くらしの素敵がつまった大人の絵本
 本紙連載・中川もと子さんが出版

 『くらし大好き12ヵ月』
  中川もと子 著
  新宿書房
  ¥1400+税
 
 “ くらしの素敵” がつまった大人の絵本
 
 日々の生活の一瞬一瞬を大切にする楽しさを描いた大人の絵本。イラストやグラフィックデザインを生かした元クリエイティブディレクターで、現在は自宅で陶芸教室を主宰している市川在住の中川もと子さん(66)が、これまで雑誌や本紙で連載したコラムを書籍にまとめた。
 
 第1章「くらしのスケッチブック」(1984―1988年、『ジ・アフタ』すいしょう社)では、料理やパーティー、ファッション、プレゼント、家庭菜園などを手作りしたり、ひと手間かけたりして、毎日のささやかな一つ一つを大切に、愛情を込めて楽しむ姿が文章とイラストから垣間見える。第2章「キッチンあれこれノート」は本紙で1981年から4年間連載したコラム。全64回の連載の中から、アイロンがけやふきん、ぬか漬けなどの料理の楽しみとちょっとした工夫を紹介している。
 
 中川さんは「ものごとを大事に愛おしみながら暮らすことを大切にしてきた。知らない人も多い昔の知恵、くらしの楽しさを何度でも伝えたい」との思いを抱く。
 
 
自宅の庭で野菜作りを楽しむ中川さん
 「そして、いま…」
 
 さて、いまの中川さんの関心は、以前訪れたイタリアで心奪われた野菜作り(第3章「そして、いま…」)。
 
 中川さんが大切にするのは、土と野菜、虫ととともに過ごす、自然のサイクルの中での野菜作り。土づくりをはじめ丹精込めた畑で生まれる野菜から、おいしさとともに、自然の成り立ち、生き物の共生を体感。「化学肥料を使う農法は土壌を薬漬けにし、昆虫や微生物を死にいたらしめてきた。なぜ家庭の野菜作りにまで化学農法が取り入れられてしまったのか」と言う中川さん。「あらゆる生き物が一体となって自然界が形成されている。人間もその一部。小さな畑で過ごす中でいろいろなことが見えてきた」と、自然の力を体全体で味わっている。

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