故井上ひさしさんの意志を継ぐ

 読書進める「よみっこ運動」

 生前の井上ひさしさんが力を注いでいた市川よみっこ運動(同運動実行委員会主催)の発表会が先月29日に市川市立菅野小で開かれ、今年度参加した菅野小と真間小などの児童61人が、夏休みに読んだ本の感想をサポーターに発表した=写真

 同運動は、活字文化推進と地域交流、社会貢献の3つが目的。子供たちが読書の感想を発表すると、地域の大人(サポーター)から小遣いがもらえる仕組みで、集まった小遣いは、社会貢献を目的に子供たち自身が使い道を決める。

 今年は4月に井上さんが急逝したことで開催が危ぶまれたが、活動を継続したいという子供たちの熱意もあり、実施された。井上さんが行っていた講評役は、市内の作家・中津攸子さんと、市文化振興財団の能村研三副理事長が務めた。

 先月29日は、参加者たちが5グループに別れて読書感想を発表。緊張して声が小さくなってしまう子供には、サポーターから「大きな声でゆっくりと」という、生前の井上さんが繰り返し説いていた言葉がかけられていた。

 発表を終えると、サポーターから子供一人一人に小遣いが手渡された。今年は過去最高の23万4500円が手元に集まり、子供たちは大喜び。子供たちとともに井上さんの遺志を継ぐ決意をした河西明子実行委員長は「よみっこ運動を、この地域で取り組んでいることに誇りを持ちたい。今後は、地域に根付かせていきたい」と話していた。

 小遣いの使い道は、今月中に子供たちがアイデアを出し合って決める。

   TOP NEWS



今週のTOP NEWS
 みんなで取り組もう!ごみ拾い
 県内全域「まるごみ’10」