子供を性被害から守るために
 クローバーキッズ協会がセミナー

 「性的虐待を受けた多くの子供が、専門家のケアを受けられずに、深く傷ついたまま放置されています」―。
 
 子供を性被害から守る社会システムの確立を目指しているクローバーキッズ協会(渡辺久子代表)は29日と30日午前10時―午後5時、第1回セミナー「アメリカの実践家から学ぶ性虐待への対応」を、東京・新宿区の慶応大医学部信濃町校舎(JR信濃町駅北口から徒歩1分)で開く。参加費は、1日のみは3000円、2日間は6000円。
 
 医療や教育現場、行政、地域の人々など多分野の人々が一体となって子供を性被害から守る体制作りに向けて活動している同協会。小児科で子供の性被害の診療にあたっている慶応大学病院の小児科医師で小児精神科医の渡辺代表や小児精神科医の酒井道子さんが中心となって、平成19年4月に設立(当時はラベンダーキッズ協会、その後改称)。社会全体で子供を性被害から守ることを目指しながら、性被害を受けた子供をケアする24時間対応システムの確立、日本にはまだないレイプテストキットの開発などに取り組んでいる。
 
 セミナー初日は、性虐待の定義とその背景を学んだ後、米国・マサチューセッツ州のシステムと具体的な対応について、直接携わっている実践家から聞き、日本で構築すべきシステムについてディスカッションする。2日目は、米国でも議論が起こっているという虐待を受けた子供への心理的影響(トラウマ)の定義と現実とのかい離、問題点を学ぶ。司法面接と性虐待の評価についても理解を深め、日本の症例を元に考える。講師は、米国で性虐待を受けた子供の治療を数多く手がけ、法廷での証言の経験も豊富な上級臨床心理士のAmy Tishelmanさんと、同国・タフツ医療センター心療内科とボストン子ども病院神経内科でソーシャルワーカーとして13年間携わってきた江津秀恵さん。
 
 セミナーの参加は、性虐待を学ぶ意欲があれば資格は問わない。 申し込みは、「性虐待セミナー参加希望」と参加希望日・氏名・所属・住所・職種・電話番号・ファクス番号・eメールアドレスを、同協会にファクス(03・6368・5288番)あるいはeメール(cloverkids24@gmail.com)で伝える。

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