスの歌」を制作
 地域の作曲家が協力

古屋さん(中央奥)の指導を受けその場で曲を作る保育士たち
 明徳本八幡駅保育園(佐藤貞子園長)でこのほど、保育士たちが市川市曽谷在住の作曲家・古屋國忠さん(68)=2面「人」欄紹介=の指導を受けながら、自分たちが受け持つクラスの歌を作り上げた。歌に込められているのは、園児たち自身が日ごろから発している言葉や、保育士たちが抱いている園児たちへの思い。歌を作り終えた保育士たちは「子供たちと一緒に楽しく歌いたい」と声を弾ませていた。

 この取り組みは「子供たちの言葉をすくい上げて、各クラスの歌が作れたら楽しそう」という同園からの相談を、古屋さんが快く引き受けて実現した。保育士たちは、4月から古屋さんのアドバイスを受けながら歌詞作りに着手。「こちょこちょ くすぐり だいすき」「いっぱい あそんで おおきくなろう」。完成した歌詞には、保育士たちの思いや日ごろの子供たちの様子、子供たちの言葉などがたくさん詰まっていた。

 この歌詞にメロディーをつける作業は、同園で毎月保育士が事例などを学んでいる研究会の一環として先月26日に実施。「『白い』という言葉は『ろ』の音が一番高い」というように、言葉を話すときの抑揚に合わせてメロディーをつける手法を用い、保育士たちが口ずさんだメロディーをすぐさま古屋さんがエレクトーンで再現しながら、1クラスずつ順番に挑戦していった。

 ほかの保育士に見守られながらの作業に、緊張したり、行き詰まったりして悪戦苦闘する場面も見られたが、きれいな旋律が出来上がったときには、周囲も「すごーい」という歓声と大きな拍手で祝福。わずか1時間余りで4クラスすべてが曲を完成させ、保育士たちは「イメージしていた通りの曲がこんなに簡単に出来た」「最初に自分で考えていた曲は単調だったけど、ヒントももらえたのですてきな曲になった」と、驚きと喜びの声を上げながら、「ぜひクラスで子供たちと一緒に歌いたい」と胸を躍らせていた。

 今後は古屋さんの協力のもと、完成した曲に前奏をつけ、保育士の歌声をレコーディングしてCDにする予定。佐藤園長は「それぞれのクラスの個性が出たすばらしい作品になった。今度の保護者会で披露するので、保護者と一緒に歌っていけたら」と、その日を待ち望んでいた。

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