「人」
家族の夢乗せメダルを目指す
バンクーバー冬季五輪に出場
村上 大輔 さん
中学一年で全日本ユース準優勝と、早くから才能を開花させてきたが、スノーボードにかける思いが爆発的に高まったのは九八年の長野五輪。知り合いの選手の活躍をテレビで見て「自分もこの舞台に立ちたい」と明確な目標を定めた。
その目標は自分でも驚くほど早く実現した。高校三年でソルトレーク五輪に出場。しかし、「緊張しすぎてほとんど覚えていない」と当時を振り返る。そのため「力を出し切れなかった」悔しさが残り、次の五輪に向け地道な努力を続けた。
しかし、前回のトリノ五輪ではまさかの代表落選。その後のシーズンも不振が続き、「正直やめたい」と思うこともあったという。しかし、バンクーバー五輪の最終選考となった先月のW杯で自身初の優勝を飾り、「最後に努力が報われた」。今度の五輪は、一昨年結婚した美津子夫人と、昨年生まれた長女・美凛ちゃんの家族三人の夢を乗せる大舞台。「結果を気にせず楽しんで滑り、笑顔で市川に帰ってきてほしい」との妻の言葉を胸に、同競技では日本人初のメダルを目指す。
不振の時は「ダメで元々だから、楽しんできなよ」との妻のエールに何度も救われた。「遠征で家を空けることも多いから、いつか家族でゆっくりと過ごせる一軒家をもちたい」と夢を語る二十六歳。
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